角田裕毅レッドブル入り! “日本人F1ドライバー歴代最高”のシートとなる?
角田裕毅がレッドブル・レーシングに加入する。過去には上位チームからF1に参戦した日本人ドライバーも存在するが、今季のレッドブルのシートは、日本人が得たF1シートの中で最も戦闘力の高いものと言えるかもしれない。
写真:: Steven Tee / Motorsport Images
日本、そして世界のモータースポーツ界がざわついている。レッドブル・レーシングはF1の2025年シーズン序盤2戦が終了した時点で不振のリアム・ローソンに早々に見切りをつけ、代わって姉妹チームのレーシングブルズに所属する角田裕毅を昇格させることを発表した。
ただ、開幕から2戦続けて予選で下位に沈んだローソンが言うように、レッドブルのマシンはいわゆる“スイートスポット”が狭く扱いにくい代物であると言われているため、移籍は角田にとってプラスにならないのではという声もある。ただ、レッドブルは今もF1トップチームの一角。角田が4度のF1王者であるマックス・フェルスタッペンと同等……とまではいかずとも、できる限り近いレベルでマシンを乗りこなすことができれば、上位入賞も狙えるパッケージと言える。
いずれにしても、これまでなかなかトップチームのシートに恵まれてこなかった日本人F1ドライバーの歴史という観点で見れば、2025年のレッドブルは屈指……いや、もしかすると歴代最高のシートと言えるかもしれない。
それでは、過去にF1のレースに出走した日本人ドライバーの中で、戦闘力の高いチームに所属した例を振り返る。
まず、日本人初のF1フル参戦ドライバーである中嶋悟が1年目、1987年に所属したロータスは上位チームの一角だったと言って差し支えないだろう。前年チームランキング3位を獲得しており、同年もウイリアムズ、マクラーレンに次いで3位。チームメイトはあのアイルトン・セナで、2勝を挙げてドライバーズランキングで3位に入ったが、一方でF1ルーキーだった中嶋は最高位4位で年間12位に終わった。
写真: Sutton Images
この年はセナ、中嶋共にアクティブサスペンションの熟成不足に苦しんだと言われているが、ロータス99Tは市街地での2戦でセナが勝利するなど、十分に高いポテンシャルを持ったマシンだったと言える。何より、「チームメイトが優勝した」という経験を持つ日本人ドライバーは、後にも先にも1987年の中嶋だけだ。
なおロータスは翌1988年に、前年ウイリアムズでドライバーズチャンピオンを獲得したネルソン・ピケが加入し、中嶋とチームメイトになった。ただマシンの戦闘力という点では、この年から徐々に落ちはじめていた。ちなみに、この「ディフェンディングチャンピオンとチームメイトになる」という経験も、現状は中嶋が日本人唯一となっている。
それ以降は多くの日本人ドライバーが誕生したが、上位チームに乗るチャンスは得られないまま月日は流れた。その道中、鈴木亜久里が日本人で初めて表彰台を獲得したり、その鈴木や片山右京が当時のトップチームであるベネトンからオファーを受けたり(※契約には至らず)……といったことはあったのだが。
そして2004年、BARからフル参戦を果たした佐藤琢磨が日本のファンに夢を見せた。この年はフェラーリ勢が18戦15勝、ワンツー8回と圧倒的強さを見せたが、BARはそれに次ぐ勢力として躍動し、ジェンソン・バトンが10回の表彰台を獲得してドライバーズランキング3位、佐藤も日本人初の予選フロントロウや日本人ふたり目の3位表彰台を獲得してランキング8位、チームとしてはフェラーリに次ぐコンストラクターズランキング2位となった。
写真: Sutton Images
この年の佐藤の予選・決勝の最高成績、そしてチーム・ドライバーの年間順位はいずれも、日本人ドライバーの歴代最高成績となっている。
それ以降では、小林可夢偉が群雄割拠だった2012年シーズンにおいて予選フロントロウと決勝3位を記録した活躍が最も記憶に新しいが、ザウバーのチームランキングが6位であることからも分かるように、パッケージとしてのトータルの戦闘力が指折りに高かったかと言われると難しいところ。2025年のレッドブルのシートが“日本人歴代最高”となり得るかの議論は、1987年のロータス、2004年のBARとの比較で行なわれるべきだろう。
2025年シーズンは、ここまでの2戦で、“レッドブル”は昨年のコンストラクターズ王者マクラーレンに次ぐレベル、そしてメルセデスと同等レベルの戦闘力を見せている。そういう意味では2番手タイのチームだと言えるのだが、ここで言う“レッドブル”は、あくまで2021年からドライバーズタイトルを4連覇中のフェルスタッペンのパフォーマンスを指す。フェルスタッペンに匹敵する速さを見せることがどれだけ難しいかは、彼の歴代チームメイトのリザルトを見ても明らかだ。
しかしながら角田は2024年末にレッドブルRB20をドライブした際、自らのドライビングスタイルに合っている感覚がすると、ポジティブな感想を述べていた。もちろん、2025年型のRB21になったことでマシンのピーキーさが手のつけられないレベルになっているという可能性もあるが、角田にそれが乗りこなせられるのであれば、これまで日本人ドライバーが誰も見ることができなかった景色にさえ、たどり着けるかもしれない。
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