F1メカ解説|大流行の兆し? フェラーリやレッドブルもコピーした、アストンマーチンの”キールウイング”
F1の歴史において、トップチームだけが優れたアイデアを独占しているわけではなく、優勝を争っていないマシンに最高のコンセプトを見出すことができる。
写真:: Giorgio Piola
フェラーリとレッドブルが勝利を巡って激しく争っている2022年シーズンのF1。しかし彼らも、他のチームのコンセプトに目を向け、優れたアイデアをいち早く採り入れているようだ。
アストンマーチンの今季マシン『AMR22』の独創的なアイデアは、発表時から注目されており、フェラーリはいち早くこれをコピー。レッドブルもアップデートでこのアイデアを導入した。
2月10日にアストンマーチンがAMR22を発表した際、ノーズ下のキール部分にウイングを装備。この部分のデザインに自由度があることを活かして、ダウンフォース増加を狙った。
フェラーリが新車『F1-75』を発表したのは、2月17日。この時点ですでに、AMR22と同じようにキール部分にウイングが装備されていたため、フェラーリとアストンマーチンが同じ答えに行き着いたのかと思われたが、実際はそうではなかったようだ。
当時ビノットは「F1-75には、すでにここ数日で発表されたクルマから得られたディティールがある」と語った。
「特にこの最初のフェーズでは、全員がお互いをよく観察することになる」
各チームのマシンデザインが収束していくのは、特に新しいことではない。しかしアストンマーチンの新車発表から、フェラーリが実際にパーツを作ってスタジオショットを公開するまでわずか7日しかなく、その間に風洞試験とCFD(コンピューター流体解析)でその効果を確かめているはずだと考えると、フェラーリが実に迅速に動いたことが分かるだろう。
キール内部には様々なコンポーネントが搭載されている。サイドポッドではなく、ここに一部の電子機器を搭載しているチームもある。レッドブルの場合、これらのコンポーネントを冷却するために、細長い吸気口を設けていた。
また、レッドブルは他の多くのチームと同様、このキール部分にスプリング状のエレメントを搭載している。そのためキール部分の形状は制限されるが、それでもレッドブルはこの部分を絞り込み、エミリア・ロマーニャGPからキールウイングを搭載している。
ウィングレットは局所的な圧力分布と気流の挙動を変化させる。一対の渦流を生み出すことで、この位置を通る気流をパワーアップさせたり、逆に抑えるなどコントロールすることができるのだ。このウイングが、フロアのベンチュリ・トンネルと近い位置にあることを考えると、特に重要となる。
エミリア・ロマーニャGPでは、レッドブルだけでなくアルピーヌもキールウイング(青矢印)を導入している。アルピーヌはこの週末、フェルナンド・アロンソのマシンに数々の新パーツを搭載した。フロアの切り欠き部分(赤矢印)やフロアトンネル入り口(黄色点線)部分の形状が変更されている。
Alpine A522 Floor comparison
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