とどまることを知らないアメリカでのF1人気……COTA代表も今後の成功に自信。ファンが増え続ければ「年間4レース開催もあり得る」
サーキット・オブ・ジ・アメリカズのCEOであるボビー・エプスタインは、F1アメリカGPが今後も成功を収めると確信しており、アメリカでの3レース開催も大きな問題にはならないと考えているようだ。
A view of the start-finish straight
Steve Etherington / Motorsport Images
これまで様々な地域・サーキットで開催されてきたF1アメリカGPは、2012年にテキサス州のオースティンにあるサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)に舞台を移して今年で10周年を迎えた。チケットは早い段階から完売となっており、今週末のレースでは歴史的な観客数を記録することが予想されている。
NetflixのF1ドキュメンタリーが成功を収めたことから、アメリカでのF1人気は爆発的に高まっており、今年マイアミGPが初開催されただけでなく、来季はラスベガスGPもカレンダーに加わる予定となっている。ただCOTAでのアメリカGPは、それ以前から人気を集めていた。
「(F1アメリカGPは)言うまでもなく、我々にとって最大のイベントだ」
そう語るのは、COTAでCEOを務めるボビー・エプスタインだ。
「我々は色んなことに取り組んできたので、初開催時よりもエキサイティングになっているだろう。訪れた人たちに素晴らしい時間を過ごしてもらっていると思っている」
「グランドスタンドも増え、屋台も増え、屋根のある場所も増えた。エンターテインメントやプログラムの数も増えている」
「(今週末サーキットでコンサートを行なった)エド・シーランは世界でも有数のアーティストだ。1年以上前にブッキングしたことは幸運だった。我々の音楽アドバイザーも先見の明があったと思うし、何よりエド・シーランを呼ぶべきだと言ったのはうちの真ん中の娘なんだ!」
これまでもチケットがソールドアウトになるなど高い人気を誇ってきたアメリカGPだが、エプスタイン曰くこれほど早くに売り切れることはなかったという。
「昨年も相当だったと思うが、今年は圧倒的だ」
「一般席からグランドスタンドに1万人ほど移動させることにした。一般席だと観客がどこにいるか予想がつきにくく、時には一箇所に密集にしていてそこがとても混雑している場合もある」
「ひとつの解決策としては、(観客としては)TVスクリーンがあればどこでもいい訳だから、あらゆる場所にスクリーンを追加することにした」
「インフィールドにはショッピングビレッジやハリウッドのスタントカーの展示などを行ない、別のエリアにはフェラーリのヒストリックカーも置いた。どんどんやることを増やしているんだ」
また今季は既にレッドブルのマックス・フェルスタッペンがドライバーズタイトルを確定させており、コンストラクターズタイトルもレッドブルでほぼ決まりといった情勢である。タイトル争いという意味では面白味に欠けるが、エプスタインはそれでも自信を見せる。
「人々はチャンピオンが決まる前にチケットを買っている。オーストラリアやシルバーストンのチケットを買う人もタイトル決定の瞬間ではなくバトルを楽しむために買っている訳で、このコースでも素晴らしいバトルが見られると思っている」
では、アメリカでのF1開催数が増えていることについてはどう思っているのか尋ねると、エプスタインはラスベガスでのレースがアメリカGPと同じシーズン終盤に加わっても、COTAでのレースが人気を保ち続けると主張する。
「マイアミで春にF1が開催されることで、昔はアメリカでは見向きもされなかった時期に(F1が)露出し話題を集める。このスポーツにとってポジティブなことだ」
「ベガスでのレースも楽しみだ。楽しいものになるだろうし、我々のレースとはまた違ったユニークさがある。(オースティンとラスベガスの)ふたつの観衆にアピールする上で重複する部分も多々あるかもしれないが、どちらもユニークなものになるだろう」
アメリカでの年間3レース開催は1980年代以来であり、そもそも同一国でこれほど多くのレースが行なわれるのは異例なことであるが、エプスタインはアメリカでF1ファンが増加しているため、今後も年間3レースを維持することは容易であり、場合によれば4レース開催もあり得ると話した。
「何が素晴らしいかって、ここ10年ずっと応援しているF1ファンだけでなく、60年代、70年代にヨーロッパでF1を見ていたようなファンからも支持されていることだ。もちろん若い人たちが情熱的に応援している姿を見ることができる」
「アメリカはどの国よりもレース数が多いと言われるが、それでどうにかなるかって? アメリカ合衆国の人口と面積をヨーロッパのそれと比較して考えれば、ファンの数が増えればそのレース数を維持することは容易だろう」
「パイが大きくなり続ける限り、4レース目だって絶対にあり得る。それで我々の取り分が小さくなるのは嫌だがね」
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