F1 プレシーズンテスト

F1スプリント、2024年は途中でセットアップ変更可能も「ワクワクしない」とフェルスタッペン今も厳しい視線

マックス・フェルスタッペンは2024年にフォーマットが変更されたスプリントレースについて、良くなってはいるものの、依然としてワクワクするものではないと主張している。

Max Verstappen, Red Bull Racing

 F1は2024年も6戦でスプリントレースを開催する。今年はそのフォーマットに再び調整が入ったが、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は改善を認めつつもスプリントレース自体に依然として魅力を感じていないようだ。

 2024年にスプリントレースが行なわれるグランプリは、昨年とは一部フォーマットが変更される。

 具体的には初日金曜日にフリー走行と、スプリントのスターティンググリッドを決めるスプリントシュートアウトが行なわれ、2日目の土曜日にスプリント、そして予選の順でセッションが進むことになった。

 この変更における最も重要な点は、昨年なら初日にマシンがパルクフェルメ状態となり、以後はほぼセットアップ変更が行なえなくなっていたが、今年からは2日目のスプリントから予選の間でセットアップの変更が可能になるというところだ。

 マシンのセットアップの自由度が上がることになるこの変化だが、現王者のフェルスタッペンはそれでもスプリントレース自体にはあまりワクワクしていないと語った。 

「まあ、週末にむけたアプローチという面では、この方が良いフォーマットだと言えるだろう」とフェルスタッペンは言う。

「でも、僕はこの(スプリント)レースそれ自体について、あまりワクワクしていないんだ」

「ただ少なくとも週末にマシンに変更を加えられるようにすることは、良いと思う。レースウィークにどうやってセッションを進めるかという観点から、もう少し論理的に進めるべきだ」

Carlos Sainz, Scuderia Ferrari

Carlos Sainz, Scuderia Ferrari

Photo by: Motorsport Images

 なおフォーマットの一部変更には、昨年スプリントで苦しい思いをしたドライバーからは喜びの声も聞こえている。カルロス・サインツJr.(フェラーリ)は次のように語った。

「パルクフェルメルールについて言うと、僕はこの変化を凄く良いと思ってるんだ」

 サインツJr.はそう語った。

「昨年、僕はバクー(アゼルバイジャン)で苦しんだし、FP1終了後すぐにマシンがパルクフェルメ状態に入ってしまうから、クルマに変更を加える事もできず、いくつかのスプリントレース週末には厳しいモノがあった」

「(昨年までのスプリントフォーマットでは)週末にはまだ5セッション残されていて、つまり僕らはそこで劣勢に置かれてしまうことを意味していた。ナンセンスだ」

「ドライバーとチームは、マシンが発揮すべきパフォーマンスを発揮できていないなら、常に変更を加えることを許されるべきだと僕は思う。だから、今回の変更はとても気に入っているよ」

「スプリントレース全体のことについては、今回の変更よりももう少し変化があってよかったと思う。でもとにかく、この変更は正しい方向を向いていると思う。小さなことだけれど、正しい道だ。個人的に言わせて貰えば、もう少し変えて良かったとも思うけどね」

 チーム側の反応を見てみると、ビザ・キャッシュアップRBでテクニカルディレクターを務めるジョディ・エジントンからは、マシンセットアップの自由度が上がることを歓迎するコメントが出ると同時に、チームに対しての負荷が高まるという発言も寄せられた。

「レースエンジニアとしての考えでは、できるだけ長い時間マシンに触れて、できることをするというのはいつであれ素晴らしいことだ」とエジントンは語る。

「そして週末に思ったような速さを発揮できなかった週末のことを考えれば、今回の(フォーマット変更の)アイデアは私は好ましいと思っている」

「しかしその一方で、我々は労働時間やオペレーションの面で分別を失ってはならないんだ。つまり賛否両論というわけだ。ただ私はこの変更にかなり満足している。フェアな妥協点だと思うよ」

「以前はやりたいことを好きなだけできた時代だった。しかし、世界はそこから変わっている。今はそれが最終的なゴールだとは言わないが、これは賢明な変化だろう」

 

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