F1 ベルギーGP
もっと頭を使え……レッドブルがフェルスタッペンのタイヤ戦略に慎重になっていた理由とは?
ピレリのマリオ・イゾラは、F1ベルギーGPでレッドブルがマックス・フェルスタッペンのタイヤ戦略について懸念を抱いていた理由を説明した。

Alex Kalinauckas
編集: 2023/08/01 12:26
Copy link
Viberでシェア
Google検索でmotorsport.comをお気に入り登録

F1ベルギーGPを圧倒的な強さで制したレッドブルのマックス・フェルスタッペン。しかしそのレース中、タイヤ戦略をめぐって、担当エンジニアのジャンピエロ・ランビアーゼと口論するシーンもあった。
これについてピレリのマリオ・イゾラは、各車ともスティント序盤に左フロントタイヤにグレイニングの兆候があったため、レッドブルもいつも以上にタイヤをマネジメントすることに注力していたはずだと語った。
フェルスタッペンはF1ベルギーGPの決勝レースで驚異的な走りを見せ、チームメイトのセルジオ・ペレスに22秒差をつけてフィニッシュ。まさに完勝だった。
フェルスタッペンはこのレース2回目のピットストップをこなしてコースに戻った直後、1分48秒922を記録。これは、レース終盤にルイス・ハミルトン(メルセデス)に塗り替えられるまで、最速タイムだった。ペレスのレース中の最速タイムが1分50秒308であったことを考えれば、このフェルスタッペンのペースがどれほど速かったかが分かるだろう。
ランビアーゼはフェルスタッペンが最速タイムを記録する前、次のように指示していた。
「最も重要なことは、このソフトタイヤをケアすることだ。妥当なスティントは14周だ」
しかしフェルスタッペンは前述の通り驚異的な最速タイムをマーク。するとランビアーゼは次のように語った。
「マックス、君はアウトラップでタイヤをたくさん使ったね。それが賢明だとは思えないよ」
「このタイヤは最初のスティントである程度のデグラデーションがあった。もう少し頭を使ってくれ」
フェルスタッペンはその後すぐにペースを落としたものの、後続との差を広げてもう1回ピットストップできるだけのマージンを築けばいいじゃないかと反論。そうすればメカニックにとって「ピットストップの練習になる」と訴えた。しかしランビアーゼは、「今回は必要ない」と即座にこの提案を拒否したのだった。
Max Verstappen, Red Bull Racing RB19, in the pits
Photo by: Steven Tee / Motorsport Images
しかしレッドブルは、なぜこれほどまでタイヤを痛めることに懸念を示したのか? ピレリのモータースポーツ責任者であるマリオ・イゾラは、これについて次のように語った。
「スティントの序盤に、履いたばかりの新しいタイヤでプッシュすると、ふたつのリスクがある」
そうイゾラは語る。
「ひとつはグレイニング(ささくれ摩耗)が始まってしまうことだ。タイヤはまだ冷えている……タイヤウォーマーに入っているから完全に冷えているわけではないが、タイヤはまだ完全に使う準備が整っていない」
今年のベルギーGPは気温が低く、さらにレース中に一時的に雨が降ったことで各ドライバーは減速を強いられることになった。それらの結果、ソフトタイヤがもっとも適したタイヤとなった。ただそのソフトタイヤでも、特にスティント序盤に無理をしてしまうとグレイニングが生じてしまい、フェルスタッペンが予定していた14周を走るのは、困難なモノになったはずだ。
実際それまでの2スティントでフェルスタッペンが履いていたタイヤには、グレイニングの兆候があったという。
「そしてこの気温では、コンパウンドの機械的抵抗によりそれが壊れ始め、グレイニングが生じるというリスクがある。そうなると、パフォーマンスを回復するために対処する必要がある」
「またタイヤが新品で、コンパウンドが厚いままだと、多くの熱が内部に溜まり、その熱による劣化が大きくなってしまう」
「そのためドライバーたちは、使い始めの段階で、うまくタイヤの温度を上げるためにタイヤをマネジメントする傾向にある」
ただイゾラ曰く、今季のレッドブルは圧倒的な速さを手にしているため、好きなように走れているとも語った。
「現時点でのレッドブルには、十分なマージンがある。そのため、基本的には彼らがやりたいことをやっている。マックスはペースをマネジメントしているが、プッシュすれば他よりも1秒以上速く走ることができる」
Max Verstappen, Red Bull Racing RB19
Photo by: Red Bull Content Pool
なおフェルスタッペン本人も、第1スティントでハミルトンらを追いかけた際には、タイヤの扱いに苦労したと語った。
「タイヤを少し痛めてしまった」
そうフェルスタッペンは語った。
「基本的に、ピットストップしてミディアムに履き替えると、クルマの状態ははるかに良くなり、より速く走れるようになったと感じた」
「ドライブするのが本当に楽しくなって、トップに立つこともできた」
「タイヤのマネジメントもうまくできた。でも、スティントの早いタイミングで雨が降り始めた」
「つまり場所によっては、かなりスピードを落とさなければいけなかった。それが解消された後で、ソフトタイヤを再び履いた。マシンのバランスは、かなり良くなったんだ」
「そのことは、トラフィックに巻き込まれなければ、タイヤの履き心地がどれだけ良くなるかを示している。素晴らしいレースだったよ」
あなたの意見が聞きたい!
Motorsport.comで何を見たいですか?
5分間のアンケートにご協力ください。
- Motorsport.comチーム
関連ニュース :
記事をシェアもしくは保存
Copy link
Viberでシェア
前の記事 アストンマーチン、復活に向けてマシン開発継続。夏休み明けのオランダGPにアップデートを準備
次の記事 ザウバーとアウディのタッグ、開発計画に遅れのウワサも「正しいルート上にある。変更はない」

More from
Alex Kalinauckas

雨のF1開幕戦で浮き彫りとなった、エンジニアとのコンビネーションの重要性。ストロールの6位がそれを物語っている!
F1
F1
オーストラリアGP
2025/03/20
雨のF1開幕戦で浮き彫りとなった、エンジニアとのコンビネーションの重要性。ストロールの6位がそれを物語っている!

大荒れのF1開幕戦制したノリス、マクラーレン勝利の秘訣は“ミスからの学び”にアリ「僕らは何度も失敗してきた」
F1
F1
オーストラリアGP
2025/03/16
大荒れのF1開幕戦制したノリス、マクラーレン勝利の秘訣は“ミスからの学び”にアリ「僕らは何度も失敗してきた」

フロントロウ独占のマクラーレン、”パパイヤ・ルール”はなし? ノリス「ぶつからない限りバトルは自由」
F1
F1
オーストラリアGP
2025/03/15
フロントロウ独占のマクラーレン、”パパイヤ・ルール”はなし? ノリス「ぶつからない限りバトルは自由」
最新ニュース

F2行きの噂が加速する坪井翔、所属先はハイテックではない? トヨタと欧州チームの提携はどうなる
FIA F2
F2 FIA F2 6 時間前
F2行きの噂が加速する坪井翔、所属先はハイテックではない? トヨタと欧州チームの提携はどうなる

山本左近議員、F1日本GPを国として支える必要性を主張「我が国の貴重な国際的資産……開催権料への公的支援も選択肢のひとつ」
F1
F1 F1
シンガポールGP
7 時間前
山本左近議員、F1日本GPを国として支える必要性を主張「我が国の貴重な国際的資産……開催権料への公的支援も選択肢のひとつ」

2026年マカオGP、日本勢は5人参戦! 山越陽悠は昨年優勝チームから……トムスも自前マシン投入で気合い十分
Other open wheel
Misc Other open wheel 8 時間前
2026年マカオGP、日本勢は5人参戦! 山越陽悠は昨年優勝チームから……トムスも自前マシン投入で気合い十分

FIA F2のミシェルCEO、カタールとアブダビの2戦は”予定通り開催”と断言「我々はその2戦でシーズンを終えたい」
FIA F2
F2 FIA F2 8 時間前
FIA F2のミシェルCEO、カタールとアブダビの2戦は”予定通り開催”と断言「我々はその2戦でシーズンを終えたい」
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。
次の 2 つのオプションがあります。
- サブスクライバーになります。
- 広告ブロッカーを無効にします。
購読中 すでに購読していますか? ここからサインインします
広告ブロッカーを無効にしましたか?
ページをリロード
お知らせの管理
登録