ウイリアムズも“F1界のトレンド”を追従。シェイクダウンで明かされた2024年マシンFW46の実車で見えたコト
ウイリアムズはプレシーズンテストに先立ちバーレーンでFW46のシェイクダウンを実施。実際に2024年のF1を戦う実車の姿が明かされたが、そこからはF1界の“流行り”を多く取り入れたことが分かる。
ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】
Analysis provided by Giorgio Piola
ウイリアムズは2月21日から始まる3日間のプレシーズンテストに先立ち、フィルミングデーを利用して、バーレーン・インターナショナル・サーキットで2024年マシンFW46のシェイクダウンを実施した。
ウイリアムズは2月初旬にアメリカ・ニューヨークでFW46のカラーリングを公開していたが、今回はその実車が公開された。そこには注目すべき昨年からの変更点がいくつかある。
イギリス・グローブに拠点を置くウイリアムズは、ジェームス・ボウルズ代表主導のもと、2023年マシンFW45の開発を切り上げ、2024年のステップアップに集中。FW46はウイリアムズの自信作とも言える1台だ。
ウイリアムズが実車を公開する前から、FW46はリヤサスペンションがプッシュロッド式になることが予想できた。
チームは現行レギュレーションが導入されてから最初の2年間はプルロッド式を採用していたが、メルセデスがリヤサスペンションをプッシュロッド式に変更したため、メルセデスからパワーユニット、ギヤボックス、リヤサスペンションを含むリヤエンドを購入しているウイリアムズはそれに続くと考えられたのだ。
メルセデスW15やアストンマーティンAMR24と同様、ウイリアムズはフロントのプッシュロッド式を維持した。
ウイリアムズの2024年マシンは、空力パーツに関して昨年マシンから大きく進化しているが、その変更点にスポットライトを当ててみよう。
Williams FW46
Photo by: Williams
まずFW46のノーズは全体的にワイドかつフラットな形状となり、ノーズ先端は滑らかで丸みを帯びた先代の仕様ではなく、幅の狭い四角い“アゴ”のような部分が付けられた。フロントウイングは2023年シーズンを通してチームが開発したモノを踏襲し、ノーズ横の非可動部分が狭く、フラップ部分が広くとられた。
サイドポンツーンに関しては、レッドブルが先鞭をつけた受け口(アンダーバイト)スタイルに変更。インテーク下端を前端よりも前に配置することで、フロントホイール周辺で生まれる乱気流からインレットを守ることができる。
レッドブルの昨年マシンRB19の流れを汲むこのアンダーバイトスタイルはウイリアムズだけではなく、ビザキャッシュアップRBやアストンマーティン、フェラーリ、ハースなども採用しており、F1界での一大トレンドとなっている。ただ、先駆者のレッドブルはそのトレンドを捨て去って、メルセデス式とも言える“ゼロポッド”に走ったのだが……。
Williams FW46
Photo by: Williams
またFW46では、アンダーバイトスタイルに変わったサイドポンツーンを最適化すべく、ボディーワークを変更。サイドポンツーン下部のアンダーカットは後方まで過激に絞り込まれた。サイドポンツーン上面には“ウォータースライダー”とも呼ばれる落とし込みが設けられており、サイドポンツーンの上下を流れる気流をリヤホイール周辺で合流させ、ディフューザー上に導こうとチームは考えているようだ。フロアエッジの細かい空力パーツからもその意図が読み取れる。
そしてウイリアムズはリヤウイングに、昨年のモナコGPでアルピーヌが初めて採用したフラップ独立型を採用。こちらも現在のF1ではトレンドになりつつある。エンドプレートの付け根には、ウイリアムズがオーストラリアGPで導入したスウェッジラインが今年も残っているのが確認できる。
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