WEC Fuji

激走マルタンス、平川亮とトヨタを苦しめる「あと1〜2周あれば……彼らの母国で、抜いてやりたかったな!」|WEC富士6時間

アルピーヌのヴィクトー・マルタンスが、最後トヨタの平川亮を大いに苦しめた。今回圧倒的な速さを見せていただけに、勝てなかったことを悔しがった。

田中 健一

編集: 2026/09/27 10:33

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#36 Alpine Endurance Team Alpine A424: Jules Gounon, Frederic Makowiecki, Victor Martins

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写真:: JEP

 WEC富士6時間レースを制したのは、8号車トヨタだった。しかし、レースの最終盤、8号車をドライブしていた平川亮を苦しめたのは、36号車アルピーヌのヴィクトー・マルタンスだった。

 そのマルタンスはレース後、「あと1〜2周あったら、抜けたんじゃないかな……とにかく、周回数が足りなかったよ」と語った。

 富士でのアルピーヌは非常に速かった。予選は中止になったものの、フリー走行の結果を基に決められたスターティンググリッドのフロントロウを独占。決勝レースでもほとんどのシーンを1-2体制で走った。まさに富士を支配している、そんな感じだった。

 しかし、その上手の手から水がこぼれ落ちたのは、6時間レースが残り1時間を切ってからだった。この時もアルピーヌ勢は1-2体制を敷いていたが、LMGT3マシンの大クラッシュによってセーフティカーが出動。これでリードが消えた。そればかりか、ピットレーンが開放されて各車がピットに飛び込み、そしてコースに復帰すると、36号車アルピーヌは3番手、35号車アルピーヌが4番手に落ちていた。8号車トヨタと、15号車BMWに先行されていたのだ。

 実はトヨタは、残り周回数が少なくなることを見込んで、燃料給油だけで済ませ、しかも給油量も少なくしていたのだ。一方でアルピーヌ勢は、タイヤを2本だけ交換し、比較的多めに給油することになった。これでライバルの先行を許したわけだ。

「これはとても難しい判断だったな。僕らはタイヤ交換をしたけど、前に35号車がいたから、タイヤ交換してもタイムを失わずに済んだんだ。先にピットアウトするなら、一回後ろに押し戻して、走り出さなきゃいけないからね」

 マルタンスはレース後にそう語った。普段F1をご覧になった方ならお分かりの方もいらっしゃるだろう。FIA F3でチャンピオンに輝き、FIA F2でも活躍。そしてF1の金曜フリー走行にも出走したあのマルタンスである。

「しかしトヨタは良い仕事をしたと思うし、その判断はうまくいったんだと思う。彼らは状況を的確に予測し、適切な位置にもいた。ピットレーンの端にいたから、他のライバルを見て自分たちの燃料搭載量を減らしたり、僕らが来る前にピットアウトすることもできたからね」

「でもまあ、僕らの判断は十分じゃなかったかもしれない。レース後に言うのは簡単だけどね」

 セーフティカーが解除され、レースが再開されたのは残り20分という段階だった。先頭は平川が乗る8号車トヨタ。その後ろにはBMWもいる。しかし圧倒的な速さを誇るマルタンスは、圧倒的なペースでBMWを抜き去ると、すぐに平川の真後ろに迫った。

「平川はよくやったよ。トヨタのホームで、彼を追い抜いて勝ちたかったんだけどね。でも、こういうバトルは最高だ」

 マルタンスはそう語る。

「耐久レースじゃないみたいだった。最後の15周か20周くらい、ずっとプッシュしたよ。タイヤのことも燃料のことも、考えないようにした」

「全力でプッシュして、アグレッシブに走った。それを自分で体験できたのはよかったな。でも彼が前にいたわけだから、きっと彼の方が楽できたと思う。オーバーテイクしようとしたけど……十分な周回が残っていなかった。あと1周か2周あったらな……」

 しかし最近のアルピーヌは充実。前回のCOTAでは35号車、今回は36号車と、2戦連続で表彰台を確保したわけだ。

「アルピーヌとして、2戦連続で表彰台に上がることができた。今回も素晴らしいパフォーマンスを見せられた。圧倒的だったと思うんだ」

 しかもこれでアルピーヌは、マニュファクチャラーズランキングでキャデラックと同ポイントに並んだ。ただ、まだ勝ちはない。

「キャデラックに追いつくのが目標だったからね、良い結果だ」

「あとは今シーズンが終わるまでに必ず勝ちたい。あと2戦はヨーロッパに戻って戦う。富士は今回初めてだったけど、残り2戦の開催地であるバルセロナとモンツァは知っているサーキットだ。素晴らしいペースを発揮できると、100%自信を持っているよ」

 なお余談であるが、マルタンスは今回が初来日。日本を気に入ったようだ。

「日本に来たのは初めてだった。とても良いところだね。とても気に入ったよ」

「もうちょっと時間があれば、この国を色々と探索してみたかったんだけどね。日本の文化も本当に好きなんだ」

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