ロシアGP”ボイコット宣言”のベッテル。いち早く声を挙げた理由「沈黙する選択肢はなかった」
セバスチャン・ベッテルは、ロシアのウクライナ侵攻に対していち早く声を挙げたことについて、自分にとって当然の姿勢だったと語った。
Sebastian Vettel, Aston Martin, in the Press Conference
Mark Sutton / Motorsport Images
アストンマーチンのセバスチャン・ベッテルは、ロシアがウクライナに侵攻したわずか数時間後に、仮に今季ロシアGPが開催されたとしてもボイコットすると明言した。
環境問題や社会問題に取り組んできたベッテルが、今回示した姿勢は高く評価されている。彼は、他のドライバーたちが彼ほど強く意見を出さないことを問題だと捉えておらず、ウクライナの問題が早く沈静化されることだけが重要だと語った。
「誰にでも、自分の姿勢というものがあると思う」
「問題は、その姿勢を共有する勇気があるかどうかだ。僕はそれを恥ずかしがったりしない。むしろ逆だ。黙っていられないようなトピックもあると思うんだ」
「一日の始まりにこのニュースを見て、もっと重要なことがあると分かっているのにベッドから起き上がるのも、モチベーションを上げなきゃいけないのも奇妙な気分だ。すでに罪のない人たちが亡くなっていっている。そんな状況は想像できない」
「こういうことに勝者はいないと思う。大きな衝撃だし、その重要性は非常に明確だ」
すべてのドライバーがベッテルほど公の場で自分の気持ちを表現しているわけではないが、ベッテルは全員が同じ考えを共有していると考えている。
「今はみんな自分のことで精一杯だけど、もちろんこれは何よりも大きな問題だ。他のドライバーもみんな同じ意見だろう。”それ以外”があれば、僕は驚くだろうね」
「でも、僕たちが声を挙げるかどうかが最も重要なわけではない。重要なのは状況が緩和され、終息に向かうことなんだ。でも今のところ、それはとても難しいみたいだ。これ以上エスカレートして制御不能になることは誰も望んでいないと思う」
F1も躊躇することなくロシアGPの中止を決断した。財政面でのプレッシャーと無縁ではないものの、ベッテルはビジネスよりもはるかに重要なテーマもあると話す。
「価値観やモラルは何よりも優先されるべきものだ。その点では、ビジネスはまったく重要じゃない」
「人々が戦争に行き、死んでいく。そんなこと全く想像できない。僕もみんなと同じように、歴史の授業でたくさん学び、たくさんのことを聴いた。何が起こったのか、とても興味深く感じた」
「僕は今でも、こうしたことを自分の良心に刻み続け、意識させ続けることが非常に重要だと考えている。忘れてはいけないことなんだ」
「そして今なら尚更、そういうことを意識するようになる。さっきも言ったように、事態が落ち着くという希望を持っていたんだけどね。今、制御不能になりつつあるのはひどいことだ」
「誰かが速く走ろうが遅く走ろうが、マシンが良かろうが悪かろうが、それはすべて二の次なんだ」
「僕たちは皆、対立や戦争とは無縁の人生を歩んできた。1990年代末に一時期あったが、正直言って、その頃はまだ子供で、あまり実感がわかなかった」
「今、前線に送られ、命を危険にさらしている人たち、すでに亡くなっている人たちがいることを見聞きすると、ひどい話だと思う」
「人間として、そういう風にしか思えない。そういう意味で、それを共有できないのであれば、僕には理解できない。たとえスポーツ選手として、そういうことに『関わるな、距離をとれ』といつも言われていたとしてもね」
「その点では、単純にもっと重い問題がある。そして、それに対する自分の立場を共有することに何の問題もない」
ヨーロッパへのメッセージはあるかと訊かれ、彼は次のように答えている。
「欧州のことは言えない。でも僕は他の多くのヨーロッパ人と同じだと思う。その点で非常にショックを受けている」
「結局のところ、事態が落ち着いてほしいんだけど、一部の人々は狂気に取り憑かれているようだ。彼らは自分たちの真実、自分たちの現実を持っているのだと思う。そのために他の人たちが苦しみ、命がけで罰せられなければならないなんて、筋が通らない」
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