速くて強いけど……今季のメルセデスを苦しめる大問題、”スタート”の改善がチャンピオンへの鍵。ウルフ代表「到底許容できるモノじゃない」
メルセデスのチーム代表であるトト・ウルフは、今季ここまで4戦全勝しているものの、苦労しているスタートを改善させなければいけないと語った。
2026年のF1は開幕から4戦を終え、メルセデスが4連勝。圧倒的な強さを見せている。しかし先日行なわれたマイアミGPではライバル勢が接近。簡単な勝利とはならなかった。
ただこれは、ライバルのマクラーレン、フェラーリ、レッドブルが大幅なアップデートを投入してきたから。メルセデスは次のカナダGPで大規模アップデートを投入予定としている。
このアップデートによって、開幕3戦のようにメルセデスがライバルを改めて突き放すことになるかもしれない。
しかしメルセデスが改善すべき大きな課題はひとつある。それはレーススタートだ。
ランキング首位に立っているアンドレア・キミ・アントネッリは、開幕3戦で1周目だけで合計18ポジションを落とした。マイアミGPではスプリントレースで6ポジション、決勝でも2ポジションを落とした。つまりスプリントも含めれば、1戦あたり平均4.3ポジションも、1周目で落としているのだ。
圧倒的なパフォーマンスを享受している今ならばそれでも勝利に届いているが、もしライバルとの差が縮まってしまった時には、このスタートの”失敗”が致命傷になりかねない。
ウルフ代表はマイアミGPのレース後、スタートの失敗はドライバーのせいではなく、チームとして早急に対処すべきことであると語った。
「彼の責任じゃない」
ウルフ代表はmotorsport.comに対してそう語った。
「今日と昨日はチームのミスだったと思う。そして誰もが分かっているとおり、これは到底許容できるモノではない」
「クラッチやグリップの予測など、ドライバーに適切なツールを提供できていないんだ」
開幕3戦ではスタートを失敗してもそれを補えるだけのアドバンテージが十分にあった。しかしライバルが進歩すれば、この状況がいつまでも続くわけではないとウルフ代表は認める。
「ここ数レース、我々だけがその点を正しく理解できていない」
そうウルフ代表は付け加えた。
「我々はさらに深く掘り下げ、どうすればそれを改善できるかを理解する必要がある。なぜなら、現状では余裕を持ってスタートできるほどの差はないからだ。だからこそ、スタートで失敗するわけにはいかないんだ」
なおFIAは、本来ならばマイアミGPで、スタート時にストールするなどして加速できなかったマシンをMGU-Kを使って救済し、後方から追突されることを避けるためのシステムをテストする予定であった。
このシステムは、クラッチを繋いだマシンが「異常に低い加速」をした場合にそれを検知し、最低限の加速を確保するためにMGU-Kを自動的かつ限定的に作動させるというものだ。これによって、開幕戦オーストラリアGPでフランコ・コラピント(アルピーヌ)がリアム・ローソン(レーシングブルズ)に追突しそうになったような事象が再発しないことが目指されている。
ただマイアミGPに向けてはシステムの開発が間に合わず、次戦のカナダGPでテスト導入されることになった。
ただこのシステムは、スタートを不得意とするメルセデスのようなチームを救済するためのものではない。FIAのシングルシーター部門のディレクターであるニコラス・トンバジスは先日、「このシステムは最悪のスタートを悪いスタートに変えるためのものであり、悪いスタートを良いスタートに変えるためのものではない」と語った。
つまりスタートの改善は、大規模アップデートとともに、カナダGPでのメルセデスにとって、大いに重要となる。
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