ドライバーから批判相次ぐ2021年仕様タイヤ……「二度と見たくない」とベッテル
セバスチャン・ベッテルは、バーレーンGPでテストされた新タイヤに不満を示し、来季からこれらのタイヤを投入する計画が中止となることを望んでいる。
写真:: Zak Mauger / Motorsport Images
F1のタイヤサプライヤーであるピレリは、2021年シーズンに向けてタイヤ構造の見直しを進めており、より耐久性を高めた仕様の新タイヤをバーレーンGPに持ち込んできた。
金曜フリー走行ではこのタイヤを各ドライバーが2セット使用し、それぞれ6周ずつ走行することが義務付けられたが、多くのドライバーがこのタイヤを気に入っていないようだ。フェラーリのセバスチャン・ベッテルもそのひとりで、今回使用したタイヤは性能面で一歩後退したと感じており、来季これを投入するという計画が白紙となることを望んでいると語った。
「これは一歩前進したとは思わない」とベッテルは言う。
「その逆だよ。試してみる価値はあったと思うけど、このタイヤを二度と見たくはないね。今使っているタイヤに比べればかなり酷いからね」
それは現在使用している2019年仕様のタイヤを来季もそのまま引き継ぎたいということなのかと尋ねられたベッテルはこう答えた。
「もしあのタイヤが2021年に向けた唯一の選択肢なら、間違いなく2019年のタイヤを使いたいね」
「今のタイヤにないものを与えてくれない限りは使いたくないね。オーバーヒートが少ないとか、バトルをするチャンスがあるとか、そういうのがない限り異なるタイヤを履くべきではない」
「このタイヤ(新タイヤ)の方が悪いのは間違いないし、僕たちが既に苦戦している問題をさらに悪化させることになると思うよ」
またルノーのダニエル・リカルドも、ピレリが改善案を受けて何をしようとしているのかが見えてこないと語った。
「(新タイヤは)まあまあだ。少し遅いくらいかな」とリカルドは説明する。
「でも正直、彼らがこのタイヤから何を得ようとしているのか現時点で全く分からないんだ」
「おそらくシルバーストンで起きたことを受けて、構造としては安全なものを作ろうとしていると思うんだ。でも、フロントタイヤのグリップが少し減ってしまった印象だ」
今季のワールドチャンピオンであるルイス・ハミルトン(メルセデス)は、FIAとのミーティングなどを通してピレリにアドバイスをするよう努めてきたが、それが全く反映されていないことに不満を示しており、提言によって変化がもたらされていないと語った。
「僕はGPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)の代表としてパリに行き、FIAや全チーム、そしてピレリと会って話した」とハミルトン。
「前回のターゲットレターに僕たちは関わっていなかったし、彼らは僕たちがこれまで言ったことを全く聞いてくれなかった」
「だからそこに出向いて(自分たちの要望を)伝えたし、彼らを助けるためにメールのやり取りも何度もした。それでも改善されていないので、これ以上何かできるとは言えないね」
「結局の所、それは技術なんだ。技術の限界に達しているのか、彼らの限界なのかは分からない」
ハミルトンはまた、2022年から導入されるホイールリム径18インチのタイヤが事態をさらに悪化させるのではないかと懸念している。
「大きなリムになると、タイヤのグリップが落ちてしまうと聞いたことがある」
「だからF1にとって本当に必要なのは、ダウンフォースを少し減らして、タイヤから得られるメカニカルグリップを増やすことだと思う。そうすれば前のマシンに追従しやすくなる」
「でも、その方向に向かっているとは思えない。もちろん後戻りはしたくないし、まだやるべきことはたくさんあると思う」
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