トヨタがF1活動最終年で使用した『TF109-01』がチャリティオークションに出品
トヨタが2009年シーズンのF1で使用したマシン『TF109-01』が、FIAなどによって企画された新型コロナウイルス対応のチャリティオークションに出品されることとなった。
新型コロナウイルス対応基金を集めるためのチャリティオークション『#RaceAgainstCovid』がRMサザビーズにより主催され、国際赤十字赤新月社連盟によって支援されており、モータースポーツ関係のチームやドライバーが多くのアイテムなどを寄贈している。FIAも既に100万ユーロ(約1億1963万円)を同団体に寄付している。
その中でも一番の目玉と言えるのが、トヨタがF1活動最終年の2009年シーズンを戦ったマシン『TF109』だ。寄贈されたマシンは厳密には『TF109-01』と呼ばれるもので、シーズン序盤にテストで使用されたものとなる。
トヨタは2009年、ヤルノ・トゥルーリとティモ・グロックを擁してシーズンを戦い、ポールポジションを1回、表彰台を5回獲得するなどしてコンストラクターズランキング5位となったが、同年をもってF1から撤退。2010年マシン『TF110』のプロトタイプは完成していたが、実戦で走ることはなかった。
TF109-01はその後ピレリのテストカーとなり、ニック・ハイドフェルド、ペドロ・デ・ラ・ロサ、ルーカス・ディ・グラッシ、ロマン・グロージャンらがそのステアリングを握った。マシンはピレリのロゴが入った真っ黒なカラーリングとなっており、エンジンとギヤボックスも装備されている。
その他にも、このオークションで目玉アイテムとなっているものは多数ある。デイモン・ヒルが1995年オーストラリアGPで優勝した際に着用していたヘルメットとレーシングスーツ、ル・マン24時間レースの最多優勝者で知られるトム・クリステンセンがWECラストレース(2014年インテルラゴス)で着用したレーシングスーツも出品されている。
さらにフェラーリは、昨シーズンにセバスチャン・ベッテルとシャルル・ルクレールがそれぞれの優勝レースで着用したレーシングスーツを提供。さらにマラネロにあるシミュレータを1日体験する機会も提供される。一方でメルセデスはルイス・ハミルトン、バルテリ・ボッタスのレーシングスーツの他、様々なアイテムを出品している。今後様々なチームやドライバーから、さらに多くのアイテムが発表されるものとみられる。
FIA会長のジャン・トッドは次のように述べている。
「我々の健康に関する危機が始まって以降、FIAとモータースポーツ業界全体は、#RaceAgainstCovidなど様々な活動を通してパンデミックとの戦いに取り組んできた」
「今日、我々の団結力と力強さをさらに示す機会があった。私は新型コロナウイルスのパンデミックに対応する国際赤十字赤新月社連盟のために、FIAとRMサザビーズがコラボレーションすることを大いに歓迎している」
「私は全てのドライバー、チームの協力と、FIA基金からの多大な寄付に感謝している。このオークションを成功させるために、モータースポーツファミリーの皆さんにはぜひ参加していただきたい」
なおこのオークションはrmsothebys.comにて6月15日からスタートし、6月22日まで実施される。
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