速報ニュース

全長1.5kmのストレートが見所! F1ベトナムGPは追い越しの多い魅力的なレースに?

2020年に初開催となるベトナムGPが行われるハノイ・サーキットは、カールステン・ティルケによれば「オーバーテイクの選択肢がたくさんある」という。

Hanoi circuit layout rendering

Hanoi circuit layout rendering

Vietnam Grand Prix Corporation

 F1は2020年に、ハノイ・サーキットでベトナムGPを初開催することとなっている。サーキットはハノイ中心部から20分ほど離れたナムトゥリエム区にあり、現在はピットとパドックが建設中だ。

 コースの3分の2は公道を使用するが、高速の最終セクションとメインストレートは新設される。

 このコースの大きな特徴となっているのが複数のロングストレートで、最長のものは1.5kmにも及ぶ。大きく回り込むようなコーナーが3本のストレートをつなぎ、その先には激しいブレーキングとタイトなヘアピンが待ち受けるレイアウトだ。これには、モナコのような抜きづらい市街地サーキットよりも、アゼルバイジャンGPが行われるバクーのように、多くのオーバーテイクを演出する狙いがある。

 なお、公開されているCG画像では、建設中のパドックの外観を見ることができる。

 著名なサーキットデザイナー、ヘルマン・ティルケの息子で、このサーキットの設計を担当したティルケ事務所のマネージングディレクターを務めるカールステン・ティルケは、F1 Racingに次のように語った。

「このサーキットを設計するにあたって、F1チームとハノイのオーガナイザーとの密接な協力があった」

「我々は彼らと良いサーキットを作るために、ドライビングの観点だけでなく、オーバーテイク増加の観点からも多くの話し合いを重ねてきた」

「もちろん、基本的にストレートなどいくつかの部分のレイアウトは固定されているが、シミュレーションツールを通して我々は可能な限り最高のコースを作ることができた」

Hanoi F1 circuit paddock rendering

Hanoi F1 circuit paddock rendering

Photo by: Tilke GmbH

 また、1.5kmのロングストレートの先にあるターン11付近には、グランドスタンドが両サイドに設けられることとなっており、ティルケはここを“スタジアムセクション”と呼んでいる。グランドスタンドと近接するサッカースタジアムの間はファンゾーンとF1ビレッジとなる予定で、海外からの観光客に向けて、ハノイやベトナムの文化や料理を楽しめるエリアとなるようだ。スタジアムではコンサートも開催予定で、最大で10万人規模の観客を収容できる。

 ティルケがサーキットの中で最もワクワクしていると語るのは、自由に考案、設計ができたコース終盤の区間である。彼はここを高速かつ非常にテクニカルで、少しのミスも許されない部分だと評した。

「長いストレートと高速コーナーがうまく組み合わさっているので、チームは良いセットアップを見つけるのが難しいだろう」とティルケは語った。

「我々のシミュレーションでは、このコースは良いレースと多くのオーバーテイクを提供すると予想されている。簡単にミスをしてしまうので、良いラップタイムを刻むのは難しく、ドライバーたちはこのサーキットに挑戦することを好むだろう」

 ティルケ社の建築家とエンジニアは、施工から完成までに18カ月かかるとしている。4月初旬には5人のエンジニアがハノイへと転居しフルタイムでプロジェクトに取り組んでいる。

「設計と計画のプロセスは極めて順調だ」とティルケは語った。

「準備はほとんどが終わったが、建設自体はまだ始まったばかりだ」

「起工式は今年の3月下旬に行われ、今はプロセスを進行させるために多くの機械を現場に投入する必要がある。2020年のレースカレンダーはまだ確定していないが、次のシーズンまでに作業を完了しなければならない」

Be part of Motorsport community

Join the conversation
前の記事 ルクレールの”速さ”がフェラーリに悪影響? ビルヌーブ「ライコネンを残すべきだった」
次の記事 「今のレッドブルがあるのはルノーのおかげ!」ルノー首脳、レッドブルとの舌戦再び?

Top Comments

コメントはまだありません。 最初のコメントを投稿しませんか?

最新ニュース

ホンダのeVTOLには、F1由来の技術が満載! 地上最速のマシンで培われた技術が空を飛ぶ

ホンダのeVTOLには、F1由来の技術が満載! 地上最速のマシンで培われた技術が空を飛ぶ

F1 F1
ホンダのeVTOLには、F1由来の技術が満載! 地上最速のマシンで培われた技術が空を飛ぶ ホンダのeVTOLには、F1由来の技術が満載! 地上最速のマシンで培われた技術が空を飛ぶ
熾烈な入賞争い、下位5チームに必要なのは“奇策”。サウジでブロック作戦成功のハースF1ヒュルケンベルグ「常識を超えなければ」

熾烈な入賞争い、下位5チームに必要なのは“奇策”。サウジでブロック作戦成功のハースF1ヒュルケンベルグ「常識を超えなければ」

F1 F1
熾烈な入賞争い、下位5チームに必要なのは“奇策”。サウジでブロック作戦成功のハースF1ヒュルケンベルグ「常識を超えなければ」 熾烈な入賞争い、下位5チームに必要なのは“奇策”。サウジでブロック作戦成功のハースF1ヒュルケンベルグ「常識を超えなければ」
岩佐歩夢が、SF開幕戦で無線交信に英語を使っていた理由「日本語での交信に違和感」 レポートも日本語と英語が混在……まるで”ルー”?

岩佐歩夢が、SF開幕戦で無線交信に英語を使っていた理由「日本語での交信に違和感」 レポートも日本語と英語が混在……まるで”ルー”?

SF スーパーフォーミュラ
第1戦:鈴鹿
岩佐歩夢が、SF開幕戦で無線交信に英語を使っていた理由「日本語での交信に違和感」 レポートも日本語と英語が混在……まるで”ルー”? 岩佐歩夢が、SF開幕戦で無線交信に英語を使っていた理由「日本語での交信に違和感」 レポートも日本語と英語が混在……まるで”ルー”?
レッドブルの今季マシンRB20、次世代2026年見据えた「大勝負」だったとチーフエンジニア

レッドブルの今季マシンRB20、次世代2026年見据えた「大勝負」だったとチーフエンジニア

F1 F1
レッドブルの今季マシンRB20、次世代2026年見据えた「大勝負」だったとチーフエンジニア レッドブルの今季マシンRB20、次世代2026年見据えた「大勝負」だったとチーフエンジニア

Sign up for free

  • Get quick access to your favorite articles

  • Manage alerts on breaking news and favorite drivers

  • Make your voice heard with article commenting.

Motorsport prime

Discover premium content
登録

エディション

日本