チームオーダー無視は正義か悪か……ベッテル「自分のために戦うべき時もある」
セバスチャン・ベッテルはこれまでのF1キャリアでチームオーダーを巡る問題に度々直面しているが、状況次第では自分のために戦う必要があると語った。
Sebastian Vettel, Ferrari, and Charles Leclerc, Ferrari
Zak Mauger / Motorsport Images
フェラーリは今季、4度の世界王者であるセバスチャン・ベッテルと新加入のシャルル・ルクレールという布陣で戦っているが、レース中に度々チームオーダーを発令している。これについてチーム代表であるマッティア・ビノットは、ドライバーをコントロールすることができれば、フェラーリにとって利益になると繰り返し主張している。
しかしながら、そのチームオーダーは時折裏目に出た。ロシアGPのスタートではポールポジションのルクレールが3番グリッドのベッテルにスリップストリームを使わせ、ワンツー体制を築くという作戦に出たが、勢い余ってベッテルが首位に立ってしまった。ベッテルはその後、ルクレールにポジションを譲るようチームから指示を受けたが、それに従わなかった。
これはベッテルがレッドブルに所属していた2013年のマレーシアGPを思い起こさせる出来事だった。このレースでベッテルは、順位をキープせよというチームオーダーに従わず、チームメイトだったマーク・ウェーバーをパスして優勝した。
ベッテルはロシアGP終了後にチームと議論した結果、自身が間違っていたことを認めたが、レース直後はチーム内の合意に違反したとは思っていなかったようだ。
「マシンの中では全てのことを把握するのが難しいんだ」とベッテルは語った。
「それは状況によって異なる。だから『あれは正しかった。あれは間違っていた』と決めつけることはできないと思う」
「マークとチームメイトだった時(2013年)を振り返ると、間違いなく状況は異なっている。何故なら僕たちはチームとして既に何年も働いていたからだ。僕たちの関係がうまくいっていたとは思わないけどね!」
「そしてその時(マレーシアGP)が来て、頼みごとをされた。僕はそれまで彼(ウェーバー)から何の手助けも受けてこなかったのに、なぜそれを引き受けなきゃいけなかったんだろう?」
「そういうわけで、今回は少し異なった状況だったけど、最終的に自分を守れるのは自分だけなんだ。時には自分が正しいと思ったことを貫くために、自分のために行動する必要がある。最終的にそれが正しいことだったのか間違ったことだったのかは、また別の話だ」
ベッテルはまた、現在のF1は“チームスポーツ”の色が強くなってしまったため、ドライバーの利己的な一面があまり見えなくなってきていると語った。2015年にフェラーリに加入して以降は、特にチーム最優先である必要性を感じているようだ。
「特に現在では難しい問題のひとつだ」とベッテルは続けた。
「70年代、80年代、そして90年代と比較すると、あの頃はドライバーが主役だったように思う」
「もちろん当時もチームありきのドライバーだったが、今では昔以上に、自分をサポートしてくれる様々な人たちに対する責任があると思う」
「それは特にフェラーリで顕著だ。ここでは“チーム”が他の何よりも大きな存在だと言っても過言ではない。もちろんドライバーよりも大きい」
Podium: race winner Sebastian Vettel, Red Bull Racing, second placed Mark Webber, Red Bull Racing
Photo by: XPB Images
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