F1 イタリアGP

サージェントに代わりF1デビューのフランコ・コラピントって何者? 「こらピンと来ない!」という方に向けて経歴を紹介

ローガン・サージェントに代わり、2024年シーズン後半戦のF1を戦うことになったフランコ・コラピント。その経歴について紹介する。

Franco Colapinto, Williams Academy

Franco Colapinto, Williams Academy

写真:: Williams

 F1第16戦イタリアGPから、ウイリアムズがドライバーを交代。ローガン・サージェントに代わり、フランコ・コラピントがデビューを果たすこととなった。F1直下のフィーダーシリーズまでフォローしているファン以外には馴染みが薄いドライバーと言えるが、コラピントはこれまでどんな経歴を辿ってきたのか?

 コラピントは2003年5月27日生まれの21歳。アルゼンチンのブエノスアイレスで生まれたコラピントは10歳でカートを始め、母国でいくつかのタイトルを獲得し、2017年からはヨーロッパにも渡った。カートを卒業したのは15歳だった2018年だったが、彼は同年にはスペインF4にも数戦だけ参戦。ここから4輪レースでのキャリアが始まった。

 2019年にはスペインF4にフル参戦すると、圧倒的な強さでシリーズタイトルを獲得。翌2020年も、フォーミュラ・ルノー・ユーロカップとトヨタ・レーシングシリーズに参戦して共にランキング3位を獲得するなどポジティブな1年となった。

 ただ2021年は予算の問題もあり、スポーツカーレースにやや軸足を置くことになった。ヨーロピアン・ル・マン、アジアン・ル・マンに参戦し、ル・マン24時間レースにも出場した。そしてフル参戦こそ叶わなかったがフォーミュラ・リージョナルのヨーロッパ選手権にもエントリーして2勝を挙げた。

 2022年はFIA F3への参戦を果たし、ここから本格的にF1を目指した旅路が始まっていくことになる。1年目の所属はVARで、スプリントレースで2勝を挙げてランキング9位。チームメイトの成績を大きく上回る形で1年目を終えた。

 F3での2年目となる2023年シーズンはMPモータースポーツに移籍。スプリントレース2勝、フィーチャーレースは2位1回、3位1回という成績でランキング4位となった。コラピントはこの年ウイリアムズ・ドライバー・アカデミーと契約しており、結果的にこの判断が自身のF1デビューへつながることとなった。

 2023年末にはアブダビの最終ラウンドでF2デビューを果たすと、その後行なわれたF1のポストシーズンテストでF1マシンを初体験。大きな経験を積んだ。

 2024年はMPモータースポーツからF2へのフル参戦をスタート。序盤はやや出遅れた感があったが、イモラでのラウンド4でスプリントレースを制してからは上位争いの常連となった。カタルニアとレッドブルリンクではフィーチャーレースで2位を獲得し、ここまで10ラウンドを終えた段階でランキング6番手につけていた。

 コラピントはその間にもイギリスGPのFP1に出走するなど、F1マシンでの経験を積んでいたが、不振のサージェントが解雇されたことで、急転直下のF1デビューを果たすことになった。

 アルゼンチンのF1ドライバーと言えば古くはファン・マヌエル・ファンジオやカルロス・ロイテマンが有名だが、ここ数十年は下火となっていた。コラピントは2000年〜2001年に参戦したガストン・マッツァカーネ以来のアルゼンチン人F1ドライバーとなる。

 コラピントがキャリアを通して一貫しているのは、クラッシュやリタイアが少ないこと。実際、F3とF2での50レース強でリタイアに繋がる接触は4度しかなく、F2ではサウジアラビアでのクラッシュが唯一のケースだ。しかし彼もF1での経験は多くないため、モンツァに向けて十分な準備ができているかを疑問視されるのは当然と言えるだろう。

 

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