F1分析:ルクレールの予選成績から見える、”打倒ベッテル”に必要な課題とは?

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F1分析:ルクレールの予選成績から見える、”打倒ベッテル”に必要な課題とは?
執筆:
2019/01/22 7:28

ルーキーながら素晴らしいパフォーマンスを見せた2018年のルクレール。しかし新チームメイトのベッテルを相手にするには、改善が必要な弱点がある。

 2018年にアルファロメオ・ザウバーからF1デビューしたシャルル・ルクレールは、予選の素晴らしいパフォーマンスと力強いレース運びを見せ、スクーデリア・フェラーリのドライバーへと大抜擢された。しかし、新たなチームメイトとなるセバスチャン・ベッテルに対抗するためには、ある部分で進歩を遂げなければならない。

 2018年の開幕戦オーストラリアGPの時点では、ウイリアムズと最後尾を争っていたザウバー。しかしシーズンを通じて進歩を続け、終盤には予選Q3進出も珍しくなくなった。

 ルクレール自身も、経験豊富なチームメイトであるマーカス・エリクソンよりも良いパフォーマンスを発揮し、ザウバーの躍進を牽引した。

 ルクレールの予選パフォーマンスをより詳細に調べると、彼の印象的な活躍が浮き彫りとなってくる。と同時に、2019年に向けて改善する必要がある、小さな弱点も見えてくる。

ザウバーの進歩以上の結果を出したルクレール

 ルクレールの素晴らしいところは、マシン本来のペースをうまく活かし、それを上回るパフォーマンスを見せたことだ。

 motorsport.comは、レース週末に各チームが記録した最速ラップタイムを比較した。各チームのドライバーのうち、どちらか1人のタイムを採用するため、チーム間のパフォーマンスを比べるのにはフェアな方法だと言えるだろう。

 これにより理論的には、ザウバーのマシンの純粋なペースで得られるはずの予選ポジションと、実際にルクレールが手にしたグリッドを比較することが可能だ。

 シーズンを4分割しチーム間の序列を比較した結果、ザウバーの純粋なペースから考えるとシーズン第1四半期はグリッド9列目(17〜18番手)、第2四半期と第3四半期は7列目(13〜14番手)、第4四半期は5列目(9〜10番手)が妥当なところだった。しかしルクレールのグリッドポジションはそれぞれ平均して16.8、11.4、13.8、8.6とそれと同等以上。ルクレールはチームが序列を上げていくのにつれて結果を向上させていっただけでなく、ザウバー本来のポジションよりも上位のグリッドを手にしていると言えるだろう。

 シーズン全体を平均すれば、ザウバーのパフォーマンスは7.4列目、つまり14番手か15番手スタート相当といったところだが、ルクレールは平均12.7番手からスタートしている。エリクソンの場合この数値は15.7であり、ルクレールの方が3グリッドほど上位から決勝に臨んでいることが分かる。それはレース結果にも反映されており、平均フィニッシュポジションはルクレールが9.7位なのに対し、エリクソンは12.2位となっている。

 これらの数値は大まかではあるが、ルクレールがF1の予選に適応するというチャレンジに対し、良い仕事をしたことを示唆している。

ルクレールの課題とは?

 しかし、それぞれのセクターの個人ベストタイムをつなぎ合わせた、”理論的ベストタイム”と実際の予選アタックを比較した場合、ルクレールはグリッドでもワーストに近い記録を残している。

 彼が予選最後のアタックラップにおいて、3つのセクター全てを自己ベストで揃えたのは、わずか3回しかない。さらに予選タイムと理論的なベストタイムとの差は平均0.132秒。全ドライバーの中で、2番目に大きな差だ。つまり、予選最後のアタックで、最高のパフォーマンスを発揮できていないと言える。

 この課題について、motorsport.comがルクレールに尋ねると彼は次のように答えた。

「僕たちは予選Q1からQ3に向けて、限界までプッシュする必要がある」

「それまでに記録したタイムから改善するのは簡単なことではない。シーズン終盤にはQ3で理想のラップを走ることができるようになった。でもシーズン中盤には、Q2ではベストなラップタイムを残せたのに、Q3ではそうじゃなかったことが多かった」

 ルクレールはシーズンのラスト6レース中、5レースで予選Q3に駒を進めているが、それでもアタックをまとめきれていない。特にメキシコでは0.248秒、ブラジルでは0.237秒も理論的なベストタイムと差があった。

 この批評は、少し厳しすぎるように思えるかもしれない。しかしルクレールの新しいチームメイトとなるベッテルは、この指標において最強のドライバーだということは注目に値する。

 ベッテルは21レース中11レースの予選最終アタックで、全セクター自己ベストをマーク。これは他のどのドライバーよりも、3回以上多い。また、理論的なベストタイムとの差では平均してわずか0.025秒と、予選で限界に近い走りを発揮できているのだ。

 これらの結果は、ベッテルのドライバーとしての資質を改めて強調するだけでなく、ルクレールにとってチーム内のベンチマークとなるだろう。

 2018年のルクレールはルーキーながら、良いグリッドポジションを手に入れられれば、それをうまく結果につなげられることを証明した。2019年はより良いグリッドを得るためにも、予選パフォーマンスをベッテルと同レベルまで引き上げることが重要となってくるだろう。 

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この記事について

シリーズ F1
ドライバー シャルル ルクレール , セバスチャン ベッテル 発売中
チーム フェラーリ 発売中
執筆者 Scott Mitchell