圧倒的強さで完勝したレッドブル&フェルスタッペン。今季どんな新記録を樹立したのか?|F1データ・アーカイブ
全22戦で行なわれた2022年のF1。レッドブルとマックス・フェルスタッペンが、圧倒的な強さでダブルタイトルを獲得した。そして彼らは、いくつもの新記録を樹立している。
World Champion Max Verstappen, Red Bull Racing RB18, 1st position, performs donuts on the grid in celebration
Mark Sutton / Motorsport Images
2022年シーズンは、序盤戦こそフェラーリが強さを見せたものの、シーズンを通してみれば、レッドブルとマックス・フェルスタッペンが脅威的な強さを発揮した1年だったと言うことができるだろう。
そしてそのレッドブルとフェルスタッペンは、今季数々の新記録を打ち立てた。本稿では彼らが記録した”レコード”の全てを紹介していこう。
■マックス・フェルスタッペン
1. シーズン最多勝:15勝
これまでの1シーズンあたりの最多勝記録は、2004年のミハエル・シューマッハー(フェラーリ)と、2013年のセバスチャン・ベッテル(レッドブル)の13勝だった。
しかしベッテルがシューマッハーの記録に並んだ9年後、フェルスタッペンはメキシコシティGPで勝利したことで、年間14勝目。新記録を更新した。その後、最終戦アブダビGPでも勝利し、その記録を15にまで伸ばした。
2021年シーズンまでトップレベルの強さを維持し続けていたメルセデス勢が、ポーパシングやバウンシングで苦戦したこと、そしてシーズン序盤は速さを見せたフェラーリ勢が、戦略ミスやデグラデーションが大きいマシン特性により失速したことも、フェルスタッペンが新記録を樹立する手助けとなった。
2. シーズン最多獲得ポイント:454ポイント
この記録も、かつてはミハエル・シューマッハーが保持していた。彼は2004年、18レースで148ポイントを獲得した。しかし当時は、優勝者が獲得できるポイント数が10だった時代。2010年から優勝者に与えられるポイントが25に変更されたため、シューマッハーの記録が塗り替えられるのは時間の問題だった。
2013年のベッテルは、19戦で397ポイントを獲得。その後、ルイス・ハミルトン(メルセデス)が2018年に408ポイント(21戦)、2019年にはさらに413ポイント(21戦)まで獲得記録を伸ばした。
今季のフェルスタッペンは、その2019年のハミルトンの記録を大幅に更新。22戦で454ポイントという記録を破るのは、かなり大変なことだろう。しかし2023年シーズンは年間のレースが2戦増えて24戦、さらにスプリントも今年よりも3戦増えて6戦で行なわれる。圧倒的な強さを見せるドライバーとチームが現れれば、再度更新される可能性も皆無ではないだろう。
3. 最大の逆転チャンピオン:46ポイント差
圧勝したフェルスタッペンだが、実は最大のポイント差を逆転しての載冠劇だった。
フェルスタッペンはシーズン序盤はリタイアが続き、開幕3戦中2戦でリタイア。第3戦オーストラリアGPが終わった段階では、ランキング6番手だった。当時首位に立っていたシャルル・ルクレール(フェラーリ)との差は46ポイントだった。
ただその後のフェルスタッペンの勢いはご存じの通り。3連勝し、一気にランキング首位に浮上し、その後は一度もランキング首位の座を明け渡すことなく、チャンピオンを獲得することになった。
この46ポイント差を逆転してのチャンピオンというのは新記録。これ以前の最大の逆転劇は、2012年のこと。ベッテルは残り6レースという段階でフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)に44ポイントのリードを築かれていたが、それを逆転してチャンピオンに輝いた。
4. 最も多くのグリッドからの優勝を記録:7グリッド
今季15勝を挙げたフェルスタッペンは、それだけでは飽き足らず、7つのスタートポジションから勝利を手にするという記録を作った。
フェルスタッペンは昨シーズンまでは、グリッド2列目以内からスタートしなければ勝利することができなかった。しかし今季のハンガリーGPで10番グリッドから優勝。さらにベルギーGPでは、14番グリッドからのスタートにもかかわらず勝利を手にした。
その後、イタリアGPでは7番グリッドからスタートして優勝。これで、7つのグリッドポジションから勝利を手にするという新記録を樹立したわけだ。
これまでの記録は、アラン・ジョーンズ(ウイリアムズ/1980年)、アラン・プロスト(フェラーリ/1990年)、キミ・ライコネン(マクラーレン/2005年)らが持っていた5つのグリッドポジションからの優勝だった。
5. ポールポジション以外からの最多勝利:9
今シーズンは、予選での最速マシンはフェラーリだった。フェラーリは全22戦中12戦でポールポジションを獲得。それを考えれば、フェラーリがタイトルを獲得してもおかしくはなかった。
しかし決勝では、レッドブルの方がレースペースが圧倒的に優れており、逆転するレース多数。そこにフェラーリ陣営のミスも積み重なり、フェルスタッペンの勝利数が増えていった。
結局フェルスタッペンは、今季の15勝のうち9勝をポールポジション以外からスタートして決めた。これは2019年のハミルトン(8回)を超えて新記録。1995年のミハエル・シューマッハー(ベネトン)も、7回をポールポジション以外からのスタートで記録している。
Max Verstappen, Red Bull Racing, 1st position, celebrates World Championship victory with Helmut Marko, Consultant, Red Bull Racing, Christian Horner, Team Principal, Red Bull Racing, Sergio Perez, Red Bull Racing, 2nd position, the Red Bull team
Photo by: Zak Mauger / Motorsport Images
■レッドブル
1. 連続連対(2位以内)記録:19戦
2021年シーズンはドライバーズタイトルを獲得したものの、コンストラクターズタイトル獲得は逃したレッドブル。今シーズンは是が非でもこのタイトルが欲しかったはずだ。
結果的にフェルスタッペンが17回、チームメイトのセルジオ・ペレスは11回の表彰台を獲得。これにより2013年以来8年ぶりとなるコンストラクターズタイトルを手にした。
特筆すべきは、彼らが19戦連続で1位または2位でフィニッシュしたことだ。第2戦サウジアラビアGPでフェルスタッペンが優勝したのを皮切りに、メキシコシティGPまでいずれかのドライバーが2位以内でフィニッシュしたのだ。レッドブルの今季の強さを表す指標のひとつと言えよう。
これまでの記録は、ウイリアムズが1993年から1994年にかけて、またメルセデスが2014年から2015年にかけて記録した17戦連続だった。
■逃した記録
1. ドライバーズランキング2位との差
フェルスタッペンはルクレールに146ポイントの差をつけてドライバーズタイトルを獲得した。現在の記録は2013年のベッテルがアロンソに対して築いた155ポイント。これには9ポイント及ばなかった。
2. コンストラクターとしての年間最多勝
今シーズンのレッドブルはフェルスタッペンが15勝、ペレスが2勝を挙げ、合計17勝を記録した。しかし2016年のメルセデスは、ニコ・ロズベルグが9勝、ハミルトンが10勝を挙げ、合計19勝を挙げている。この時の勝利数には及ばなかった。
3. コンストラクターの年間最多獲得ポイント
レッドブルは2022年シーズン、759ポイントを獲得した。しかし2016年のメルセデスは765ポイントを獲得している。これには6ポイント及ばなかった。
Be part of Motorsport community
Join the conversationShare Or Save This Story
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。
Top Comments