リバースグリッドの導入は”全くの間違い”。再燃する議論にベッテルが釘
フェラーリのセバスチャン・ベッテルは、F1にリバースグリッド制を導入するアイデアに対し、「全くの間違いだ」と批判的な姿勢を見せた。
写真:: Mark Sutton / Motorsport Images
F1は近年、メルセデス、フェラーリ、レッドブルのトップ3チームが表彰台をほぼ独占する展開が続いており、パワーユニット時代になって以降は、先日行なわれた2020年F1第8戦イタリアGPでピエール・ガスリー(アルファタウリ)が優勝するまで、トップ3チーム以外の優勝は皆無の状況だった。
そんな中でイタリアGPは、予測不可能でエキサイティングなレースが展開された。ガスリーの劇的な優勝と相まって、一時は廃案になっていたリバースグリッドによるスプリントレースの是非についての議論が再燃する事態となった。
そして理論的には、新たなコンコルド協定の下、このアイデアは10チーム中8チームの同意があれば、レギュレーションに正式に加えられることとなる。
だが過去にリバースグリッド制のアイデアが否決されているように、この制度には多くの反発があり、それはイタリアGPを経た後も変わっていない。
フェラーリのセバスチャン・ベッテルは、リバースグリッド案について「全くの間違いだと思う」と、そのアイデアに否定的な姿勢を示した。
「言うまでもなく、もしF1がその方向に推し進めているとしたら、それは彼らがレースをより良いものにすること、フィールドをより接近させるためのレギュレーションやツールと生み出せなかったということの証明だ」
「(2019年導入の)新しいフロントウイングを思い出して欲しい。凄くコストがかかったけど、結局はレースという面ではあまり変わらなかった。僕はこれが間違っている思う」
またベッテルは2022年から導入される新たなテクニカルレギュレーションこそ、F1というショーをより良くするためのものだと指摘した。
「希望は2022年にある。つまりレギュレーションの変更だ。“宝くじ”を引くよりも、そうした主な点に対処し、修正に取り組むことのほうが必要だと思う」
「それ(リバースグリッド)はこの競争やスポーツの精神に反しているだけだと思う。競技者としては、他の人が勝つのが嫌なのと同じくらい、他が勝ったり、いい仕事をしていることは受け入れなくちゃいけないことだと思う」
「だからこそ、スポーツの名において、そうした方法を試みることは間違いだと思う」
リバースグリッドについては、ウイリアムズのジョージ・ラッセルも反対の姿勢を明確にしている。彼は遅いマシンのドライバーが、後方から簡単に追い越され、馬鹿に見えるだろうとその考えを示した。
「正直、その考えには反対だ」
「僕らがグリッド上で最も遅いマシンか、その中の1台であるのは事実。僕らは食い物にされるだろう」
「狂ったようにディフェンスをして、僕らより速いマシンを後ろに抑えようとするだろう。ドライバーとしては、僕は馬鹿みたいに見えるだろう。なぜなら結局は僕らよりずっと速いマシンとバトルをするんだ。ウチよりも10メートルは遅くブレーキングできて、凄く後ろから突っ込んで来ることができるクルマとね」
「僕がもし最強のマシンのひとつに乗っていたなら、それ(リバースグリッド)が本当に欲しいと思うだろう。はるか後方から突っ込んでくるヒーローのようだろうからね。彼らは純粋に優れたクルマに乗っているんだ」
「リバースグリッドのもとで、僕らがいくらかのポイントや、良い結果を得られるかもしれないことは分かる。でも僕らの想像の中では、ニコラス(ラティフィ/チームメイト)や僕だけじゃなく、ハースやアルファロメオも考えると、遥かに速いクルマとレースをするのは不可能だ。それが僕の立場だよ」
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