FIAと英モータースポーツ統括団体の対立続く。FIAの返答に中身なく「乗り越えられないわけではないが、現状は不適切」
モータースポーツUKは、FIAのガバナンスに関する問題に対処しなければ法的措置を取ると主張したが、FIAの回答は不十分だったようだ。
The FIA logo in front of an American flag
写真:: Carl Bingham / Motorsport Images
イギリスのモータースポーツ統括団体であるモータースポーツUKのデビッド・リチャーズ会長は、FIAのガバナンスに関するいくつかの問題に対処しなければ、FIAに対して法的措置を取ると主張しているが、その溝は埋まっていないようだ。
3月上旬、リチャーズはモータースポーツUKのメンバーに向けて書簡を送り、FIAのモハメド・ベン・スレイエム会長とF1およびモータースポーツの運営全体を管理する彼のアプローチを非難した。
それから1ヵ月後、FIAはようやくリチャーズの書簡に対する返答を行なった。そしてそれをモータースポーツUKのサイトと雑誌で共有するようリチャーズに指示した。
しかしリチャーズは、FIAの対応について冷ややかな反応を示した。4月9日(水)にリチャーズは次のように述べている。
「この手紙に失望したのは、FIAの統治と組織体制がますます不透明となり、会長ひとりの手に権力が集中しているという、私だけでなく、ますます多くの人々が表明している非常に現実的な懸念を無視していることだ」
リチャーズが世界モータースポーツ評議会(WMSC)の会合に出席するために義務づけられていた秘密保持契約書(NDA)への署名を拒否した直後から、このいざこざは始まった。
モータースポーツUKの会員向け雑誌『Motorsport UK』3月号に掲載されたリチャーズの書簡では、スレイエム会長のリーダーシップの下でFIAが存続する将来に対する懸念を全面的に示すとともに、これらの懸念に対処しなければ法的措置を取ると脅している。さらに、NDAの「箝口令」(とリチャーズ会長は呼んでいる)にサインすることをためらった理由や、それらの項目がFIA内ですでに確立された規則にいかに当てはまらなかったかについて、具体的なポイントが説明されている。
リチャーズはまた、組織内で起こった劇的な変化のいくつかを強調し、「FIAの数多くの幹部やボランティア関係者が解雇されたり、不透明な雲の下で辞任したことを確認するメディアの報道によって、状況は徐々に悪化している」と指摘した。彼は特に、FIA内の監査委員会と倫理委員会に加えられた変更に言及している。
新しく承認されたFIAの規約では、コンプライアンス・オフィサーと倫理委員会からスレイエム会長自身に権限が移されており、FIA会長への集権化が進んでいた。
David Richards and Mohammed Ben Sulayem, President, FIA
Photo by: Mark Sutton / Motorsport Images
4月7日付けのFIAからの回答は、FIAのゼネラルマネージャーであるアルベルト・ビリャレアルによって書かれたものだが、リチャーズが最初の書簡で提起した懸念には完全には触れていない。ビジャレアルは、NDAにまつわる問題を指摘し次のように述べた。
「FIAは、ビジネス界で一般的なように、またあなたが率いた多くの組織でそうであったように、NDAを含む機密情報を保護し、保護するための手順を備えている。このような契約は、ビジネスの標準的な部分だ」
「無許可の情報開示はFIAに損害を与えるだけでなく、加盟クラブに対する我々の使命を果たす能力を損なうものであり、モータースポーツへの参加の拡大、アクセシビリティの向上、そして我々が愛するスポーツにおける革新性の育成という目標に影響を与えるものだ」
「したがって、FIAが機密保持のために講じた措置が、WMSCメンバーの圧倒的多数によって支持されたことは当然のことである。このことを念頭に置くと、WMSCからの数々の情報漏えいがFIAの使命にダメージを与えたことを認めるあなたが、他のメンバーと同じ条件に拘束されることに消極的であることは理解しがたい」
「理事会の責任あるメンバーとして、また誠実に活動する者として、私はあなたが、単に守秘義務を強化する役割を果たし、FIAのような責任と地位を持つ組織の最善の努力に沿った協定に合理的な異議を唱えることはできないと信じている」
「あなたの書簡にあるような箝口令にこれが当たるかどうか、疑問の余地はない」
ビリャレアルの返答は、少なくともNDAに関するリチャーズの懸念を認識してはいるが、深く踏み込んだものでもないし、リチャーズの具体的な懸念に対処しているわけでもない。
返答の後半も似たような文体だが、スレイエム会長の功績を称える、よりPR的なモノとなっている。
ビリャレアルはこれを共有するよう求めるだけでなく、FIAはスレイエム会長が成し遂げたことを誇りに思っており、その一方でFIAはモータースポーツの未来を牽引している、と付け加えて回答を締めくくっている。
リチャーズは、「FIAのパフォーマンスに関するオープンで透明な対話」を歓迎する一方で、FIAは彼の懸念を完全に無視したと、水曜日の朝にFIAの回答とともに掲載された書簡の中で述べている。
「アルベルトの手紙があったにも関わらず、そうした重要な問題が無視されている。FIAの顧問弁護士と賢明な話し合いを行ない、これらの点を解決することを強く望んでいる。乗り越えられない問題ではないが、現状ではまったく不適切だ」
「それだけに、他の様々な関係者も同じ懸念を表明しているんだ」
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