角田裕毅の成功を信じてやまないアルファタウリ代表「彼が信頼して乗れるマシンを提供したい」
アルファタウリのフランツ・トスト代表は、角田裕毅がF1で成功を収めることができると確信しているが、昨季序盤にダニール・クビアトを苦しめたステアリングの問題のように、マシンが足を引っ張ることがないようにする必要があると語った。

アルファタウリのチーム代表を務めるフランツ・トストは、今季同チームからF1デビューを果たす角田裕毅が成功を収めるためにも、信頼できるマシンを与えなければならないと考えている。
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バーレーンで行なわれるプレシーズンテストが目前まで迫ってきている2021年シーズンのF1。トスト代表曰く、角田は1月からチームの拠点があるイタリアのファエンツァに移り、チームと様々なプログラムに取り組んだという。
「我々はまずコックピットの外で準備を進めるために、ユウキと冬の間に集中的なプログラムを行なった。彼は1月からファエンツァにいて、コロナの影響でイギリスには戻っていない」
そうトスト代表は語った。
「彼と一緒に仕事をする時間を多く取ることができた。エンジニアは何時間もかけて、彼にステアリングホイールの調整方法など、技術的な細かいことを説明してくれた」
「彼はよくやっているし、成長を続けている。我々のマシンが望んだ通りに機能してくれれば、彼はそこにすぐ対応するだろう」
角田の成長スピードの速さは、多くの関係者から高い評価を得ている。トスト代表は「2020年のF2ドライバーの中で角田が1番だった」というレッドブル・モータースポーツアドバイザーのヘルムート・マルコの意見に同意。角田のことを次のように評した。
「私にとっても、ユウキが(F2の中で)最速で有望な男のひとりだったと思っているよ。昨年ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲っただけのことはある」
「彼は一番の成功者だ。彼の学習スピードはとても気に入っている。例えば彼に何かを伝えたら、それをすぐに実行してくれる。時間がかからないんだ。それは彼が精神的に非常に強いということ、そしてチームが教えたことをどのように活用すれば速くなるのか理解しているということの証明でもある」
角田は今季、ダニール・クビアトと入れ替わる形でアルファタウリのF1シートを手にした。クビアトは昨年、チームメイトのピエール・ガスリーが75ポイントを獲得したのに対して32ポイントしか獲得できなかったが、彼はシーズン序盤にステアリングホイールのフィーリングに悩まされており、チームがそれを修正した後から徐々に成績を上げていった。後半9レースの獲得ポイント数を比べると、ガスリー32ポイント、クビアト28ポイントと僅差であった。
トストは昨年の教訓を踏まえ、ふたりのドライバーには信頼できるマシンを提供する必要があると語った。
角田はクビアトよりも速いと予想しているか? そう尋ねられたトスト代表は「どうだろうね」と答えた上で、こう続けた。
「ダニールは昨年の序盤、あまり競争力を示すことができなかったが、中盤から終盤にかけてはとても力強かった。それにはマシンも関係している」
「ダニールはシーズン序盤にステアリングの問題を抱えていた。我々がそれをデザインし直した時、彼とマシンの相性が良くなった。だから私はユウキにも、もちろんピエールにも、彼らが信頼して使えるマシンを提供したいと思っているんだ」
「ユウキは彼がこれまでに示してきたポテンシャルを活かして、F1で成功を収めることができると確信している」
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