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F1メカ解説|メルセデス、復活への第一歩。マイアミGPで投入した”過激”フロントウイング

メルセデスはF1マイアミGPにアップグレードを投入。ジョージ・ラッセルがトップタイムを記録したが、これはメルセデスにとって復活の前兆だったのだろうか。

George Russell, Mercedes W13, arrives on the grid

写真:: Jerry Andre / Motorsport Images

ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】

Analysis provided by Giorgio Piola

 今シーズン開幕から苦しんでいるメルセデスは、F1第5戦マイアミGPにアップグレードを持ち込んだ。するとジョージ・ラッセルがFP2でトップタイムをマークした。

 強いメルセデス復活かと思われたのもつかの間、土曜日以降はフェラーリやレッドブルと争えるポジションから、定位置となりつつある”中団勢のトップ”に戻ってしまった。

 メルセデスが今理解しなければならないのは、マイアミGP金曜日の結果がマグレか幻だったのか、それともFP3以降にパフォーマンスが低下してしまったのかということだ。

 パフォーマンスが変動したひとつの要因として考えられるのは、路面温度とラバーも含めた、トラックコンディションの変化だ。金曜日の走行では、タイヤのパフォーマンスを引き出すスイートスポットを見つけることができたが、土曜日以降は路面状況が変化し、スイートスポットから外れてしまったのかもしれない。

 実際、メルセデスが苦しんでいるポーパシングは、メルセデスがW13の性能を最大限に引き出すために解決しなければならないパズルのピースのひとつに過ぎないのだ。

 そうした問題を解決するためにも、メルセデスはマイアミGPにいくつかの新しいコンポーネントを持ち込んだ。中でもフロントウイングは、今季これまでの中で最もユニークな解釈をした、斬新なエンドプレートを備えている。

メルセデスの過激フロントウイング

 これまでほとんどのチームはフロントウイングと、そこから垂直に立ち上がったエンドプレートの接合部について、開幕前にF1側が提示したモデルカーと同じようなデザインに留まっていた。

 このエリアのレギュレーションは、新しい18インチホイールとタイヤ、ホイールカバー、より単純化されたブレーキダクトのレギュレーションとも連動。以前のレギュレーションでは可能だったアウトウォッシュ(フロントタイヤ外側に流れる気流)の量を減らすために、意図を持って設定されている。

 メルセデスのアプローチは、ある種のパラダイムシフト、あるいはブレイクスルーといってもいいモノかもしれない。新ウイングのエンドプレートは、下部に大きな切込みが入っているのだ。

Mercedes W13 endplate comparison

Mercedes W13 endplate comparison

Photo by: Giorgio Piola

 このデザインを実現するために、フラップの設計は全面的に見直されている。メインプレーンの前端が若干上向きにされた他、エンドプレートと接続している部分は大幅に短縮。他3枚のフラップも、より前方でエンドプレートに接続されている。負荷に対応するため、上2枚のフラップ接続部分は金属で補強されている。

 これらの変更により、本来フラップに接続されるはずのエンドプレート下端の”空いたスペース”が切り欠きとなっているのだ。これにより、新たにより前方、より高い位置に気流の通り道ができたのだ。

Mercedes W13 end plate inside component

Mercedes W13 end plate inside component

Photo by: Giorgio Piola

リヤウイングはシンプル化

 メルセデスが投入したアップデートは、フロントウイングだけではない。リヤウイングも一新された。

 というのも、メルセデスはここ数戦、上部フラップを不自然に切り落としたリヤウイングを使用。合わせてガーニーフラップを使って空気抵抗とダウンフォースを調整していた。

 新しいリヤウイングは、以前のモノと比べてよりシンプルな構造をしているように見える。若干前縁が上向き、複雑な曲線を描いていたメインプレーンは、シンプルなストレート構造に。その分、エンドプレートとの接続部のRは緩くなっている。

 また、空気抵抗の大きかったビームウイングも”パワーダウン”。上部エレメントの後縁が切り落とされている。

Mercedes W13 rear wing comparison Miami GP

Mercedes W13 rear wing comparison Miami GP

Photo by: Giorgio Piola

 メルセデスは、今回のアップデートについて「今後の方向性を見定める指針になるはず」だとしている。ただW13最大の問題であるポーパシングの解決に向けて、”本丸”であるフロアのアップデートも予定しているはずだ。

 FP2でラッセルが見せた速さが、W13が持つ本来のポテンシャルだったのだとしたら、メルセデスがそのポテンシャルを解放できれば、シーズン後半はフェラーリやレッドブルと優勝を争うことができるかもしれない。

 
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