君に決めた! メルセデス代表ウルフが若き日のボッタスへの支援を決めた訳
メルセデスF1チームを率いるトト・ウルフは、バルテリ・ボッタスをサポートするように誘われた当初は関心がなかったものの、彼と直接会った後にその考えを改めたという。
写真:: Mark Sutton / Motorsport Images
現在メルセデスF1チームの代表を務めているトト・ウルフは、2000年代前半に自身のレース活動を中止してビジネスに専念。その結果成功を収め、若いドライバーを支援するという形でモータースポーツに投資する道を模索し始めた。
そして2007年の冬、ウルフはモトパークアカデミーの代表であるティモ・ランプカイルから、フォーミュラ・ルノーに参戦中のバルテリ・ボッタスの支援について連絡を受けた。しかしウルフ曰く、当初はそれに関心を示さなかったという。
「モータースポーツへの投資を始めた当初、私は(ドライバーの支援に)もっと関わっていた」とウルフは語る。
「ある日、フォーミュラ・ルノーのチームを運営している友人のティモから連絡があり、彼はこう言った。『フィンランドのプライベートチームから参戦している素晴らしい青年がいて、資金不足ながらも前の方で走っている。私は彼を来季起用するつもりだが、彼にはマネージャーがいない』とね」
「それに私はこう返したんだ。『大変申し訳ないが、私には嫌な経験があるんだ。一旦お金を稼ぎ始めると(サポートを受けていたことを)忘れる者もいる。もうやりたくないんだ』と。彼は『気持ちは分かる』と言った」
その後ボッタスは2008年にランプカイル率いるモトパークに移籍し、フォーミュラ・ルノー2.0でチャンピオンを獲得。すぐにその実力を示してみせた。
この時のことをウルフは次のように振り返った。
「(最初の連絡から)数ヵ月後にまた(ランプカイルから)連絡が来た。『バルテリがフォーミュラ・ルノーの序盤2レースで優勝した。ただをそれを伝えたかった』と。私は『それは予想していた』と返したが、彼はこう言ったんだ『ああ、でも彼は2位に27秒差をつけたんだ。次のレースでは24秒差。これは普通じゃない』と」
「その後バルテリから連絡が来て、『僕に会ってくれないか?』と言われた。そして我々は会うこととなったが、そこでバルテリはこう言った。『僕はマネージャーを探している訳ではない。あなたのアドバイスが欲しいんだ。今いくつかのグループが僕のサポートに興味を持ってくれているけど、あなたの意見を聞きたいんだ』」
「私は彼に正直な意見を言った。そして最終的には、私とその友人、そしてミカ・ハッキネンを含む4人の投資家によってバルテリを手助けすることにしたんだ」
ウルフはその日、ボッタスが強い印象を与えたと語った。
「彼は両親などと同席せずに、ひとりで来た。そして外は雪が降っていたが、セーター1枚で現れた。それは彼の獰猛さ、速さ、メンタルの強さなどを表しているようだった」
ウルフはまた、ルイス・ハミルトンと会った時のことも回想した。ふたりは2002年10月にドニントン・パークで顔を合わせているが、実際に初めて関わりを持ったのは2004年のユーロF3でのテストだという。
「それはF3のプレシーズンテストの時で、彼はフォーミュラ・ルノーからステップアップしたばかりだった」
「当時、私が支援するドライバーがARTにいた。ルイスは若干戦闘力の劣るチームに所属していたが、彼はARTのガレージまでやって来て、マシンを見ていた」
「その少年は非常に好奇心旺盛で、ガレージで何が起こっているのかに対して非常に興味を持っていたのを覚えている。彼に会ったのはそれが初めてだった」
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