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ルノーを離れ、マクラーレンへ。リカルドの決断が持つ意味とは

ルノーを離れ、マクラーレンに移籍することを決めたダニエル・リカルド。中団チーム間での移籍は、彼のF1キャリアにおいてどんな意味を持つのか。

Lando Norris, McLaren and Daniel Ricciardo, Renault F1 Team in the Press Conference

Lando Norris, McLaren and Daniel Ricciardo, Renault F1 Team in the Press Conference

Simon Galloway / Motorsport Images

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 セバスチャン・ベッテルがフェラーリを離脱するというニュースが報道されたとき、ダニエル・リカルドはすぐに後任の候補として名前が挙がったひとりだった。過去にフェラーリは彼の獲得に興味を持っていたし、すでにF1で7勝を挙げている彼のスター性もチームにとっては魅力的だ。

 しかしフェラーリは、すぐにマクラーレンからカルロス・サインツJr.を獲得することを選んだ。これで、かねてからトップチーム入りを目指していたリカルドが、再びそのチャンスを逃したことになる。

 するとリカルドは素早い動きを見せた。ルノーに残るのではなく、サインツJr.が抜けることが決まったマクラーレンへの移籍を決断したのだ。

 中団チーム間の”サイドステップ”移籍は、リカルドの将来に大きな影響を及ぼし、彼の残りのF1キャリアを大きく左右しうる。

 リカルドがレッドブルを離れ、ルノーと2019年からの2年契約を結んだ時、彼にとってある程度失うものはない状態。そして、2021年から新規則が導入される予定だったこともあり、トップチームに復帰するというルノーのプロジェクトの進捗を確認するための十分な時間があった。ルノーが再び勝てるようなチームになっていないと考えた場合、2021年に向けて再び移籍を検討することができたのだ。

 レッドブルへの復帰はできないだろうが、メルセデスまたはフェラーリが2021年に向けて実績のあるドライバーの獲得を目指した場合、リカルドはドライバー候補のトップになっている可能性もあったのだ。

 しかし、そうはならなかった。中団チームの実力を考えると、リカルドがルノーでレースをしたことで、評価に深刻なダメージが及んだわけではないはずだ。だが、フェラーリの興味をそそるには至らなかった。

 すでにシャルル・ルクレールがフェラーリの中で立場を確立したこともあって、サインツJr.が理想的な候補として、フェラーリへ加入することになったのだ。

Carlos Sainz Jr., McLaren and Daniel Ricciardo, Renault F1 Team trackside

Carlos Sainz Jr., McLaren and Daniel Ricciardo, Renault F1 Team trackside

Photo by: Joe Portlock / Motorsport Images

 ベッテルのフェラーリ離脱をめぐる玉突き移籍は、ライバルチームであるメルセデスとレッドブルにとっては朗報かもしれない。サインツJr.がマクラーレンで印象的な走りを見せたのは確かだが、ルクレールとリカルドがコンビを組むよりも恐怖感は薄い。ライバルたちは安堵のため息をついたことだろう。

 リカルドは、F1の中団チームに留まる以外に選択肢はないということを受け入れなければならなかった。しかし、彼はルノーに残らないことを選んだ。

 ルノーは、リカルドを高いコストを支払った割に無駄に終わったこともあって、リカルド離脱を発表するリリースでは、リカルドに対する言及が全くなかった。”ありがとう”も”ガッカリ”の一言もなかったのだ。

 リカルドの将来にとって、マクラーレンへの加入はどんな意味があるだろうか? 彼がレースに勝ち、チャンピオンになる可能性は決してないのか? 彼は残りのF1キャリアを通して、”ベスト・オブ・ザ・レスト”を巡って争うことを受け入れたのか?

 必ずしもそうとは限らない。

 低迷が続いていたマクラーレンの復活は、急速に進んでいる。CEOのザク・ブラウンは新たなマネジメント体制を構築するために懸命に取り組んでおり、チーム代表としてアンドレアス・ザイドルを、テクニカルディレクターとしてジェームス・キーをチームに引き入れた。

 さらに、2021年からはメルセデスのパワーユニット(PU)を搭載する予定となっている。2020年のシャシーに修正を施しての搭載とはなるが、さらなる一歩を踏み出すだろう。新型コロナウイルスによって一時的に中断されているものの、新しい風洞とシミュレーターを含む施設への大規模投資も行なわれている。

 これらは全て、予算制限の導入に向けたマクラーレンの準備だ。ブラウンとザイドルはどちらも、予算制限が効果を発揮するのには時間がかかると強調している。ビッグチームは依然として最高の設備と人材を擁しており、それを急に失うわけではないのだ。

Andreas Seidl, Team Principal, McLaren, and Zak Brown, Executive Director, McLaren

Andreas Seidl, Team Principal, McLaren, and Zak Brown, Executive Director, McLaren

Photo by: Andy Hone / Motorsport Images

 また、リカルドは自分自身の実力を証明する必要がある。7月に31歳になる彼は、20人中5番目に年長のドライバーだ。引退が間近に迫っているわけではないが、F1キャリアの折り返しをすでに過ぎているのは間違い無いだろう。

 ルノーであれば、2021年までは準備期間だというある種の”セーフティネット”があったが、マクラーレンはリカルドにそんなチャンスを与える余裕は無いだろう。レッドブル時代のような成功を楽しみたいなら、懸命に取り組まなければならないと彼も分かっているはずだ。

 マクラーレンに移籍して1年目だった2019年シーズンにサインツJr.が収めた成功を見れば、リカルドがマクラーレンに期待を寄せるのも頷ける。最近のメルセデスや2000年代初頭のフェラーリなど、成功する上で緊密なチーム作りがどれほど重要か、多くの例がある。マクラーレンはどちらのチームとも全く違う段階にあるだろうが、同じような長期的目標を掲げている。さらに重要なのは、昨年の躍進でポジティブな雰囲気が生まれていることだ。

 リカルドとランド・ノリスというペアも魅力的だ。ふたりの仲は良好で、マクラーレンにとってはマーケティングの面でメリットがあるだろう。

 リカルドはハングリーな若手と組むことになるが、レッドブル時代のマックス・フェルスタッペンやルノーでのエステバン・オコンといった、より政治的なライバルの方が厄介に感じるはずだ。

 ノリスは経験豊富なリカルドから学ぶことができる。ふたりの関係がうまくいかないところは想像しにくい。

 ホンダのパートナーシップが順調にいっているレッドブルで、リカルドがさらに多くの勝利を収めることもできたのかもしれない。彼は依然として評価の高いドライバーだ。2019年から、トップチームに在籍していないというだけなのだ。

 彼が普通のレースで優勝を争う可能性も、チャンピオン争いに絡む可能性も低いだろう。だがマクラーレンが進んでいる方向を見ると、トップ3チーム以外では最適なチームだと言える。彼は今後数年間で最大限に輝ける居場所を見つけたのかもしれない。

 

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