【分析】スペインGPに見る、レーシングブルズ1年の進歩……伸び率は全10チーム中最大だ!
スペインGPの今年と去年の予選最速タイムを比較すると、レーシングブルズが大きく進歩したのが分かる。
Isack Hadjar, Racing Bulls Team
写真:: Steven Tee / LAT Images via Getty Images
先日行なわれたF1スペインGPで、レーシングブルズはアイザック・ハジャーが7位入賞。ハジャーはこれで、ルーキーながら今季5回目の入賞となり、獲得ポイントは21。ランキングでは9番手につけている。
確かにハジャーの活躍は素晴らしい。FIA F2時代は声を荒げるようなシーンがあったり、F1デビュー戦となった今季開幕戦のオーストラリアGPではフォーメーションラップでスピンオフしてリタイア……大号泣するという失態も見せたが、その後は実に安定した走りを見せており、レッドブル昇格の噂すら出るほどになっている。
しかしそれ以上に、レーシングブルズの昨年からのパフォーマンス向上が著しい。
昨年のスペインGPでレーシングブルズ(当時はRBと呼ばれていた)は、アップデートを投入した。しかしそのアップデートは期待はずれのものであり、パフォーマンスを大きく落としてしまうことになった。
そのグランプリで浮き彫りになったのが、高速コーナーにおけるパフォーマンス向上の必要性だった。VCARB01は低速コーナーでは非常に競争力があったが、高速コーナーではダウンフォースが不足していたのだった。
チームはこの問題に対処したが、シーズン終盤までは好成績を残すのに苦労した。
しかしその後のオフシーズン中に行なった進化は確実なものであり、VCARB02は素晴らしい戦闘力を持ったマシンとしてシーズンを走り始めた。この1年の進歩という意味では、全チーム中最大だとも言える。その伸び率はウイリアムズ以上である。
■スペインGP:2024年vs2025年の予選最速比較
| 順位 | チーム |
2024年予選最速タイム |
2025年予選最速タイム |
タイム差 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | レーシングブルズ | 1'12"985 | 1'12"252 | –0.733s |
| 2 | ウイリアムズ | 1'13"153 | 1'12"641 | –0.512s |
| 3 | メルセデス | 1'11"701 | 1'11"848 | +0.147s |
| 4 | アストンマーティン | 1'12"128 | 1'12"284 | +0.156s |
| 5 | マクラーレン | 1'11"383 | 1'11"546 | +0.163s |
| 6 | フェラーリ | 1'11"731 | 1'12"045 | +0.314s |
| 7 | アルピーヌ | 1'11"857 | 1'12"199 | +0.342s |
| 8 | レッドブル | 1'11"403 | 1'11"848 | +0.445s |
| 9 | ザウバー | 1'12"227 | 1'12"756 | +0.529s |
| 10 | ハース | 1'12"310 | 1'13"074 | +0.764s |
上の表は、昨年のスペインGPと今年のスペインGPの予選最速タイムを各チームごとに比較したものだ。
レーシングブルズは実に0.733秒もラップタイムを縮めている。ウイリアムズも大きくタイムを伸ばしたが、0.512秒の短縮にすぎない。
しかしペースを伸ばしたのはこの2チームのみであり、他のチームは昨年よりもペースが遅くなった。最も大きくパフォーマンスを落としたのはハースで、0.764秒。またレッドブルも、0.445秒も遅くなっている。
レーシングブルズはスペインGPを終えた時点で、28ポイント獲得してランキング6番手につけている。しかし開幕戦オーストラリアと第2戦中国では、戦略ミスにより大きくポイントを失っており、これがなければランキング5番手のウイリアムズ(54ポイント)に肩を並べていたはずだ。
VCARB02はVCARB01に比べて、パフォーマンスが劣っている部分を補っただけでなく、ドライバーにとってかなり扱いやすいモノになった。
シーズン序盤には、このレーシングブルズには角田裕毅が在籍していた。今季の角田は開幕から予選・決勝ともに速く、チームの戦略ミスにより多くのポイントを取りこぼしてしまったものの、トップチームに匹敵する走りを見せ、チームを牽引した。その活躍により第3戦からはレッドブルのドライバーとして抜擢されたが、レッドブルのマシンは扱いにくいようで、レーシングブルズにいた時のような走りを見せられていない。
ただ角田がいなくなった後もハジャーが安定して入賞。角田と入れ替わるようにレーシングブルズに戻ってきたリアム・ローソンも、徐々に速さを見せつつある。
また技術者たちも大きな進歩を遂げ、そのこともマシンの汎用性を高めたと言えよう。そしてさらに上位を目指せそうな、着実な成長軌道に乗っていると言える。
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