F1トップチームを目指して本気のアストンマーチン……新ファクトリーはマクラーレンとは対照的?

アストンマーチンF1チームの新ファクトリーの起工式が、新型コロナウイルスの影響によって2年延期されたものの、ようやく実施された。

Aston Martin Campus
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写真:: Aston Martin Racing

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Otmar Szafnauer, Team Principal and CEO, Aston Martin F1, Anthony Bamford, chairman of JCB, and Lawrence Stroll, Owner, Aston Martin F1
Otmar Szafnauer, Team Principal and CEO, Aston Martin F1, Anthony Bamford, chairman of JCB, and Lawrence Stroll, Owner, Aston Martin F1
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写真:: Glenn Dunbar / Motorsport Images

Otmar Szafnauer, Team Principal and CEO, Aston Martin F1, Anthony Bamford, chairman of JCB, and Lawrence Stroll, Owner, Aston Martin F1
Otmar Szafnauer, Team Principal and CEO, Aston Martin F1, Anthony Bamford, chairman of JCB, and Lawrence Stroll, Owner, Aston Martin F1
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 アストンマーチンF1チームの新ファクトリーの起工式が行なわれた。当初は2年前に行なわれる予定だったが、新型コロナウイルスの感染が拡大していたことを受けて延期。この度ようやく式典を開くことができた。

 チームオーナーのローレンス・ストロールは、今後3〜5年でチャンピオンを獲得するという高い目標を掲げている。しかし彼は、現在の施設のままではそれは不可能だと考え、今回起工式が行なわれた新たな巨大なファクトリーが建設されることになった。

 現在アストンマーチンは、チームの前身となるジョーダン時代の1991年から使われてきた施設を使い続けている。しかし当然それは手狭であり、設備としてももはや目的には適さない状態となった。

 そのためストロールは、現在の敷地中編に新たに40万平方フィートの土地を取得。新設備を建設することを決めた。これにはファクトリー、風洞実験施設、会議センター、講堂など、様々な用途のための施設が含まれている。

 建設にかかる費用は1億500万〜2億ポンド(229億〜305億円)と見積もられていて、2022年の終わりから2023年初めには”入居”できる予定だ。

 このファクトリーは、2004年にマクラーレンが現在のファクトリー”テクノロジーセンター”を開設して以来、ゼロから建設された初めてのF1ファクトリーである。

 当時マクラーレンを率いていたロン・デニスは、このテクノロジーセンターについて、機能性よりもファッション性を重視していたと言われる。実際見た目は素晴らしいが、内部は無機質すぎ、巨大な施設であるにもかかわらず、現在のF1や自動車製造の急速に変化するニーズに適応するのに苦労していると言われる。

 しかしストロールは、このアストンマーチンの新施設について、見た目が良いというだけではなく、スタッフが必要とするモノを正確に提供できるよう設計されているという。つまりコミュニケーションが改善され、マシンの開発をスピードアップするために必要な1000人のスタッフが働く上で、十分な広さの施設であるということを意味する。

 ストロールは新しいファクトリーについて、次のように語った。

「このファクトリーは、ロン・デニスがノーマン・フォスター(建築家)と共にマクラーレン・テクノロジー・センターで行なったこととは逆だ」

「これはビジネスであり、ファクトリーであり、キャンパスであり、我々自身のDNAや文化、歴史にマッチした目的のためのものだ」

「これが建設された目的は、効率的及び合理化できるようにすることだ。そして全てのスタッフが、ひとつ屋根の下で並んでいるのだ」

「これは新たに導入されたファイナンシャル・レギュレーションを考慮に入れており、このスポーツが将来どうなっていくかということについて、我々が考えていることを考慮に入れている」

「必要に応じて、さらに多くの区画を構築することができる。逆に縮小することもできる。ただし建物自体を縮小するのではない。人々を近づけることによって、それを可能にするのだ。そういう意味でこの建物は、我々のイメージ、文化、DNAを真に表していると言える」

 ストロールは、新しいファクトリーの建設を進めていなければ、アストンマーチンF1はストロールが求めているような進歩を実現するのは難しかったのは明らかだと語る。

「現在のファクトリーでは、それは難しかっただろう」

 そうストロールは語った。

「現在は、増加するスタッフを収容するために、一時的なオフィスを追加している。これは、地面に設置された小さな建物だ」

「誰もが、ファクトリーの様々な場所に移動しているため、コミュニケーションは最も素晴らしい形ではない。だからコミュニケーションと研究開発を改善するためには、デザインを改善することは必要不可欠だったのだ」

「既存の施設では、私が考えているような人数まで増やし続けることはできなかった。それはありえないことだった」

 このファクトリーを建設するということは、言い換えればストロールが、このF1プロジェクトにどれだけ熱心に取り組んでいるかということを示しているとも言える。

 現在アストンマーチンと名乗っているチームは、前述の通り1991年にジョーダンとしてF1参戦を果たした。しかしその後、ミッドランド、スパイカー、フォースインディアと、オーナーが代わる度にチーム名も変わってきた。しかしその後、ストロールがチームを取得しレーシングポイントと名を変えた後、同じくストロールが買収したイギリスの名門自動車ブランド”アストンマーチン”の名を名乗ることになった。

「これは長期的な投資だ」

 そうストロールは語る。

「前任者には何の罪もない。そして彼らは誰も、私が手にしてきたような成功という実績を持っていないのだ」

「私はこのプロジェクトに情熱を注いでいる。これは素晴らしいビジネスチャンスだ。F1は、個々のチームのビジネスにおける価値であり、今後数年間で非常に高く評価されることになると思う」

「他のスポーツにおける資産と、何ら代わりはない。例えばNFLのアメリカン・フットボールのチームを見てみよう。10年前、それぞれのチームは約10億ドル(1000億円)の価値があった。でも今では40〜50億ドル(4000〜5000億円)で参戦権を購入することはできない。つまり、これは長期的な計画なのだ」

「これは、私が関わろうと計画していることだ。私はまだ若いから、少なくとも何年もの間、これに関わることができると信じている。何らかの形で撤退するために、こういう計画を推し進めたり、こういう投資をすることはない」

 リバティ・メディアが取得した後のF1は、グリッド上の競争力の差を縮めることを目指している。しかしストロールは、トップチームの優位性を下げる方法がまだ明確になっていないと語る。

「資金が、幅を利かせているね? そしてそれは、今後も続くだろう」

 そうストロールは語った。

「我々は皆、予算上限について理解している。我々はまた、この予算上限には含まれていない、除外されるモノに関して非常に現実的だ」

「我々にとっては、このファクトリーの計画は長い間延期されていた。繰り返すが、新型コロナの影響で、2年延期されたのだ。それがなければ、既に完成しているか、あるいは完成間近だったはずだ」

「しかし私が目的としている、勝つためにレースをするには、このツールが100%必要なんだ」

「勝つために必要なモノは、私が信じている形の正しいリーダーシップと、ビジョンだ。それを手にするための余裕をもたらすため、資金を調達する必要があるし、この業界で最高の人たちを集めなければいけない。そして彼らに、最高のツールとプロセスを与える必要があるのだ」

「我々には、すでに多くの素晴らしい人材がいる。しかし今回のことは、我々がまだ獲得できていない人たちを採用するためのツールとプロセスを提供するのだ」

「さらに我々全員の夢を実現するために、私の指導、そしてチーム上層部の指導、そしてリーダーシップを与えることができる」

 アストンマーチンは、F1でトップに立つために真剣に一歩一歩を踏み出しているようだ。

 

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