アウディ、船頭ふたりでF1の荒波に立ち向かう。レッドブルとフェラーリで活躍した大物の”ダブルマネジメント”体制構築
2026年からF1に参戦するアウディは、レッドブルの現スポーティングディレクターと元フェラーリの代表という大物ふたりによるダブルマネジメント体制のチームとなる。
レッドブルの現スポーティングディレクターであるジョナサン・ウィートリーがアウディのチーム代表に就任することが明らかとなった。これにより、2026年からF1に参戦するアウディは元フェラーリ代表のマッティア・ビノットとウィートリーによるダブルマネジメント体制となることが明らかとなった。
レッドブルは8月1日、ウィートリーのチーム離脱を発表した。アウディからは当初何の発表もなかったが、その後アウディも、ウィートリーが2025年7月からザウバー/アウディで働き始めることを認める声明を出した。
2024年限りでレッドブルでの仕事を終えるウィートリーは、2026年にアウディのワークスチームへと生まれ変わるザウバーで新しくチーム代表のポジションに就くまでの間、ガーデニング休暇を過ごすことになる。
アウディがウィートリーの採用を明らかにしたのは、ザウバーの前CEOであるアンドレアス・ザイドルと取締役会会長のオリバー・ホフマンの内部権力争いが発覚し、喧嘩両成敗の形で両者を解雇したことを明らかにしてからわずか1週間半後のことだった。
アウディは、ビノットとウィートリーのコンビの役割分担を明確にしており、声明の中で「明確な職務分掌がされており、責任は個々に定義されている」とし、それぞれが「レーシングチームの成功に共同で責任を負う」こと、「ザウバー・モータースポーツAGの取締役会会長であるゲルノット・ドルナー(アウディCEO)に直接報告する」立場であると述べている。
ビノットはチームのCOO(最高執行責任者)およびCTO(最高技術責任者)として、ヒンウィルのファクトリーとアウディの技術部門、およびノイブルクのエンジンファクトリーを監督する立場となる。
一方でウィートリーは、F1チームの運営とメディア・スポークスマンとしてチームの顔になる。
Red Bull Sporting Director Jonathan Wheatley is presented with the DHL Fastest Pit Stop Award 2023
Photo by: Mark Sutton / Motorsport Images
アウディは声明で、ウィートリーの獲得について次のように述べている。
「アウディによるザウバー・グループの全株式取得に伴う、将来のファクトリーチームの支配構造再編成の一環として、ダブルマネジメント体制が採用されることになった」
「将来のF1チーム代表としてジョナサン・ウィートリーを獲得できたことを嬉しく思う」
「ジョナサンは、これまでのF1キャリアで数多くの勝利と世界選手権タイトル獲得に大きく貢献し、パドックでの経験も豊富だ。彼は我々のチームにとって非常に貴重な存在だ」
「ジョナサンとマッティアの起用により、我々はF1参入に向けて決定的な一歩を踏み出した。ふたりの起用により、アウディにとって極めて高いレベルの能力を兼ね備えることができたと確信している」
「彼らの経験と能力は、F1という厳しい競争の世界で素早く足場を固めるのに役立つだろう」
ウィートリーはアウディへの加入について、次のようにコメントを寄せた。
「この18年間、レッドブル・レーシングの旅の一部であったことを非常に誇りに思うし、多くの思い出とともにそこを去ることになるだろう」
「しかし、ファクトリーチームの責任者としてアウディのF1参戦に積極的に関与する機会は、他に類を見ないほどエキサイティングなものであり、この挑戦を楽しみにしている」
「また、長年の知り合いであり、このエキサイティングなプロジェクトで協力するのに適した人物であるマッティアと一緒に仕事ができることを嬉しく思っている」
ビノットは「ジョナサンとは長い付き合いで、経験豊富で熱心なモータースポーツの専門家として高く評価している」と付け加えた。
「ジョナサンと共にアウディの新しいレーシングチームを立ち上げ、成功に導くことを楽しみにしている」
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