2021年アブダビでこうなって欲しかったね……メルセデスのウルフ代表、イギリスGPのSC運用を歓迎「規則が守られたのは良いこと」
メルセデスのトト・ウルフ代表は、イギリスGPでセーフティカー先導のままレースが終了したことについて、「2021年にこうなって欲しかった」と冗談まじりに語った。
F1イギリスGPは終盤に出されたセーフティカー(SC)が解除されることなく、SC先導のままでチェッカーフラッグが振られた。このことはファンを落胆させたが、メルセデスのトト・ウルフ代表は正しい判断が下されたと考えている。
F1イギリスGPの決勝レース残り2周の段階で、タイミングモニターには“セーフティカー終了”のメッセージが表示され、残り1周でレースが再開するものと思われた。しかし実際にはセーフティカーはピットレーンに戻らなかった。FIAはこれがソフトウェアのエラーによる誤表示だったとして、SC先導でチェッカーという流れはレギュレーションに則ったものであったと説明している。
F1の競技規則では、SCラン中に隊列が整った後、周回遅れの車両が隊列を追い越して同一周回に戻ること(アンラップ)ができるようになっているが、このアンラップの指示が出た次の周にセーフティカーはピットへ戻ることになっている。今回のケースで言えば、52周のレースの51周目にアンラップ指示が出されたため、セーフティカーは最終ラップにピットイン……つまりレースが再開されないままチェッカーが振られるのは規則通りの運用だったわけだ。
この規則の運用は、2021年の最終戦アブダビGPを受けて厳格化された。
2021年のアブダビGPは、メルセデスのルイス・ハミルトンとレッドブルのマックス・フェルスタッペンによるタイトル争いの決着がつくレースであったが、レース終盤にセーフティカーが出動。この際、当時のレースディレクターであったマイケル・マシが、トップのハミルトンと2番手のフェルスタッペンの間にいた5台の周回遅れ車両だけに追い越しを許可して、その直後にレースを再開。この判断がフェルスタッペンの逆転優勝とチャンピオン獲得に大きく影響した。
今回のレースにおいてメルセデスは、各車がSC出動に乗じてタイヤを交換する中、ジョージ・ラッセルにステイアウトさせた。その結果ラッセルは、ハミルトンの前に出て2番手にジャンプアップ。もしレースが再開していれば、タイヤのライフのとコンパウンドの差からライバルにオーバーテイクを許した可能性が高かったため、SCチェッカーにより得をしたチームと言える。
ウルフ代表は、今回の手順では劇的な最終ラップの争いは見られなかったものの、規則が正しく適用されたことを歓迎した。
彼は記者団に対し、冗談まじりにこう語った。
「そうだな、私としては2021年にこうなって欲しかったがね(笑)。そちらの方が重要だった」
「ただ、規則が守られたのは良いことだ」
ウルフ代表は再スタートした方がレースとしては間違いなく面白かっただろうと認めつつ、SC先導でのフィニッシュもF1の一部だと強調した。
「必ずしも最高のレースばかりになるとは限らない。確かにスペクタクルという観点から言えば、ルイスがソフトタイヤで我々に襲いかかってきたり、ルクレールとバトルする姿を見たかったという人は多いだろう」
「しかしこれはスポーツだ。ショーはスポーツに付随するモノであり、その逆じゃない。だからFIAがこの判断を下したのは、良いことだったと思う」
最終的にレースが再開されなかったことで、ラッセルは2位でフィニッシュすることができ、貴重な18ポイントを獲得することができた。ウルフ代表と同様に、ラッセルもSC手順が守られたことに満足しており、レースコントロールはレース終盤のSCを、レース序盤と同じように扱うべきではないと主張した。
「もちろんSC先導でレースが終わるのは残念なことだ。でも2021年のアブダビGPを振り返ると、レースとはそういうモノなんだ」
「誰も事故が起きることなんて予測できないし、F1とFIAの対応は、レースのスタート直後とレース終盤で変えるべきじゃないんだ」
「2021年のアブダビGPの後、当然ながら多くの議論が巻き起こった。過去20年間でセーフティカー先導でフィニッシュしたレースの数を見てみれば、実際にはそれほど多くはないんだ」
「だから残念ではあるけど、どうしようもないことだ。例外を設けるべきではないと思う」
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