F1
【ホンダF1折原エンジニア独占インタビュー】オランダGPで投入予定の”スペック2”PUで「普通に戦える位置に行くことが目標」 ドライバビリティが課題に
ホンダF1の折原伸太郎エンジニアがmotorsport.comの独占インタビューに応じ、夏休み明け初戦に投入予定のスペック2のパワーユニットについて語った。

Ronald Vording
編集: 2026/08/11 10:01
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ホンダF1のトラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアを務める折原伸太郎は、パワーユニット(PU)開発の焦点はエンジンにあると説明する。そしてその新しい仕様のエンジンでは、ドライバビリティを改めて調整する必要があるという。
アストンマーティン・ホンダは、F1ハンガリーGPでAMR26にシーズン初となる大規模アップデートを投入した。このアップデートはかなり効果的で、今季苦しんできたシャシー面の課題が大きく軽減された。まだ目標とするレベルには程遠いものの、それ以前のグランプリと比較すると、レースペースが大幅に向上。イギリスGPやベルギーGPでは1周あたり5秒ほどあったトップとの差が、ハンガリーでは一気に2秒にまで縮んだ。
また夏休み明け初戦のオランダGPでは、アップデート版のPUも投入する予定だ。シャシーほどではないかもしれないが、PUは今季のアストンマーティン・ホンダの弱点のひとつであった。しかしADUOの対象のアップデートにより、この弱点を克服したいと考えている。
今季のホンダのPUは、特にエンジンが弱点となっっているとされる。折原エンジニアは、エンジンのパフォーマンスを改善することが、ライバルとの差を縮める上で最大の課題だと指摘する。
「他者と比べて、エンジンの性能は明らかに劣っています。だから今最も改善すべき点は、エンジンの性能向上でしょう。先ほども申し上げたように、その差は非常に大きいんです」
Shintaro Orihara, Honda, during an interview with Ronald Vording, Motorsport.com during the F1 Belgian Grand Prix
写真: Honda Racing Corporation
折原エンジニアは、motorsport.comの独占インタビューでそう語った。
「エンジンの性能を向上させなければ、他のことは何も役に立たない。例えばエネルギーマネジメントを改善したとしても、エンジンの性能が低ければ何の意味もないです」
「だから今は、エンジンの性能向上に全力を注いでいます。そこで目標を達成できれば、他の細かい部分も最適化できるかもしれません。しかし依然として、我々の最優先事項はエンジンの性能です」
ホンダは、最高出力の差を埋めるには、時間がかかることを認識している。今回のアップデートでは、最大30馬力の出力向上が見込まれているが、今後さらなる改良が必要になるだろう。
オランダGPで投入する改良版PUの具体的な目標について折原エンジニアは、ハンガリーGPでのアストンマーティン同様、つまり「レースの舞台」に復帰することだと語った。
「我々の目標は、レースの舞台に復帰すること、つまり毎週末必死に探し求めている10mm秒、あるいは20mm秒のタイム短縮が、実際に勝敗を分けるような状況に戻ることです」
■新PUで、ドライバビリティの新たな問題に直面?
Lance Stroll, Aston Martin Racing
写真: Andy Hone/ LAT Images via Getty Images
オランダに持ち込まれるPUは、大幅に仕様が変わる。そのため新たな課題もある。そのひとつは、シーズン開幕からしばらくの間議論されてきた、ドライバビリティ、つまりドライバーたちがPUから感じ取るフィーリングに関するものだ。
「ドライバビリティを最適化するためのツールを開発しました。順調に進歩し、目標達成に近づいています」
そう折原エンジニアはそう語った。
「しかしスペック2エンジンを投入すると、燃焼特性が大きく変わります。いや、大きく変わるというほどでもないかもしれないですが、大きな違いは生じるはずです」
「コーナリング中のエンジンの挙動も変わります。ですから、ドライバビリティを再び向上させる必要があるんです」
このPUのアップデートは、シャシーの改良とも密接に関係しているため、ドライバビリティにも影響を及ぼすことになる。
「車両の仕様が変われば、コーナリングスピードは大幅に向上します。それに伴い、ドライバビリティについての要求も変化することになります」
ホンダは今シーズン序盤にも、ドライバビリティの辛いに直面した。再びその対策が必要となるわけだが、これまでの経験から得た教訓を新しい仕様にも応用できるため、振り出しに戻ることはないと強調する。
「今シーズン前半に大きな進歩がありました。ドライバビリティを最適化する方法を開発できたからです」
「新しいエンジンを導入するにあたり、ドライバビリティをさらに向上させるため、おそらく更なる作業が必要になると思います。しかし今はどのように改善すべきか、どこを改善すべきか、それは理解できています」
「このことは大きな学びでした。その教訓を、スペック2のエンジンにも活かすことができます」
アストンマーティン・ホンダは、ハンガリーGPの直後に同じハンガロリンクで、フィルミングデーを実施した。そしてこのフィルミングデーで走ったマシンに載せられていたPUは、スペック2であった。このフィルミングデーは、まさにこのドライバビリティの向上という側面において非常に重要だった。
アストンマーティン・ホンダとしては、このフィルミングデーで実際にアップデート版のシャシーとPUの組み合わせを走らせたことで分析すべき初期データを得ることができた。このことは、オランダGPでの予期せぬトラブルを回避するのに役立つことだろう。
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