アルピーヌ、マイアミの大型アップデートで最大の弱点を改善か? 逆転許したハースもその強さを警戒
アルピーヌがマイアミGPにアップデートを投入したことで、ハースはコンストラクターズランキングで6番手に後退することになった。しかしハースとしては、今後すべきことをしっかりと認識しているようだ。
小松礼雄代表率いるハースF1は今季好調で、日本GPを終えた時点でコンストラクターズランキング4番手につけていた。しかしチームの母国グランプリであるマイアミGPでは精彩を欠き、無得点で終わった。
一方で好調だったのはアルピーヌである。ピエール・ガスリーの手によりスプリントレースで1ポイントを獲得すると、決勝ではフランコ・コラピントが自身最高位となる7位に入り6ポイントを獲得。これによりアルピーヌの今季の獲得ポイントは23となり、ランキング5番手となった。
ちなみにレッドブルもマイアミで14ポイントを獲得してランキング4番手に急浮上……ハースは結局ランキング6番手に後退してしまった。
レッドブルはさておき、ハースがアルピーヌに先行されたのは、アップデートの違いによる部分が大きい。アルピーヌはマイアミに大規模なアップデートパッケージを投入したのに対し、ハースはディフューザーのウイングレットに小さなパーツを追加したのみであった。
とはいえ、ハースのパフォーマンスが悲劇的だったわけではない。アルピーヌと同じように大規模なアップデートを投入したウイリアムズと互角のペースで走った。オリバー・ベアマンは、アレクサンダー・アルボンをアンダーカットすることができていれば10位入賞を確保できたはずだと悔やんだ。実際、ベアマンはアルボンを追いかけたが、オーバーテイクを成功させるだけの力はなかった。
なおハースは、アルピーヌのマシンに加えられたアップデートについて少々不安を感じている。ハースも今後大規模なアップデートを投入する予定だが、アルピーヌは今回のアップデートで、主な弱点であった高速域のパフォーマンスを改善することに成功。この点を、ハースは警戒しているのだ。
「彼らは高速域で問題を抱えていたんだけど、それを解決したみたいだ。彼らは今回のレースに向け、大規模なアップグレードを用意してきたからね」
そうベアマンはマイアミで語っていた。
「僕らは何も用意しなかったみたいなものだから、厳しい週末になることは予想していた。まさにその通りになったよ」
アルピーヌはこれまで、低速から中速域でのパフォーマンスが強みであった。一方で高速コーナーは弱点……そのため、高速コーナーが少ない中国GPでは好結果を手にしたのだ。
Photo by: Sam Bagnall / Sutton Images via Getty Images
アルピーヌが抱えていた問題、それは高速コーナーでフロントのグリップを維持することにあった。ガスリーは自身のドライビングスタイルを調整することで、高速コーナーでフロントのグリップを確保する方法を掴んだ。しかしガスリーのように豊富な経験を持っていないコラピントにとっては、とても難しい状況であった。
しかしマイアミでは、2台揃ってQ3に進出するなど、アルピーヌのパフォーマンスは急上昇した。しかもコラピントは、Q1からQ3までの全てでガスリーを上回ってみせたのだ。
またアルピーヌのQ1の走行プランは、ハースの油断を誘った。ベアマンは序盤の段階でコラピントに0.3秒、チームメイトのエステバン・オコンも、ガスリーに0.1秒の差をつけていた。ハースは、自分たちのパフォーマンスに自信を持った。
しかしベアマンは新品のソフトタイヤを2セット、オコンに至っては3セット新品を使ったのに対し、アルピーヌはふたり揃って1セットしか新品タイヤを使わなかったのだ。
その結果ハースの快進撃はQ2で止まり、現実へと引き戻された。
「本当のペースが見えてきたと思う」
ベアマンは予選についてそう語った。
「Q1の序盤は良かったけど、実際には他のチームとかなり違う走行プランだった。例えばアルピーヌとの差を少し縮めたと感じていた。しかし彼らは新品タイヤを1セットしか使わず、Q2で本当の速さを見せつけた。僕らは彼らと戦うことができなかった」
Oliver Bearman, Haas F1 Team
Photo by: Alastair Staley / LAT Images via Getty Images
ハースは次戦カナダGPに向けて多数のアップデートを行なう見込みであり、アルピーヌに対してある程度互角な状態を取り戻せる可能性を秘めている。アルピーヌと異なり、ハースVF-26には決定的な弱点はないが、より安定してQ3進出を争う上では全体的にダウンフォースが不足している点が課題だ。現状、余裕を持ってQ3に進出するにはコンマ3〜4秒ほど足りていない。
ハースはマイアミGPの金曜、土曜の暑いコンディションに苦しんだが、日曜の曇りがちな天候によってその弱点はいくらか緩和された。モントリオールでのカナダGPはより涼しいコンディションとなることが予想されるため、ハースにとっては再びアルピーヌにプレッシャーをかけるチャンスとなるだろう。
とはいえ、アルピーヌはシーズンが進むにつれて調子を上げてきており、2025年シーズンを早々に見切った決断も、ますます正しかったように見える。ハースとしては、アルピーヌが中団グループを一歩リードする可能性を警戒するのは当然。今後の開発で、再び優位性を取り戻すことができるだろうか。
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