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ベッテル、衝撃のフェラーリ離脱。両者の将来は一体どうなるのか?

セバスチャン・ベッテルが、2020年シーズン限りでフェラーリを離脱することが決まった。では、その後任となるのは一体誰だろうか?

Sebastian Vettel, Ferrari SF1000

写真:: Zak Mauger / Motorsport Images

 フェラーリは5月12日(火)の欧州時間早朝にプレスリリースを発表し、今季限りでセバスチャン・ベッテルがチームを離脱することを明らかにした。

 この突然の発表で気になってくるのは、ベッテルの抜けたフェラーリには誰が加入するのか? そしてベッテルが来季以降どうするのか? ということだろう。

 フェラーリにおけるベッテルの立ち位置は、2019年に大きく変化した。新加入のシャルル・ルクレールが、いきなり高い競争力を発揮し、ランキングでもベッテルよりも上位を獲得した。しかも性格的にもチームにすぐ溶け込んでみせた。

 その結果、フェラーリはルクレールとの契約を2024年まで延長。このことは、ルクレールがフェラーリを背負って立つ存在になったことを明確に示した事例だった。

 ベッテルもチームと契約延長について交渉をしていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響でレースが開催されないことで、状況が複雑化した。そんな中でフェラーリは決断を下さねばならなかったが、ベッテルとの契約延長が最優先だったのは間違いないと思われる。そして、経験の少ないルクレールのさらなる成長を促そうと考えていたのだろう。

 ただ、多くのドライバーの契約が今季限りで切れることになっていたため、フェラーリとしてもベッテルとの契約をできるだけ早く明確にし、秋の時点で翌年のドライバーが決まっていないという状況は避けたかった。

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Sebastian Vettel, Ferrari

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Photo by: Mark Sutton / Motorsport Images

 ベッテルには、1年間+オプション1年の契約がフェラーリから提案されていたようだ。しかしベッテル側は、さらに長い期間の契約を望んだと見られている。また、報酬の減額も提示されており、一説にはその額は、若く自身よりも経験が少ないチームメイトと”同等のステータス”だったという。

 そういう交渉に挑むのは、一時代を築いたドライバーとしては、非常に厳しいことだ。ドライバー側からすれば、満足度は報酬と”チームに望まれていて、勝利の方程式の絶対に重要な部分であること”を感じられるかどうかということの組み合わせにかかっている。

 フェラーリの公式声明の中でベッテルは、交渉がまとまらなかった原因について、金額面での問題ではないと主張しつつ、次のように語った。

「チームと僕は、来季以降も一緒にいたいという欲求を、もはや共有していないことに気づいた。この決定には、金銭的な問題は関係ない」

 前述したが、新型コロナウイルスの感染拡大により、シーズンが開幕していないことは、双方にとって痛手となった。本来ならば既に6戦が終了していたはず。つまりベッテルとルクレールの力関係がどうなっているのか、明確になっていたはずだ。

 ベッテルの将来に関しては、彼が今季限りでF1を退くことを選ぶのか、他のチームのシートを探そうとしているのかは不明である。

 ベッテルには家族がおり、7月には33歳になる。その年代になる多くの人同様、これまで過ごしてきた忙しい日々よりも、一箇所に止まり、家族と共に過ごすことを楽しんでいるのに気付いたはずだ。彼はもはや、モータースポーツの頂点に留まることに、執着していないかもしれない。

 この日発表された声明の中に、それを匂わせる一文がある。

「ここ数ヵ月の間に起こったことは、多くの人が自分の人生における本当の優先事項について振り返るきっかけになった。想像力を駆使して、変化した状況に対応する新しいアプローチを採る必要がある。僕自身、将来に向けて本当に重要なものが何なのか、考える時間を取る」

 また2021年に別のチームに加入しようとしても、すぐには難しいかもしれない。これもやはり新型コロナの影響で、来季以降の新たなコンコルド協定の締結が遅れているのだ。そのため、ベッテルの高額な報酬について、現時点で約束するのは難しい状況であるはずだ。

 当然ベッテルは、メルセデス移籍も検討しているはずだ。ルイス・ハミルトンも今季限りでメルセデスとの契約が切れることになっているため、彼の動向次第では、シートが空く可能性もある。フェラーリでキャリアを終えるというのは誰にとっても魅力的なはずで、それはハミルトンにとっても同様。二人がトレードのような形でチームを移籍する……そんな可能性もゼロではない。

 ハミルトンにとってさらに重要なのは、チームの将来だ。チーム代表のトト・ウルフは、自らはチーム離脱を否定するものの、数年前と比較すればその可能性が確実に高まっている。ハミルトンにとってウルフの存在はかなり重要であり、その先行きがどうなるのかを見極めようとしているはずだ。

 レッドブルに戻るというのは、今やマックス・フェルスタッペン中心に形作られたチームに足を踏み入れるということになるはずで……ベッテルにとっては難しい環境に置かれることになるはずだ。また昨年後半から加入したアレクサンダー・アルボンの働きについては、チームも満足しており、ベッテルの居場所は無さそうに見える。

 ベッテルはマクラーレン入りする可能性も噂されている。マクラーレンのチーム代表を務めるのは、ベッテルがBMWザウバー時代に共に仕事をしたアンドレアス・ザイドル。それはベッテルにとって大きな後押しとなるはずだ。

 ただマクラーレンは、年間の予算上限をさらに引き下げることを要求するなど、コスト削減を推し進めているチームであり、ベッテルが求める報酬を用意することはおそらくないだろう。

 またアルファロメオに加入し、キミ・ライコネンと同様にチームを長期的に強くしていくため、トップ6でのフィニッシュを年間1〜2回……という状況に満足できるとは思えない。

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Valtteri Bottas, Mercedes AMG W10, leads Sebastian Vettel, Ferrari SF90

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Photo by: Simon Galloway / Motorsport Images

 ところで、ベッテルが抜けたフェラーリには誰が入るのだろうか? 現実的にはアントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)、カルロス・サインツJr.(マクラーレン)、ダニエル・リカルド(ルノー)の3人が候補ということになるだろう。

 ジョビナッツィはフェラーリの育成ドライバーであり、リザーブドライバーも務めている。つまりルクレールと同じルートを歩もうとするのは当然と言えよう。彼は2019年シーズン序盤は苦しんだが、後半にはいくつか強力な戦いぶりを披露した。

 しかしながらルクレールの1年目の活躍とは異なり、2020年の活躍にその全てがかかっていた。ただ、レースが開催されていないため、自身の力を示すチャンスも、走行距離を稼ぐという機会も奪われてしまっている。ただ彼にとって有利なことは、すでにフェラーリの傘下におり、他に行くことはないということが”保証”されているということだ。

 リカルドとサインツJr.は、いずれもフェラーリにとっては理想的な候補と言えるだろう。

 リカルドは、すでに豊富な経験を手にし、レッドブル時代には勝てる能力も証明している。サインツJr.は素晴らしい2019年シーズンを過ごし、さらに良くなりつつある。スピードも、総合的なパフォーマンスの面でも、ふたりは共に高い能力があり、ルクレールと手を取り合って、フェラーリを前身させることができるチームプレイヤーである。

 さらにリカルドには、2014年のレッドブル時代に、当時チームメイトだったベッテルを打ち負かしたという実績があり、これはサインツJr.に対して有利な点と言える。

 一方、もしサインツJr.がフェラーリのシートを射止めれば、その後任最有力候補はリカルドだということになるかもしれない。

 これはあくまで可能性ではあるが、もうひとりF1復帰を狙っている男がいる。フェルナンド・アロンソである。アロンソは今はF1から離れているが、将来的な復帰の可能性を匂わせている。そしてもしフェラーリ加入の可能性があるのであれば、それはアロンソの興味を引くことになるはずだ。

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Photo by: Steven Tee / Motorsport Images

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