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来季布陣が注目されるハースは誰を選ぶのか? 最優先事項は“実力”「国籍を理由に、遅い方のドライバーを起用することはない」と小松代表

ハースの来季ドライバーラインアップに関する憶測が飛び交う中、小松礼雄代表はパフォーマンスこそが人選における最優先事項であり、国籍や政治を一番の判断材料にすることはないと語る。

Filip Cleeren

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公開日時: 2026/07/24 10:03

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Esteban Ocon, Haas

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 ハースは、フェラーリとトヨタというふたつの自動車メーカーと強い結び付きを持つF1チームだ。しかしチームを率いる小松礼雄代表は、2027年に誰を走らせるかは国籍や政治的な影響力ではなく、あくまでパフォーマンスを基に決めると語る。

 ハースは現在、オリバー・ベアマンとエステバン・オコンを起用している。ベアマンはフェラーリからレンタルしている格好だが、フェラーリはシャルル・ルクレールとルイス・ハミルトンが共に来季の契約を有していることから、ベアマンは引き続きハースに残留する見込みだ。彼が長期的にフェラーリドライバーとして残るかどうかは、来年以降に決まるだろう。

 一方でオコンの立場はかなり不安定だ。彼は今季ここまで多くのレースでマシンの不安定さに悩まされていると主張しており、リザルト面でもベアマンに対して後れをとっている。

 そんな中、オコンが離脱となった場合の後任にはいくつかの名前が報じられているが、ここ数週間では昨年のFIA F2王者でマクラーレン育成のレオナルド・フォルナローリと、フェラーリ育成のラファエル・カマラが有力候補として浮上している。

 その中で、ハースはフェラーリ製パワーユニットを使うカスタマーチームであるという立場から、カマラの方が有力であると見る向きもある。カマラは昨年のF3王者で今季もF2でタイトル争いを繰り広げており、実績は申し分ない。

 ただ小松代表はベルギーで、最も重量視されるのはチームとの関係性ではなく、実力だと強調した。

「我々が求めているのは、チームに最大限の結果をもたらしてくれるドライバーです。他のどんな要素よりも、それが重要です」

 小松代表はそう語る。

写真: Guido De Bortoli / LAT Images via Getty Images

「私たちが純粋に考慮するのは、『チームにとって最高のドライバーは誰か』ということです」

 この考え方は、ハースと技術提携するトヨタに対しても当てはまる。ハースはトヨタのエンジニア、メカニック、ドライバーにF1の舞台で経験を積む機会を提供する一方で、トヨタからリソース面での恩恵を受けており、初の自社製シミュレータ導入や旧車テスト実施の機会に恵まれた。このテストではトヨタのWECドライバーである平川亮だけでなく、フォルナローリも旧型マシンをドライブ。カマラも今夏中にテスト走行を行なう予定だ。

 32歳の平川は、これまでテストやFP1を通してF1マシンのドライブ機会を数多く提供されてきたが、小松代表はフェラーリ同様にトヨタのドライバーに対しても実力が最優先であると語る。これは、小松代表とトヨタ会長の豊田章男氏双方が明確に共有している方針でもある。

「私は初日から、章男さんにはそのことを明確に伝えていました。誤解を生みたくなかったからです」

「もし国籍だけを理由にドライバーを起用すれば、その判断をした全員、そしてそのドライバー自身の価値まで損なうことになります。たとえそのドライバーに実力があったとしても、『トヨタのドライバーだから』『お金を持ち込んだから』という見られ方をしてしまう。それはトヨタにも、章男さんにも、ハースにも、そしてドライバー本人にも何の利益にもなりません」

「だから我々は最初から、『ドライバーは100%実力で選ぶ』とはっきり伝えています」

「もちろん、実力が完全に互角なら、持ち込める予算や、その国での注目度向上といった付加価値は判断材料になります。ただ最も重要なのは実力です。日本人だから、イタリア人だからなどという理由で、遅い方のドライバーを起用することはありません。そんなことは全く気にしていません」

 パフォーマンスという観点では、カマラがジュニアカテゴリーで見せつけている才能は印象的だ。特にF3では10戦中5回、F2でもここまで8戦中4回の予選ポールポジションを獲得するなど、天性のスピードは一級品。フェラーリとしても、完成度にはまだ改善の余地があると考えている一方で、その速さを高く評価している。

 Autosportが入手した情報によると、フェラーリは長年アカデミーで育成してきたカマラを来季F1へ昇格させることを現実的な選択肢として検討している。ただ、その前に1年間フルタイムのリザーブドライバーとして経験を積ませた方が成長につながるのではないかとも考えているようだ。

写真: James Sutton / Formula 1 / Formula Motorsport Ltd via Getty Images

 一方、フォルナローリもカマラと同年代だが、既にF3とF2でタイトルを手にしており、育成段階では一歩先を進んでいる。ハースにとっては短期的にはより安全な選択肢となる可能性がある。ハースがフォルナローリ獲得に動いた場合、マクラーレンは移籍を妨げるつもりはないとされる。

 ただし、以前マクラーレン育成だったガブリエル・ボルトレトがザウバーからF1デビューを果たしたケースとは状況が異なる。この時ボルトレトはザウバー(アウディ)に完全放出されたが、今回マクラーレンはフォルナローリを引き続き保有したい意向だ。

 マクラーレンにとっては難しい立場でもある。現在はランド・ノリスとオスカー・ピアストリという強力なラインアップを組んでおり、若手を育てるにはライバルチームに預けるくらいしか選択肢がない一方、将来レギュラー陣に何かあった場合の備えもしておかないといけない。そのため彼らは、WECのハイパーカープロジェクトも受け皿として活用しつつ、若手ドライバーを契約で囲っておくことで、柔軟性を確保しようとしている。

 フォルナローリを何度も走らせてきたマクラーレンは、彼を将来のF1ドライバーとして高く評価している。チーム代表のアンドレア・ステラはこう語る。

「レオナルドは間違いなく将来のF1にとって価値ある存在だ」

「我々は彼にレースをしてほしいと思っているし、もちろん将来的にマクラーレン・レーシングで走る可能性もある。しかし同時に、レオナルドと協力しながら、F1でのさまざまな可能性を探っていくつもりだ」

 ハースがオコンを残留させるにせよ、新たなドライバーを起用するにせよ、現時点では結論を急いでいる様子はない。F1全体のドライバー市場がまだ動き出していないからだ。

 残留が濃厚とされているとはいえ、マックス・フェルスタッペンがレッドブル残留を正式に表明するまでは、他のチームとしても動きようがないという側面もある。ハースとしても、他チームから実績あるベテランドライバーが思わぬ形で市場に出てくる可能性を、まだ完全には把握しきれていないのだ。

 今後の展開から目が離せない。

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