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最近のF1マシンは速くなりすぎ? ダウンフォース削減に踏み切らせた驚異のタイム向上

2021年シーズンのF1では、タイヤへの負荷を軽減するためにダウンフォース量が削減される。その背景には、ここ数年間の驚異的なまでのパフォーマンス向上があった。

Lewis Hamilton, Mercedes F1 W11, Valtteri Bottas, Mercedes F1 W11

Lewis Hamilton, Mercedes F1 W11, Valtteri Bottas, Mercedes F1 W11

Andy Hone / Motorsport Images

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 2021年シーズン、各F1チームは基本的に2020年のシャシーを引き続き使用しなければならない。にも関わらず、2021年マシンは前年型からかなり変化すると予想されている。

 元々、2021年は技術規則が大幅に改定されるシーズンであり、それに合わせた全く新しいマシンが登場する予定であった。しかしながらコロナ禍の影響もあり、新規則導入は2022年に後ろ倒しに。コロナ禍で経済的打撃を受けた各チームのコストを抑えるため、2021年マシンは2020年のシャシーを流用し、トークンシステムを採用してその開発を制限することで合意した。

 しかしその一方で、空力面ではほぼ自由に開発することができる。つまりマシンから発生するダウンフォース量が前年よりも増えることが予想され、ピレリタイヤがその負荷に耐えられるのかという懸念が生じた。したがってF1は、フロアやブレーキダクト、ディフューザーなどに関するレギュレーションを変更することを決定。タイヤは強化された新構造のモノが用意されることになるが、これらの変更によりダウンフォース量が前年比で10%減となり、かかる負荷が軽減されることが目指されている。

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 近年F1マシンは重量も大きくなる一方で、ラップタイムも向上を続けていた。タイヤには史上最高クラスの力が加わっていたのだ。

 このような状況は、レース中にタイヤトラブルが発生するリスクを増大させる。昨年のイギリスGPのレース終盤で、多くのドライバーがタイヤバーストに見舞われたことは記憶に新しい。

 前述の通り、今季はマシン開発の自由度が例年より小さいと言えども、各チームはどうにかして失われたダウンフォースを取り戻し、さらにそれを増やしにかかるだろう。

 ピレリのF1責任者であるマリオ・イゾラは昨年末、これらの変更の必要性について次のように語っていた。

「もちろん、今から2021年末までの間に、各チームはマシンを大きく進化させる力がある」

「最終的に2021年末には負荷のレベルが非常に高くなってしまうだろう。そうなると我々はデグラデーション(性能劣化)やオーバーヒート、ブリスターが発生するレベルまで空気圧を上げなければいけなくなる。それは望んでいることではないので、その(ダウンフォースを削減するという)動きは正しいと思う」

 ダウンフォースが削られF1マシンが遅くなってしまうという事実にドライバーたちは嘆くかもしれないが、ここ数シーズンのデータを見れば、FIAがなぜ対応を迫られたかが分かる。

 昨年タイヤトラブルが続発したイギリスGPの舞台はシルバーストン。高速コーナーが多く、最もタイヤに負荷がかかるサーキットのひとつ(マシンの速度が増せば増すほど、ダウンフォースの発生量は増える。つまり、高速コーナーの方が低速コーナーよりもダウンフォースの発生量、ひいてはタイヤへの負荷が大きいと言える)だが、ここでのタイムの推移を比較してみると、F1マシンがいかに速くなっているかが一目瞭然だ。

 以下は2014年から7年間の、F1イギリスGPにおけるポールポジションタイムである。

2014年:1分35秒766

2015年:1分32秒248

2016年:1分29秒287

2017年:1分26秒600

2018年:1分25秒892

2019年:1分25秒093

2020年:1分24秒303

 2014年の予選に関しては、ダンプコンディションから徐々に乾いていく路面状況だったことを考慮しなければいけないが、それを抜きにしてもここ7シーズンでのラップタイムの伸びは驚異的であると言える。

 もし2021年にダウンフォースを抑える空力規則が導入されていなければ、シルバーストンでのラップタイムは1分23秒台に突入していたかもしれない。それは言うまでもなく、タイヤにさらなる負荷がかかるということになる。

 したがって空力規則を変更し、なおかつピレリタイヤをより丈夫なものにすることで、ラップタイムを落としてトラブルフリーな1年とすることが期待されている。

 ピレリが2021年に持ち込む新構造のタイヤはラップタイムが1秒遅くなる見込みで、フロアの変更なども組み合わさって、開幕時はかなりのラップタイムの落ち込みが予想されている。

 しかし、バーレーンで予定されているプレシーズンテストまではまだ時間があり、各チームは失われたダウンフォースを取り戻す作業に躍起になっているところだろう。レッドブルは、何とかして昨季最終戦と同じレベルのダウンフォースを確保したいと考えている。

「我々の目標は、2020年末と同じレベルのダウンフォースにすることだ」

 そう語るのは、レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコだ。彼はさらに「(各チームは)20%のダウンフォースを失うことになる」ともコメントしていた。

 いずれにせよ2021年シーズンは、ここ数年間のような劇的なラップタイムの向上が見られる可能性は低そうだと言える。ただF1チームはこれまでにも様々なレギュレーションの制約を受けながら、その技術力でマシンパフォーマンスを引き上げ、我々を驚かせてきた。そんな彼らの底力に、今季も注目だ。

 

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