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2022年の開催がラスト? F1モナコGPの”運命”を決める5つの要素とは?

2023年の開催が危ぶまれるF1モナコGP。かの地を巡る5つの要素が、今後の開催の是非を決定づけることになるだろう。

A view of the harbour and grandstands

写真:: Carl Bingham / Motorsport Images

 F1からモナコGPがなくなるなど考えられない。かつてはそう思われていた。 

 モンテカルロの市街地をF1マシンが駆け抜けるこのストリートレースにはスポンサーやセレブリティも集まり、レース週末には世界中の注目がこの小国に向けられる。 

 1929年に初開催されたモナコGPは、1950年にF1が発足して以来、”聖域”としてF1を象徴するレースのひとつとされてきた。 

 しかし時代は変わり、新F1オーナーのリバティ・メディアの下、オランダGPが熱気に溢れる中復活し、マイアミGPが大々的に初開催を迎えた。グランプリレースを主催するプロモーターは、ファンや商業的利益のためにF1側が望む条件を全てクリアすることが求められるようになった。 

 伝統のモナコGPも、もはや例外ではない。F1は、モナコGPを主催するモナコ自動車クラブ(ACM)と2023年以降のグランプリ開催に向けた契約交渉に向けて、自分たちの望むモノが得られなければ、カレンダーから外すことも辞さないという姿勢で臨んでいる。

 この開催契約交渉にはいくつかの重要な要素がある。2023年に第80回F1モナコGPを開催するためにF1とACMの双方が妥協点を見出すか、あるいはどちらかの意見に頷くか……それとも開催を諦め契約延長をしないか。未来はこの3択だろう。 

 モナコGPがF1カレンダーから外されることに懐疑的な人も少なからずいるだろう。しかしF1のステファノ・ドメニカリCEOは、モナコGPが現在のF1のビジョンに沿うことを強く望んでいると関係者は示唆している。 

Lewis Hamilton, Mercedes W13

Lewis Hamilton, Mercedes W13

Photo by: Steve Etherington / Motorsport Images

F1開催料

 モナコGPはF1にとって必要不可欠な存在であり、レース開催費を一銭も払ったことがないという都市伝説が長く存在していた。しかしそれは事実ではなく、1200万ドルから1500万ドル(約15億〜20億円)程度の開催料を支払っているとされている。 

 ただそれは他の多くの開催地の半額程度であり、サウジアラビアやカタールなどの新天地が支払う額の3分の1。そうした高額の開催費には到底及ばないのだ。 

 F1はモナコGPに対して、他のグランプリレースと同等の開催料は求めていないものの、これまでに支払われた金額について一度帳簿をチェックしたいところだろう。 

 また、グランプリレースの開催数が増加の一途を辿っていることから、ロジスティクス的問題を解決するため、F1はイベントごとの地域集約を目指している。モナコGPをこれまで開催してきた5月に北米でマイアミGPとカナダGPをまとめて開催する可能性も示唆されており、柔軟なレース日程が求められることになりそうだ。 

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A camera operator at work

A camera operator at work

Photo by: Andy Hone / Motorsport Images

F1国際映像プロダクション

 F1側の大きな不満のひとつが、モナコGPはカレンダーの中で唯一、通常のディレクターが国際映像を担当しないレースであるということ。これはファンとしても実感できることだろう。 

 モナコGPでは通常のTVディレクターではなく、モナコ側が国際映像のコントロールを行なう。そのため、他のグランプリレースよりも映像パッケージが見劣りすることがある。 

 今年の予選では、セルジオ・ペレス(レッドブル)がスピンを喫した直後に別の視点の映像へ切替わり、フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)のクラッシュを見落とした。過去にもバトルの途中で別のハイライトが流れ、重要なバトルシーンを届けられなかったことも。また、単独で走っていても地元モナコやフランスのドライバーが優先的に取り上げられ、映像のアングルもベストとは言い難いモノだった。 

 F1はモナコ側に対して、他の開催地と同様に放送の支配権を譲り渡すことを望んでいるのだ。 

Sergio Perez, Red Bull Racing RB18

Sergio Perez, Red Bull Racing RB18

Photo by: Erik Junius

スポンサーシップと広告

 F1の世界的な知名度と商業的な魅力は、大口スポンサーやサポーターを惹きつけている。 

 F1はそうした公式パートナーの待遇を改善し、高額なスポンサー料に見合う広告の露出を確保するために奔走している。つまり、そうしたスポンサーの競合ブランドが重複することは避けたいのだ。 

 多くの開催地では、グランプリレース期間はサーキットに設置されている広告のほとんどをF1側が管理し、一貫性を持った広告が掲載されることをスポンサー側に保証している。 

 ただモナコはその例外。グランプリレース期間中の一部のコースサイド広告やスポンサー契約を独自に販売する権利を有している。 

 F1の公式タイミングパートナーであるロレックスの競合ブランド、タグ・ホイヤーの広告が、コースサイドの目立つ箇所に掲載されるというモナコ側の決定が、F1の利権関連を司るフォーミュラ・ワン・マネージメント(FOM)の不興を買い、この取り決めを変更する必要があることを認識したとされている。 

 このスポンサーシップと広告の面でも、F1はモナコが他の開催地と同様の条件を受け入れることを望んでいる。 

アクセスとインフラ

 テレビを通して見ているとそのきらびやかさが目に眩しいモナコGP。しかし非常に狭いピットエリアが故に、長年チームスタッフには最も過酷な労働環境での作業が強いられてきた。 

 しかし年々そうした状況は改善され、現在のガレージ施設は、チームが駐車場で立ち往生していた数年前よりも確実に良くなっている。ただ依然として不満がゼロな訳ではない。 

 モナコGPを訪れるファンにとっても、道路交通の整備や公共交通機関の充実などといったアクセスとインフラの面では改善の余地が残されている。 

 グランプリレース期間中のフランス・ニースとモナコを繋ぐローカル線の増発・増車不足により、行き帰りの駅で何時間も待たされている現状がある。一流のスポーツイベントである以上、きちんとした対策を講じなければならない。 

 地理的制約があるとはいえパドックも手狭で、メディア向けの設備も不十分。チームのモーターホームのほとんどが閉鎖されているため、食べ物にありつくことが困難なのだ(メディアセンターには全員分のサンドイッチすらない)。 

ST. HELENA - Extreme E - The Electric Odyssey 
moored off Monaco

ST. HELENA - Extreme E - The Electric Odyssey moored off Monaco

Photo by: Steven Tee / Motorsport Images

コースレイアウト

 モナコGP最大の不満点は、決勝レースそのものにガッカリさせられるのが多いことだ。無論、過去を振り返ればつまらないレースだけではないのは確かだが。 

 しかし、狭く曲がりくねったコースレイアウトが故に、決勝レース中のオーバーテイクは決定的なペース差がなければほぼ不可能。特にドライコンディションのレースでは、たいてい大名行列と化す。 

 F1はモナコのモンテカルロ市街地サーキットに全面的な修正を求めている訳ではない。ただ、ショーとしてのレースを改善するためには何かしらの変更が必要だと考えているのだ。 

 ひとつの提案としては、トンネル出口のヌーベルシケインのひとつ目のエイペックスに当たるバリアを後退させ、コーナーへの進入エリアを広く確保することで、ドライバーがインを差すチャンスを増やすというモノが挙げられている。 

 またF1では、コースの一部区間の延長などの再整備で、より長いコースレイアウトに変更することも可能だと考えられている。 

 モナコ側は、現時点ではコースレイアウト変更の必要性はないと強く主張しているが、開催契約を失うリスクを天秤に掛ければ、レイアウトの変更も検討材料になるだろう。 

 
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