分析
F1 モナコGP
【F1メカ解説】メルセデス、”超低速”モナコにサスペンションアップデートを実施。より曲がりやすく?
F1モナコGPで大敗喫したメルセデス。ただ同チームは、そんなコースでも最大限のパフォーマンスを発揮するべく、様々なアップデートパーツをモナコに持ち込んでいた。
Matthew Somerfield Giorgio Piola
編集: 2021/05/28 11:38
Copy link
Viberでシェア
Google検索でmotorsport.comをお気に入り登録

第4戦スペインGPが終わった時点で、コンストラクターズランキング首位に立っていたメルセデス。しかしモナコGPは一転、大苦戦のレースとなった。
メルセデスは伝統的に、ホイールベースの長いマシンを走らせてきた。ホイールベースの長いマシンは、モナコのような狭く曲がりくねったようなコースには不向きと言われることが多いが、それでもメルセデスは2013年からモナコ4連覇。そして2019年にも勝利を収めている。
ただ、モナコへの指標とも言われるカタルニア・サーキットのセクター3の速さは、今年に限ってはレッドブルの後塵を拝していた。
そんな状況でメルセデスは、モナコに向けて数々のアップデートパーツを投入。その効果は発揮されなかったのか、ルイス・ハミルトンが7位、バルテリ・ボッタスがリタイアと、前述の通り大苦戦のレースとなってしまった。
結果が伴わなかったとはいえ、メルセデスが行なったアップデートは、マシンとタイヤからペースを引き出すための最良の方法だったはずだ。
抜本的な変更
メルセデスのシーズン序盤戦での進歩は、機械面であれ空力面であれ、適切なセットアップを理解することに端を発する。その結果、シーズン開幕前にはリヤエンドが不安定だったが、小さなアップデートにより、これが解消された。
しかし新しいステアリング、サスペンション、ブレーキアッセンブリーなど、モナコに全チーム中最大とも言えるアップデートパーツを導入した。
MERCEDES W12 comparison
Photo by: Uncredited
モンテカルロ市街地コースは、冒頭でも述べた通り超低速。他に類を見ないコース特性であり、全チームがこれへの対処を要することになる。
長いホイールベースのメルセデスW12は、ヘアピンを効率的にクリアするためには、他のチーム以上に工夫することが必要だろう。
上の写真を見れば、そのためのチームの努力は一目瞭然だ。
スペインGPの仕様と比較すると、ロワウイッシュボーンとステアリングロッドはより前方に配置されている。特に黄色の点線で示されているステアリングロッドは、スペイン仕様に比べて幅が広くなり、さらにホイール側の端では、さらに前方に向けて曲げられている。また、ロワウイッシュボーンの前とステリングロッドの間のスペースも広がっている。
この変更は、W12の低速における操縦性を引き上げるために行なわれたもの。ただそれだけではなく、ブレーキダクトの設計変更にも影響を及ぼした。
Mercedes W12 front brake duct comparison
Photo by: Uncredited
ステアリングロッドとウイッシュボーンのレイアウトを変更したことにより、ブレーキダクトにも大きな変更が必要だった。ステアリングロッドを前方に移したことにより、写真の黄色で塗りつぶされた部分には、ダクトを配置することができなくなった。その結果、青色で塗られた部分でこれまで同様の気流を取り入れるためには、ダクト内の分割を変更する必要があった。
このブレーキダクトから取り入れられる気流は、通常ならばブレーキの冷却のみならず、空力効果を向上させるためにも使われる。しかし今回サスペンションのレイアウトが変更されたことにより、ダクトの分割に制限が加わることになった。結局冷却性能を確保することが優先され、空力性能は後回しにされることになった。
Read Also:
- メルセデス、次戦アゼルバイジャンGPでライバルが使う”フレキシブルウイング”について抗議?
- 「プレッシャーを掛け続けることが必要」レッドブル、メルセデスの“珍しい”ミス発生に勝機見出す
- アンダーカット作戦が唯一のチャンスだった? メルセデス「ハミルトンの不満は分かるが……」
- モナコで外れなかったボッタスの右フロントタイヤ……ファクトリーに戻らないと外せない??
- フェラーリ、F1モナコGPでのルクレール車のドライブシャフト故障は「予選のクラッシュが原因」と断定
あなたの意見が聞きたい!
Motorsport.comで何を見たいですか?
5分間のアンケートにご協力ください。
- Motorsport.comチーム
コメントを読んで投稿する
関連ニュース :
記事をシェアもしくは保存
Copy link
Viberでシェア
前の記事 予想外のノリス表彰台、マクラーレン代表「チャンピオンシップ争いでも良い展開」
次の記事 FIA、モナコGP予選でのルクレールのクラッシュを受け、”予選タイム抹消ルール”導入も視野
Top Comments
コメントはまだありません。 最初のコメントを投稿しませんか?
View More & Comment
More from
Matthew Somerfield

F1メカ解説|ハース、アメリカGPに大規模アップデート投入。サイドポンツーンが今季のトレンドに似た形状に……パフォーマンス向上なるか?
F1
F1
アメリカGP
2023/10/20
F1メカ解説|ハース、アメリカGPに大規模アップデート投入。サイドポンツーンが今季のトレンドに似た形状に……パフォーマンス向上なるか?

F1メカ解説|メルボルンにやってきたマシンたち。接写することで見える細かな工夫|オーストラリアGPピットレーン直送便
F1
F1
オーストラリアGP
2023/04/01
F1メカ解説|メルボルンにやってきたマシンたち。接写することで見える細かな工夫|オーストラリアGPピットレーン直送便

F1メカ解説|アストンマーチン、グレーゾーン攻めた”奇抜リヤウイング”導入! 消えたはずのエンドプレート復活
F1
F1
ハンガリーGP
2022/07/30
F1メカ解説|アストンマーチン、グレーゾーン攻めた”奇抜リヤウイング”導入! 消えたはずのエンドプレート復活
最新ニュース

フェラーリ代表、最高の滑り出し見せたメキシコシティGPに期待も「土曜日に向け、最大限の結果を引き出さないと」
F1
F1 F1
メキシコシティGP
45 分前
フェラーリ代表、最高の滑り出し見せたメキシコシティGPに期待も「土曜日に向け、最大限の結果を引き出さないと」

マシンが準備されてない! ピットインして激怒ミラー、チームに謝罪「行き違いがあった。間抜けに見えただろう」
MotoGP
MGP MotoGP
マレーシアGP
1 時間前
マシンが準備されてない! ピットインして激怒ミラー、チームに謝罪「行き違いがあった。間抜けに見えただろう」

メルセデス、新パッケージのポテンシャルはまだ解放できず? ラッセル「最適な領域からかなり外れている」
F1
F1 F1
メキシコシティGP
1 時間前
メルセデス、新パッケージのポテンシャルはまだ解放できず? ラッセル「最適な領域からかなり外れている」

マルケス、余力残しの走りでスプリント2位「この天候で先頭を走るつもりはなかった」
MotoGP
MGP MotoGP
マレーシアGP
2 時間前
マルケス、余力残しの走りでスプリント2位「この天候で先頭を走るつもりはなかった」
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。
次の 2 つのオプションがあります。
- サブスクライバーになります。
- 広告ブロッカーを無効にします。
購読中 すでに購読していますか? ここからサインインします
広告ブロッカーを無効にしましたか?
ページをリロード
お知らせの管理
登録