F1 カタールGP

F1カタールGP、未知の要素たっぷりで波乱の予感。新路面とスプリント開催で一筋縄ではいかない?

F1は今週末、2021年以来2度目の開催となるカタールGPを迎えるが、再舗装された路面がチームを悩ませることになりそうだ。

Lewis Hamilton, Mercedes W12, Pierre Gasly, AlphaTauri AT02, Fernando Alonso, Alpine A521, Lando Norris, McLaren MCL35M, and the rest of the field away at the start

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 F1はカタールGP初開催となった2021年以来初めて、舞台であるルサイル・インターナショナル・サーキットに戻ってきたが、路面の再舗装がチームを悩ませる一因となりそうだ。

 MotoGPでは長らく開幕戦として開催されてきたカタールGP。F1は2021年に初開催されたが、サッカーW杯の影響で2022年は開催スキップとなった。

 2021年と比べて、F1マシンはレギュレーション変更により大きく変化。グラウンドエフェクト・カーとなったため、初開催時とマシンの共通点はほとんどないだろう。

 そしてもし、チームが2021年のデータを使ってコンディションを予想しようとしていたのなら、肩透かしに終わるだろう。というのも今年8月にサーキットは全面的に再舗装されているためだ。

 FIAの公式プレビューノートでも記されているように、2004年の開業以来初となる大規模な再舗装工事を含む、大改修がされているのだ。

「変更点が広範囲に及ぶことから、どこから見ても新しいサーキットに見えるだろう」

 通常なら、F1チームはそうした変更に対応するプロフェッショナルだと言えるが、すでに多くの頭痛の種を抱えているのだから話は別だ。

 前述のようにマシン、路面が大きく変更されているのに加え、今回のカタールGPはスプリント・フォーマットでの開催。予選を前にフリー走行は1セッション60分しかなく、それを最大限に活用できるよう気を配る必要がある。

 金曜日の予選に出走した時点で、マシンはパルクフェルメ規定によりセッティングの大幅変更ができなくなってしまうのだ。通常の週末のように、金曜日の夜にシミュレータ作業を行ない、土曜日にマシンを改善するというチャンスはない。

 メルセデスのトト・ウルフ代表は、フリー走行で再舗装の影響を確かめることが重要だと話した。

「コース上もコース外も変化があった。そのため、FP1で重要なのはコース再舗装の影響を理解することだ。スプリント週末なので、限られた時間の中でそれを把握し、残りのイベントに向けてしっかりとしたセットアップを見つけることになる。興味深い作業になるだろうし、我々も楽しみにしている」

 だがカタールGPがナイトレースであることも、チームのチャレンジに拍車をかけている。フリー走行はまだ陽が出ている時間帯となり、予選・決勝のコンディションとは異なるのだ。

 通常なら陽が沈んだ後のFP2に本腰を入れれば良いのだが、カタールGPはそれを待つことはできない。そのため路面と気温がどのように変化するかを推測しなければならないのだ。

 フリー走行は現地時間16時30分に開始。この時、気温は40度前後となるだろう。予選が始まる20時には、気温は33度前後まで下がると予想されている。これはかなり大きな差であり、風向きの変化を考慮するといった以前の違いだ。

 チームにとっては、事前にシミュレータで十分な準備を行ない、適切な方向性を導き出すことが重要になってくる。

 フェラーリのドライビングシミュレーション責任者であるエンリコ・サンポは次のように語った。

「金曜日のフリー走行では、我々のモデリング(が正しかったのか)をチェックすることが非常に重要になる」

「ここで初めてグラウンドエフェクト・カーを走らせることでまた未知の要素が増える。コース上でのマシンのハンドリングを予測し、その挙動を予測するためには、シミュレータでの作業が不可欠なのだ」

「ドライバーたちとともに、様々なシナリオをシミュレートし、どんな状況にも対応できるようなベースライン・セットアップを考え出すためにバーチャルで作業してきた」

 しかしそれは簡単なことではない。チームは誤ったセットアップを選択してつまずかないよう、細心の注意を払わなければならない。

 ウィリアムズの車両パフォーマンス責任者であるデイブ・ロブソンは、スプリントイベントとしてはおそらく特に過酷なレースになるだろうと覚悟している。

「2023年シーズンの残り3つのスプリント・イベントのうちのひとつであり、新しい路面とイブニング・セッションのため、最も過酷なイベントになる可能性が高いだろう」

 

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