F1 Haas Fuji TPC
F2参戦せず、異例のやり方でF1参戦目指す平川亮。坪井翔もそこに追従するのか? 「どこを経由してきたかは問題ではない」とトヨタ
TOYOTA GAZOO Racingの加地雅哉グローバルモータースポーツディレクターは、平川亮がFIA F2を経由せずにF1シート獲得を目指していることについて、「どこを経由してきたかは問題ではない」と考えており、重要なのは「経験値とパフォーマンス」だと述べた。
戎井健一郎
公開日時: 2025/08/06 10:44
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写真:: Simon Galloway / LAT Images via Getty Images
ハースF1チームとの提携を通して、陣営のドライバーの“F1参戦”という夢をサポートしているTOYOTA GAZOO Racing(TGR)。特に平川亮は既にF1マシンでの走行経験を豊富に積んでいるが、そのアプローチはF1参戦を目指すドライバーとしては“異端”に映る。
というのも、現在F1を戦うドライバーは、そのほとんどがF1直下のFIA F2、FIA F3を経由してF1へとステップアップしている。しかし平川は現在F2には参戦しておらず、その代わりにF1のテストやフリー走行に参加することで経験を積んでいるのだ。彼は既にマクラーレン、アルピーヌ、ハースと3つのチームのマシンで走行を経験している。
もちろん平川はWEC(世界耐久選手権)でワールドチャンピオンに輝くなど、他カテゴリーでの実績は十分なのだが、このような形でF1のレギュラーシートを目指すというのは、少なくとも近年では前例がないやり方。ただTGRの加地雅哉グローバルモータースポーツディレクターは、「F1到達のためには必ずしもF2を経由すべき」などといった固定観念は持っていない。重要なのはひとえにF1で通用するパフォーマンスと経験値であり、それを手にするためには様々な選択肢があると考えている。
富士スピードウェイで行なわれたハースF1旧車テスト(TPC)でのメディアセッションで、加地氏に上記のような「前例がないやり方」について尋ねると、彼はこう答えた。
「前例がなければやってはいけない、というわけではありませんよね? 彼がパフォーマンスを発揮できれば、クルマ作りやコミュニケーションができれば、どこを経由してきたかは問題ではありません」
「もちろんF2を経験することは大きな経験値、アドバンテージになりますし、そこは全く否定しません。ただ平川選手がやっているようなやり方でも、パフォーマンスが出せるのであれば問題はないと思います」
「それに何歳であっても構わないと思います。ちゃんとそこでレースができるのであれば、何もネガティブな要素はありません」
写真: Motorsport.com Japan
また平川本人にもこの件を引き合いに出し、「現在のアプローチでF1参戦に向けた準備が十分整っているという感覚はあるか」と尋ねた。すると平川は、F1開催サーキットを多く経験できる点がF2/F3のメリットであり、その点で自身は「遅れている」と語ったが、それ以外の点では問題ないと感じているようだ。
「F2、F3をやっていないデメリットについては、サーキットを知らないという点が結構大きいかなと思います。そこはかなり遅れていると思います」と平川。
「ただ、今はシミュレータで練習できたりもしますし、やってみないと分からない部分もあったりします。TPCに乗ってピレリタイヤも経験できていますし、(ピレリタイヤを使う)F2からF1に来ても、結局はF1にはF1の走らせ方やタイヤの使い方があるので……そういった意味では、コースを知らない以外では遅れていることはないと思います」
また今回のTPCでは平川だけでなく、昨年のスーパーフォーミュラチャンピオンである坪井翔が2日目を担当予定。加地氏は「レギュラードライバーにほど近い存在として、いつでもレースできるレベルにある」平川には、坪井のベンチマーク的な役割もあると語る。
加地氏は以前motorsport.comのインタビューに対し、今回の坪井のF1初走行は日本での王座獲得の「ご褒美」としての要素は一切ないと話していた。坪井のF1挑戦への真剣な思いを受け取ったTGRは、今回のテストで彼のパフォーマンスをしっかり測った上で、次のステップを検討していく構えだ。
坪井翔
写真: Masahide Kamio
その“次のステップ”があるかどうかは、まさにテストの結果・内容次第といったところになりそうだが、仮に坪井が本格的にF1参戦への挑戦をスタートさせるとして、それは宮田莉朋のようにF2に挑戦する形になるのか、平川のようにF1走行を重点的に行なう形になるのか……そこも気になる点だ。
「坪井選手がF2に挑戦する必要があるかどうかは、彼のパフォーマンス次第だと思います」と加地氏は言う。
「僕たちとしては色々な選択肢があっていいと思っています。それはその人の経験値とパフォーマンス次第ですから、それぞれが置かれた環境によってカスタマイズできるサポート体制を構築するのが一番大事だと思います」
「僕らも正直(取り組みが)始まったばかりですが、選手それぞれに合った道をプロデュースできる仕組みづくりをするのが大事かと思います」
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