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F1メカ解説|大荒れトルコで明らかになった、各F1チーム”ヒミツ”の空力

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F1メカ解説|大荒れトルコで明らかになった、各F1チーム”ヒミツ”の空力
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大荒れとなったF1トルコGP。再舗装されたばかりの路面に浮いた油分が、各マシンのボディワークに描き出した筋。それこそが、本来ならばチームが隠して置きたかった、空力面の秘密を暴いた……。

 舗装したての滑りやすい路面、アスファルト表面に浮いた油、硬すぎたタイヤ、低い気温、そして雨……様々な要素が重なり、2011年以来の開催となったトルコGPは、ドライバーやチームにとってチャレンジングなグランプリとなった。

 そんなコンディション下で、なんとかコース上にマシンを留めようとするドライバーたちの奮闘ぶりを見られたという点では、面白いレースだったとも言える。そしてまた、”空力大好き”というファンのみなさんにとっても、これ以上ないグランプリだったのだ。

 天候によって、マシンの各所で発生する空気の渦を観察することができただろう。またタイヤの後方でどのように空気が乱れ、それを空力パーツがどう制御しようとしているのか、その一端も垣間見えたはずだ。

 しかしそれだけではない。舗装したての路面には、前述の通り油分が浮いていた。それは雨と混ざると乳化し、その上を走ったマシンのボディワークに付着……汚れとなって、空気の流れがくっきりとボディワークに描かれていたのだ。

 これは、各チームがテストやフリー走行で使う”フロービズペイント”に似た効果を示した。つまり、チームとしては本当は隠しておきたかったはずのマシン各所の気流を、広く世間に公開してしまったのと同じことになったのだ。

 しかしライバルチームや、空力パーツを愛するファンにとっては、これ以上ないコレクションになったと言えるだろう。本稿では、トルコGPで撮影された、ボディワーク周辺の気流がまざまざと分かる、至極の画像をピックアップしていく。

■レッドブル

Red Bull Racing RB16 sidepods detail

Red Bull Racing RB16 sidepods detail

Photo by: Andy Hone / Motorsport Images

 エイドリアン・ニューウェイという鬼才の存在もあり、空力性能では定評があるレッドブル。この画像の、油分の黒い筋を観察すると、サイドポンツーンの周りをどう空気が流れていくのかが見て取れる。サイドポンツーン上面を流れた気流は、大きく剥離することなく、フロア後部の上面に導かれているのだ。サイドポンツーン側面の気流も、同じようにフロア後部上面に導かれる。このフロア後方を通った気流はディフューザーの上からマシン後方に排出され、ディフューザーの効果を高めているものと考えられる。

■メルセデス

Mercedes-AMG F1 W11 detail

Mercedes-AMG F1 W11 detail

Photo by: Andy Hone / Motorsport Images

 トルコGPで勝利を収め、自身通算7度目のドライバーズタイトルを獲得したルイス・ハミルトン。レース後、パルクフェルメに帰ってきた彼は、マシンから降りる前に喜びをかみしめた。

 そんなハミルトンは置いておいて、コクピット脇を流れる気流の跡をしっかりと観察しておこう。

 注目すべきは、ハロから後方に向けてながれる気流だ。このハロのフェアリング、その下部の膨らみに沿って空気が流れ、サイドポンツーンの上に導かれているのがよく分かる。その気流は、「AMD」のAの字の真横のあたりで、コクピット側面を流れてきた気流と合流しているようだ。

■フェラーリ

Ferrari SF1000 detail

Ferrari SF1000 detail

Photo by: Steven Tee / Motorsport Images

 フェラーリの場合は、乳化した油分での”空力可視化”ではない。フロア下、ステップドボトムの角に、気流の渦ができているのがよく分かる。これにより、ディフューザーに向かう気流を制御しているのかもしれない。

■マクラーレン

McLaren MCL35 rear detail

McLaren MCL35 rear detail

Photo by: Steven Tee / Motorsport Images

 リヤウイング翼端板の角も、気流の渦を生み出す場所である。このマクラーレンMCL35の写真は、その渦を実に綺麗に捉えている。ウイング直後ではあまり激しい渦にはなっておらず見えにくいが、ウイングから少し離れた部分では強烈に渦を巻き、空気中の水分の密度が上がって目に見えるようになっているのだ。

■ルノー

Renault F1 Team R.S.20 sidepods detail

Renault F1 Team R.S.20 sidepods detail

Photo by: Steven Tee / Motorsport Images

 この画像は、ブラインド状になったディフレターと、その後方に存在する縦長のディフレクターの関係性を示すもの。前方の”ブラインド”を形成するフィン1枚1枚の後端から気流が後方に流れ、それがマシン下部に向けて方向を変えているのが分かる。サイドポンツーンを流れる油分の筋を見ても、前述のレッドブル同様フロア後方の上部に気流を導いているのが分かる。

■ウイリアムズ

Williams FW43 sidepods detail

Williams FW43 sidepods detail

Photo by: Steven Tee / Motorsport Images

 この写真にはふたつの面白い部分がある。ひとつはサイドポンツーン側面を流れた気流。これは他のマシンと同様フロア上に導かれているが、再度ポンツーン後方にぐるりと回り込むようにはならず、フロアに接した位置のまま、後方に向かって流されているようだ。リヤタイヤの内側を流れる気流の調整に当てられているようにも見える。もうひとつは、サイドポンツーン上部を流れ、ギヤボックスの方向に向かって流れている気流だ。これが興味深いのは、フロアの高さまで落とし込まれると思いきや、一気に跳ねあげられてロワウイッシュボーンの上に流れるようになっていることだ。

■フェラーリ

Charles Leclerc, Ferrari SF1000

Charles Leclerc, Ferrari SF1000

Photo by: Charles Coates / Motorsport Images

 水煙を見ると、マシンの周りをどのように空気が流れているのが、それがよくわかる。特にディフレクターを通過した気流が、フロア側面を塞ぐように流れているのが分かる。このようにエアカーテンのような役割を果たし、フロントタイヤなどで乱れてしまった気流がフロア下に進入し、パフォーマンスが低下するのを防ぐ働きがある。

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この記事について

シリーズ F1
執筆者 Matt Somerfield