分析
F1 オーストリアGP
F1メカ解説|アルピーヌF1大躍進。今やメルセデスに次ぐ”速さ”4番手……リヤウイングのアップデートが功を奏した?
アルピーヌF1は最近、メキメキと戦闘力を上げており、メルセデスのすぐ後ろにいることも少なくない。その理由のひとつが、リヤウイングのアップデートにありそうだ。

Matt Somerfield
編集: 2022/07/14 5:54
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ここ数戦、アルピーヌは中団グループから抜け出す速さを見せ、それを結果にも繋げている。その理由のひとつが、リヤウイングのアップデートにありそうだ。
アルピーヌは先日のオーストリアGPでエステバン・オコンが5位に入賞。フェルナンド・アロンソも、最後尾スタートながら10位……タイヤの異常振動がなければ6位も見えていたはずだ。
その前のイギリスGPではアロンソが5位、カナダGPではオコン6位、アロンソ9位と、アルピーヌは安定して上位でフィニッシュするようになった。これにより、コンストラクターズランキングでは4番手マクラーレンと81ポイントで並ぶ5番手につけている。
この好成績は、かなり集中的とも言える開発の結果とも言えそうである。
レッドブルリンクでは、今シーズンこれまでに使った4種類のリヤウイングを基に、さらに発展させた新しいリヤウイングを搭載。これが好ペースに繋がった。
この新しいリヤウイングは、従来の中間レベルのダウンフォース仕様のリヤウイングと、ハイダウンフォース仕様のリヤウイングの中間に位置しているようだ。
当初アルピーヌは、比較的フラットなメインプレーンのデザインを好んで使っていた。しかし今回は中央部を厚く、両端を薄くするスプーン形状のモノを採用してきた。下の画像の上は新仕様のリヤウイング、下はシーズン序盤の仕様である。
Alpine A522 rear wing comparison
Photo by: Uncredited
この変更に伴い、ウイングのフラップと翼端板の繋ぎ方も修正されている。
上の写真を見ると、開幕当初の仕様は、後端上部の切り欠き(黄色の線参照)が小さかった。しかし新仕様のものは、後端上部の切り欠きがかなり大きくなっているのがお分かりいただけるだろう。おそらくこの形状変更によって、この部分で形成される空気の渦の形状が変化しているものと思われる。
アルピーヌはまた、上の写真の丸で囲まれたDRSのピボット部分にも変更が加えた。従来のモノは単純な球状のピボットだったが、新仕様は前後に長さのある、ティアドロップ形状となり、フラップ側にその膨らみが取り付けられた。
つまりこれは、DRSが開いた時にはフラップと共に上部に持ち上げられることを意味している。おそらくその際、周辺を流れる気流を整流するという効果を狙ってのことだろう。
フェラーリに続け! ”バスタブ”型サイドポンツーン
なおアルピーヌは、イギリスGPの時点でも重要なアップデートを行なっていた。それが、サイドポンツーンの形状変更である。
前方では、サイドポンツーンはかなり細く絞り込まれ、下部にはアンダーカットも入れられた。そしてサイドポンツーンの上部には、今季のフェラーリが採用しているような窪みが設けられたのだ。
この窪みは、気流を通す流路としての役割を持っているだろう。そして、最後ポンツーンのショルダー部分が高くなっていることで、上部を流れる気流が横方向に”こぼれ落ちる”のを避け、後方に向けて効果的に気流を導くことを狙っているものと思われる。
また冷却用のスリットのレイアウトにも、細かく変更が加えられている。シルバーストンでは、この窪みの中に数多くのスリットが入れられていたが、オーストリアではこのスリットは存在していなかった。ただその一方で、エンジンカウルの冷却用ルーバーは、オーストリアの方がより広範囲になっている。
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