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久しぶりのF1開催も、ザントフールトはドライバーにとっては“馴染みの地”? 「壁のないモナコのよう」とガスリー

世界が新型コロナウイルスという未曾有の事態に陥って以来、F1はそれまでグランプリレースを開催した経験の無いサーキットをF1カレンダーに組み込んできた。

Pierre Gasly, AlphaTauri AT02

写真:: Mark Sutton / Motorsport Images

 世界が新型コロナウイルスという未曾有の事態に陥った2020年シーズン、F1はそれまでグランプリレースを開催した経験の無い、若しくは長い間開催していなかったサーキットをF1カレンダーに組み込んできた。

 F1は、昨年初めてムジェロ・サーキットやアルガルヴェ・サーキットでレースを開催。長らくF1カレンダーから姿を消していたニュルブルクリンクやイスタンブール・パーク、イモラ・サーキットでも行なわれた。一部のドライバーやチーム関係者の中には、過去に開催経験のある3サーキットの有益な知識を持つ者もいた。

 2021年のF1第13戦オランダGPの舞台となるザントフールトは今回が初開催ではなく、F1史でも大きな役割を果たしてきたサーキットのひとつだ。

 F1が1950年に世界選手権としてシルバーストンで発足してからは、シルバーストン、モナコ、スパ・フランコルシャンに次ぐ5番目に古いグランプリサーキットで、1952年に初開催された。非選手権のF1レースでは1948年に初開催。この点では4番目に古いサーキットとなる。

 そんな歴史を持つザントフールトだが、1985年を最後にF1カレンダーから姿を消しており、F1パドック内で当時を知る人は比較的限られている。チーム関係者の中には、過去にドイツ・ツーリングカー選手権(DTM)やF3などで経験のある人もいるが、そう多くない。

 しかし不思議なことに、多くのドライバーにとっては慣れ親しんだサーキットなのだ。

 マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)は、サーキット改修後に2012年のレッドブルF1マシン『RB8』でデモ走行をしており、20人の中で唯一現行レイアウトでの走行経験がある。

 しかし、これまではフォーミュラ・ルノーやF3のカレンダーにザントフールトが組み込まれていたため、数年のブランクはあるものの、ヨーロッパで活動していた大半のドライバーがこのコースでのレース経験を持っている。

Elio de Angelis, Lotus 97T Renault, leads Marc Surer, Brabham BT54 BMW, Stefan Johansson, Ferrari 156/85, and Michele Alboreto, Ferrari 156/85

Elio de Angelis, Lotus 97T Renault, leads Marc Surer, Brabham BT54 BMW, Stefan Johansson, Ferrari 156/85, and Michele Alboreto, Ferrari 156/85

Photo by: Motorsport Images

 フェルスタッペンを除き、走行経験のあるドライバーが知るザントフールトには、F1マシンでのオーバーテイク促進を目的に追加されたふたつのバンク・コーナーはないが、その他のレイアウトは改修前のレイアウトが残されているのだ。

 彼らにとって、そしてブランズハッチやスラクストンなどの“オールドスクール”なサーキットを好むファンにとっても、どこか懐かしいレース週末になることだろう。

 興味深いことに、ドライバーのほとんどがザントフールトに対して良い思い出をもっているが、改修後もオーバーテイクの機会は少ないと考えている。

「昔のサーキットみたいに、バンピーでとてもトリッキーだ」とランド・ノリス(マクラーレン)は言う。

 ノリスは、2017年に参戦していたヨーロッパF3のザントフールト戦で2度勝利を上げた経験を持っている。

「多くのコーナーで、ランオフエリアがあまりない」とノリスは続ける。

「でも、とってもクールなサーキットで、場所によってはとても速度域が高い。けど、基本的にオーバーテイクは不可能だよ」

「唯一期待できるのは、少なくとも1回は(オーバーテイクの)チャンスがあるということだ。その1回は第1コーナーの進入だと思う。でも、それが簡単かどうかはやってみないと分からない」

Lando Norris, Carlin Dallara F317 - Volkswagen

Lando Norris, Carlin Dallara F317 - Volkswagen

Photo by: FIA F3 / Suer

 ザントフールトでのオランダGPを前に、“オールドスクール”という言葉がよく聞こえてくる。バンクコーナーなどが追加されたとはいえ、ザントフールトはオールドコースのまま。コース幅やランオフエリアなどにおいては、直近20年間で設計されたサーキットとはほとんど共通点がみられない。フェルスタッペンもデモ走行後に「モナコや鈴鹿と同じく、古き良きコースだ」と語っていた。

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 実際、オールドスクールなサーキットの追加は多くのドライバーやファンにとって、悪いことではない。昨年F1カレンダーにザントフールトが戻ってきたことで、「現代F1のサーキットがどうあるべきか」という認識の幅が広がった。

 2009年のF3マスターズ以来の走行となるダニエル・リカルド(マクラーレン)はこう語る。

「もちろん、オールドスクールだし、いくつかのコーナーは高速だ」

「レースをする前から悲観的にはなりたくないけど、オーバーテイクや少なくともそのチャンスがあるかどうかは中々見えてこない。それが現実というか、週末を前に現実的に思うことかな」

「F1はとても速いからね。F1を観ていると分かると思うけど、高速域で追いかけるのはとても難しいし、誰かに追いつくのはトリッキーになる」

「嬉しい驚きが得られるか見てみよう。それがマイナスに働くかもしれないけどね。ただ、予選がとっても重要になると思う……」

 カルロス・サインツJr.(フェラーリ)は、2012年のF3でザントフールトを経験。フェラーリの本拠地があるイタリア・マラネロでのシミュレーターでは、改修後のコースレイアウトに好印象を得たという。

「バンクが全てを変えたね」とサインツJr.は語る。

「それによってさらに速くなる。F3に乗っていてもとても速く感じたし、とても狭いコース幅で走っていて楽しかった。そこでオーバーテイクが起きるとF1が予想しているとは思えないけど、ドライバーにとっては予選アタックでもしっかりチャレンジになると思う」

 ピエール・ガスリー(アルファタウリ)が最後にザントフールトでレースを行なったのは、フォーミュラ・ルノー時代。約10年前まで遡る必要がある。

「壁のないモナコのようなものだと思う」とガスリーは言う。

「だから予選が絶対的に重要になる。レースではオーバーテイクがとても難しいと予測しているよ」

Pierre Gasly, Max Verstappen, Red Bull Racing RB7

Pierre Gasly, Max Verstappen, Red Bull Racing RB7

Photo by: Justin van Densen

「僕の予想が外れているといいな。ドライバーは、常に接近戦と良いバトルを求めているんだ。でも客観的に見て、長いストレートが無いからそう簡単にはいかないと思う」

「バンクコーナーは全開だ。特別なことではないし、数秒の間だけインディカーのドライバーになった気分になるだろうね! それからF1の感覚に戻るんだ」

 ベテランのフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)やキミ・ライコネン(アルファロメオ)、ルーキーの角田裕毅(アルファタウリ)など、ザントフールトでのレースが別カテゴリーも含めて初めての経験となるドライバーは少なくない。

 36年ぶりの開催ということもあり、コース上の動きに加え運営を行なう組織の双方の観点から、誰にとっても未知の領域にあるということは間違いない。降雨により問題が多発した前戦ベルギーGPを経て、今回はスムーズなレース週末になるだろうか。

「オレンジ色のシャツを身にまとった人たち(地元フェルスタッペンのファン)が沢山いる場所に行くのだから、多くの期待をしている」とF1のCEOを務めるステファノ・ドメニカリはベルギーGP後に答えた。

「新たなイベント、新たなサーキットで沢山のワクワクを味わうことができるだろう。F1ファンのみんなのためにも、良いレースにしたいと思う。(ベルギーGPの)日曜日は本当に難しかった」

 
 

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