トト・ウルフのドライバーマネジメント術。自身のレース出走経験が、アントネッリの成長に活きた?「他のチームは3戦で解雇したりするけど……そんなことしない」
メルセデスのトト・ウルフ代表は、自身のレースに出場した経験が、チームのドライバーのマネジメント、そしてモチベーション向上にどう活かされているかを説明した。
Toto Wolff, Mercedes
写真:: Jayce Illman / Getty Images
メルセデスF1のCEO兼チーム代表であるトト・ウルフは、ドライバーのモチベーションを高めるために、自身のマネジメントスタイルをどう変えているか、そしてドライバーとしてレースに参戦していた時から、プレッシャーをどう理解していたかということについて語った。
ウルフ代表はメルセデスの代表に就任する前には、レーシングドライバーだった時代がある。オーストリアのフォーミュラ・フォード選手権、ドイツのフォーミュラ・フォード選手権に参戦したり、1994年のニュルブルクリンク24時間レースではクラス優勝。この他、FIA GT選手権には元F1ドライバーのカール・ヴェンドリンガーとコンビを組んだり、イタリアGT選手権にも参戦したりと、豊富なレース参戦経験を持っている。
この時の経験が今もウルフ代表には活きているようで、特に今年参戦2年目のシーズンを戦うアンドレア・キミ・アントネッリはその恩恵を受けている模様だ。
「私自身もドライバーだったので、若いドライバーたちがどんなプレッシャーに晒されているのか理解している。しかもそれは、さまざまな方向からのプレッシャーだ」
ウルフ代表はWEBサイト”The Athletic”でそう語っている。
「有望なドライバーを見極める際、もちろん才能やスピード、成長力という点だけでなく、プレッシャーに対処する能力も評価する。F1では、プレッシャーをコントロールしながらパフォーマンスを発揮することが全てなのだ」
「他のジュニアチームの方針を見ると、3レースほど成績が振るわなかったドライバーを解雇することもあった。しかし我々は、キミに対しては正反対のことをしたんだ」
アントネッリはわずか4年でジュニアカテゴリーを駆け上がり、2025年にF1デビューを果たした。しかし2024年のイタリアGPでF1公式セッション初走行を果たした際にはいきなりクラッシュし、レギュラードライバーとしてデビューした後も相次いでミスを犯した。
しかしメルセデスはアントネッリの成長を見守り続けた。ウルフ代表は、その姿勢について批判されたこともあったというが、結局はそれが間違いでなかったことが証明されつつある。アントネッリは2026年、中国GPで初優勝を手にすると、続く日本GPでも勝利。より豊富な経験を持つチームメイト、ジョージ・ラッセルを抑えてランキング首位に立っている。
「彼は若すぎる、ミスが多すぎる、彼のことを酷使しすぎていると言われた。でも、それは完全に計算されたリスクだったんだ。1年目にそういうことが起きるとはわかっていた」
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