F1オランダGP予選で起きた、”発煙筒”事件にドライバーたち苦言。フェルスタッペン「とても愚かな行為だ」
マックス・フェルスタッペンは、F1オランダGP予選でコースに発煙筒が投げ込まれた事件について、愚かな行為だと非難。他のドライバーたちも、苦言を呈した。
写真:: Alastair Staley / Motorsport Images
F1第15戦オランダGPの予選では、2本の発煙筒がコースに投げ込まれるという”事件”が起きた。Q2の開始直後には、ターン12のコース上に発煙筒が落ちたことで、セッションが赤旗中断に。Q3ではピット出口付近に発煙筒が投げ込まれた。これはコースまでは届かなかったが、バリア越しに煙が出ているのが国際映像に捉えられた。
予選後の記者会見でこの事件に対する反応と、日曜日の決勝レースでこのような危険な行為を繰り返そうとするファンに何か言えることはないかと尋ねられたフェルスタッペンは、次のように答えた。
「とても愚かな行為だよ」
「フレア(発煙筒)を持つのはナイスなことだけど、もちろんその量には限度がある。でもそれをコースに投げるなんで、愚かなだけだ。そしてそれをやった人は、退場させられるべきだと思う」
「そんなことをするのはやめよう。退場させられたらレースが見れなくなるし、コース上に物があると危険だからセッションが中止されるんだ。そんなことはすべきじゃない」
予選後の記者会見にフェルスタッペンと並んで出席したシャルル・ルクレール(フェラーリ)も、ファンに対して「こういうことはしないで」と強調し、「今後同じことが起きないように(何か)できるはずだ」と語った。
また予選3番手だったカルロス・サインツJr.(フェラーリ)は、オランダGPの主催者に対して「発煙筒の使用が可能な時と不可能な時をファンに知らせる」よう求めた。
しかし主催者側は、会場への発煙筒の持ち込み自体を禁止しており、入場の際に係員に渡すよう通知していた。つまり、発煙筒を使っていたファンはそれに違反していたことになる。
「マックスがポールを獲った後の、インラップで使うのは良かったと思う。でもレース中や1周目の戦いの最中には使わないでほしい」とサインツJr.は続けた。
「時速300kmのこのマシンで、煙に邪魔されるようなことはしたくないんだ」
「このような状況下で、”使うべき時”と”使ってはいけない時”を見極め、組織として良い仕事をすることができればと思う。もちろん、コースに投げ込まないようにすることも重要だ」
Fans
Photo by: Erik Junius
フェルスタッペンを応援する”オレンジアーミー”と呼ばれるファンたちは、近年レッドブルのホームレースであるオーストリアGPや、2021年にF1カレンダーに復帰したオランダGPなどで大量のオレンジ色の発煙筒を使うことで知られている。
その最も有名な例は、2021年オランダGPでフェルスタッペンが優勝してフィニッシュラインを通過した後、彼の後に続くライバルたちがまだレース中なのにも関わらず、コース上に煙が立ち込めたことだろう。
その被害にあったひとりがウイリアムズのニコラス・ラティフィだ。彼は予選後、昨年のレースを振り返り、「最後のシケインで何も見えなかった」と話している。
「もし後ろでレースが続いていたら、かなり危険だ」と彼は付け加えた。
「10万人をきちんとスクリーニングすることはできないから、セキュリティチェックを厳しくする必要はないかもしれないけれど、もし誰かがそういうことをしているのを見たら、より厳しい結果になるはずだよ」
ラティフィはまた、前戦ベルギーGPでも「前にクルマがいるのか、それともただのオレンジ色の発煙筒なのか分からなくなった」ことがあると明かし、オランダGPのドライバーズブリーフィングで懸念が指摘されたのだという。
「ほとんどの場合、オレンジ色の光ははっきりとしているから、『あれはフレアだ。(前の誰かがコースオフして)グラベルにいるんじゃない』と分かる」
「でもスパでは何度か『誰かが前でコースオフしたのに、イエローフラッグが出なかったのか?』と思うことがあった」
「だから理想的とは言えないし、特にこういう(昔ながらのスタイルの)コースはすべてがとても近い。スパやレッドブルリンクのグランドスタンドは、コースからかなり離れているんだ」
「ファンは少しお行儀よくする必要があると思う」
当然ながら、フェルスタッペン以外のドライバーやチームを応援するために発煙筒が灯された例もある。昨年のイタリアGPやメキシコGPがそうだった。
ファンの過激化は、今のF1人気の裏返しとも言えるかもしれないが……ファンはマナーを守って観戦・応援をしたいところだ。
なお10月7~9日に開催される日本GPは、『鈴鹿サーキットでは発煙筒は厳禁』だとされているため、観戦に訪れる方は持ち込まないようお願いしたい。
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