F1 カタールGP

角田裕毅、自分の”将来目指す場所”はレッドブルだと明言。アストンマーチン入りは考えず「ホンダは僕の活躍、日本人ドライバーが成功することを望んでくれています」

アルファタウリの角田裕毅は、ホンダが2026年から組む予定のアストンマーチンへの移籍を目指しているわけではなく、レッドブルで活躍したいと望んでいるという。そしてそのことを、レッドブルの首脳陣にも誤解して欲しくないと語った。

Yuki Tsunoda, Scuderia AlphaTaur,  attending the FIA press conference

 来季もアルファタウリからF1に参戦することが決まった角田裕毅。彼は将来レッドブルに昇格することを目指しており、2026年からホンダが組む予定のアストンマーチン入りを視野に入れているわけではないと明かした。また、それについてレッドブルの首脳陣が誤解しないことを望んでいるという。

 角田裕毅は、F1日本GPの週末にアルファタウリとの契約延長が発表された。彼は来季も同チームに残り、ダニエル・リカルドと共にF1で4年目のシーズンを戦うことになる。

 角田にとって来シーズンは非常に重要だ。というのもアルファタウリの親チームというポジションにあるレッドブルのセルジオ・ペレスには、2025年まで契約が延長されないのではないかという噂が根強い。そんな中で角田がアルファタウリで好パフォーマンスを発揮することができれば、マックス・フェルスタッペンのチームメイトになれる可能性がある。

 しかし角田にとって複雑なのは、ホンダとの関係である。角田はレッドブル傘下のドライバーであるのと同時にホンダの育成出身ドライバーでもあり、彼がF1に参戦していることとホンダの存在は無関係ではない。

 ホンダは2021年限りでF1活動を終了させたが、今も子会社のHRC(ホンダ・レーシング)を介して、レッドブルとアルファタウリにパワーユニットを供給している。しかし2026年からホンダはF1に正式復帰を果たし、しかもその時にパートナーとなるのはレッドブルではなく、アストンマーチンになることも決まっている。そのため角田が将来目指すシートは、アストンマーチンのシートなのではないかと見られているのだ。

 しかし角田は、アストンマートンでの将来については、現時点では一切考えていないという。そして来年十分印象的な活躍をして、フェルスタッペンのチームメイトとしてレッドブルに”昇格”したいと考えていると主張した。

 カタールGPの際にレッドブルのシートを手にすることができると思うかと尋ねられた角田は、次のように語った。

「正直に言って、そうなることを願っています」

「重要なのは、レッドブルに何かを誤解してほしくないということです。例えば、僕がアストンマーチンに移動するとか、そういう他のことに集中していると、そう思われてしまうようなことです」

「僕は今、アルファタウリにいます。そして18歳の時からレッドブルに所属しています。だから僕は今、アストンマーチンではなくレッドブルでパフォーマンスを発揮することに集中しています」

「彼らがそういうことを誤解していないことを真剣に願っていますし、僕の将来について真剣に考えてくれていることを願っています」

「ドライバーとして僕が良いパフォーマンスをすれば、彼らは僕のことをもっと考えてくれると思います。もし僕が良いパフォーマンスを見せられなければ、仕方ないですが。でも、自分のパフォーマンスを発揮することができれば、もう少し交代できる可能性が出てくると思います」

 また角田は、ホンダは契約を縛ることはなく、日本人ドライバーとしてF1で成功することを望んでくれていると感じていると明かした。

 ホンダがアストンマーチンと組むことが、レッドブルの選考プロセスを複雑にしているのではないかと尋ねられた角田は、次のように語った。

「もしそうだとしたら、僕にとっては嬉しいことではありません」

「レッドブルとホンダの間での話がどうなっているのかは分かりません。ホンダはまだ、レッドブルにPUを供給し続けていますからね」

「しかしホンダ側が言っているのは、僕が成功できる限り、そして日本人ドライバーがいつか成功するのであれば、僕がどこに行こうとも気にしないということです」

「ホンダは日本人ドライバーが成功することを望んでいます。もちろん、一緒に成功できればそれほど幸運なことはありませんが、ホンダはそんなことは気にしていないと思います。それが僕にとって、ホンダの本当に好きなところなんです」

「ホンダは僕がどのチームにいるかということは気にしていないです。つまり彼らは、アストンマーチンに僕を乗せることに集中していないと思います。ただドライバーとしての角田裕毅をサポートし、僕をドライバーとして成功させるためのサポートに集中してくれているんです」

 角田には今シーズンから、マリオ宮川氏が個人マネージャーとして付いている。宮川氏は以前ジャン・アレジや小林可夢偉らをサポートした人物だ。

 HRCの渡辺康治社長は日本GPの際に、2024年の角田の契約延長について「レッドブル、そしてアルファタウリと色々な議論をしてきて、やっと日本GPの前に、ギリギリでしたがまとめることができました。来年も一緒にやれることができて嬉しい」と喜ぶと共に、宮川氏の件については次のように明かしていた。

「マリオさんがつくということは、我々ホンダが決めたわけではありません。角田選手が決めたことです」

「マリオさんは経験もしっかりお持ちですし、今回のレギュラードライバー決定も、マリオさんに入ってもらいながらやった結果です」

 宮川氏が個人マネージャーに付いたことは、角田がホンダの枠を超えて活躍するための布石であるようにも感じられる。

 

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