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危機に直面しているF1。試されるF1オーナー、リバティ・メディアの”リーダー力”

コロナウイルスへの対処など、危機に直面しているF1。オーナーであるリバティ・メディアの、リーダーシップが試されている。

Freight arrives

John Toscano / Motorsport Images

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 F1の興行権を持つフォーミュラワン・グループを買収し、2017年からF1のオーナーとなったリバティ・メディア。数週間前まで、リバティが成功しているかどうかを適切に判断するためには、2021年に予定されているF1のレギュレーション改革を待たなければならない、という考えが大半だった。

 結局のところ、アメリカの大手メディアであるリバティが直面した問題の多くは、ずっと前から解決されていなかったものだからだ。

 トップチームとそれ以外のチームで分配金に大きな差が生じていることや、チームに多くの力を与えたために改革が進まないという統治構造の問題、開催権料や放映権料の高騰など、全てはバーニー・エクレストンがF1を率いていた時代からあった問題なのだ。

 そんな中でも、リバティはいくつか成果を残している。ソーシャルメディアを積極的に活用し、Netflixと組んでF1のドキュメンタリー番組を制作。新たなファン層の獲得に貢献した。また、2020年からはオランダGPがカレンダーに復帰、新たにベトナムGPが開催されることになっている。

 一方、公式ストリーミング・サービス『F1 TV』の普及がつまずいたことで、約束していたようなスポンサーを引きつけることができていない。リバティは自由に身動きができず、適切な手を打ちづらい状況が続いていることもあり、新しいF1オーナーの評価は困難だった。

 2021年はオーバーテイクの改善や予算制限の導入、分配金の制度改革など、大きな改革が予定されており、リバティの仕事を評価する良い機会となるはずだった。

 F1のモータースポーツ・マネージングディレクターのロス・ブラウンは、次のように述べている。

「私はこの新しい時代を、F1の目標とは何なのかを定め、それを育む適切な環境を作るために何が最善かを考える時だと捉えている。それはエキサイティングなことだし、F1を続けていくために必要なアプローチだと思う」

コロナウイルスの脅威、F1はどう乗り越える?

貨物の搬入が進むアルバート・パーク

貨物の搬入が進むアルバート・パーク

Photo by: John Toscano / Motorsport Images

 しかし2020年のシリーズ開幕を前に、新型コロナウイルスの世界的な流行によって生じた危機をどう乗り越えるのか、リバティのリーダーシップが試される事態となっている。

 コロナウイルスは世界中の人々の生活を変えており、F1もその脅威から逃れることはできない。

 ウイルスの脅威がまだあまり理解されていなかった1月の段階で、第3戦中国GPの開催延期が決定されたことを考えると、非常に迅速に判断を下したように見える。しかしそれ以降は、F1が全てのイベントを通常通りに実行したがっている印象を受ける。

 ウイルスの拡散を避けるため、世界中でイベントがキャンセルされているが、F1は開幕戦オーストラリアGPを始め、レースを止めるつもりはないようだ。

 中国GPが中止ではなく延期となったことから分かるように、リバティがイベントの中止を最初に決断することはないだろう。レースのキャンセルをした場合、貴重な開催権料の収入を失うことになるため、沈黙を保ち、サーキット側の決断を待つのだ。

 サーキット側がグランプリ開催と入場料収入が無くなることを望まない場合、妥協の結果として問題が起きないように願いながら、レースが開催されることになる。しかしその願いが叶わなかった場合、大変なことが起こってしまうだろう。

 イタリアがコロナウイルスを封じ込めるため大規模な国内封鎖を決定するなど、各国政府が特別な対応を迫られる中、F1パドックの人々が世界中を移動するため、問題を深刻に捉えていないのではないかという批判を浴びる可能性がある。

 実際、3月後半に第2戦として開催される予定だったバーレーンGPのオーガナイザーが、無観客でレースを実施することを発表した際、次のように声明を発表している。

「コロナウイルスが世界中に広がり続けていることを考えると、大規模スポーツイベントが開催され、数千人の国際旅行者と地元のファンが濃厚接触することは、現段階で正しいことではない」

 しかし3月13日から走行が開始される予定の開幕戦オーストラリアGPは、通常通り開催する予定であり、第4戦ベトナムGPも開催に向けて準備を進めているようだ。

 これまで、F1はこの問題に対して「可能な限りの科学的予防措置を講じている」との声明を出している。しかしグランプリ週末のパドックで、コロナウイルスの感染が発見されることがあれば、パニックに陥る可能性がある。

 コロナウイルスの厄介なところは、感染してもしばらく経つまで症状が現れないということだ。パドックで感染が明らかとなるまでに、ウイルスの感染が拡大している可能性もある。

 実際、すでにメルボルン入りしたチームスタッフ計3名が発熱症状に見舞われ、隔離措置を受けているという。その影響でドライバー握手会は中止となるものの、オーストラリアGPの開催自体がどうなるのかは、依然として不明なままである。

 また、観戦に訪れたファンやパドックで働いていた人々が母国にウイルスを持ち帰り、被害が拡大してしまった場合、F1のイメージは大きなダメージを受けることになる。

 各レース開催の最終決定は、各国政府の入国制限によって左右される可能性もある。検疫を完了しない限り入国を制限したり、特定の国籍を持つ人の入国を禁止しているケースがあるのだ。

 MotoGPの開幕戦カタールGPの最高峰クラスのレースが中止となったのも、カタールがイタリアからの入国を制限したからだ。F1がヨーロッパ・ラウンドに突入した際、より大きな問題となる可能性がある。

 こうした問題の影響で、フォーミュラワン・グループの株価は過去2週間でほぼ3分の1低下し、リバティが買収した時よりも低い水準となっている。

 レースが中止されれば、数億ドルにも及ぶ損失が発生する可能性がある。投資家にとっても、収入が大きく減るチームにとっても好ましくない事態となる。

FIAとチーム間の対立も、リバティの頭痛の種に

フェラーリの2019年PUの合法性が議論に

フェラーリの2019年PUの合法性が議論に

Photo by: Giorgio Piola

 リバティが対処しなければならない問題はコロナだけではない。チーム間の政治的対立がここ数年で最も厳しくなると考えられ、リバティはその舵取りをしなければならない。

 2019年のフェラーリ製パワーユニット(PU)の合法性に関してFIAとフェラーリが和解したことに対し、フェラーリPUを使わない7チームはこれに不信感を抱き、連名でFIAに和解の内容を開示するよう求めた。

 さらに、チームはFIAへ決定とその影響について共同で質問書を送ったようだ。

 回答の締め切りはオーストラリアGPの前であり、少なくとも完全な透明性が得られなければ、チームの怒りが鎮まる可能性は低いだろう。

 開示請求をした7チームは、この問題に対して法的措置を取ることも検討していると明かしている。コンストラクターズランキング、そしてその成績に応じて受け取ることができる分配金に悪影響を及ぼしていた可能性があるからだ。

 現時点ではFIAとフェラーリ、その他のチーム間での対立となっている。しかし過去には、エクレストンがそのような問題に積極的に関わり、双方ともに納得できるような結末を導き出していた。F1のオーナーとしてリバティも、リーダーシップを発揮する必要があるだろう。

 
 

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