「3位だ!!」モナコでガッツポーズ連発のガスリー、ペナルティを知らずにぬか喜び……ではなかった。怒りと皮肉で拳を突き上げる
モナコGPでペナルティにより3位から7位に転落したピエール・ガスリーは、チェッカー直後に拳を振り上げていたが、自身が表彰台を失うことは分かった上でのアクションだったという。
F1モナコGPで3番手チェッカーを受けるも、ペナルティにより7位に終わったピエール・ガスリー(アルピーヌ)。クールダウンラップでガッツポーズをしているように見える車載映像が話題を呼んだが、その真相について本人が語った。
ガスリーは9番手スタートから荒れたレースを生き残り、アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)とルイス・ハミルトン(フェラーリ)に次ぐ3番手でチェッカーフラッグを受けた。しかしガスリーは60km/hに設定されているピットレーンの制限速度を2度超過したとして、10秒のタイムペナルティを受け、7位に落ちた。
ガスリーがオーバーした速度は、それぞれわずか0.1km/hと0.4km/h。他にも多数のドライバーが速度違反を取られており、ピットレーン通過中の平均速度を割り出す計測システムの都合上、白線をわずかにインカットしたことで計測値が上振れしたのではないかと言われている。
レース後のインタビューで「心が折れた」と語るガスリーは、自分は何も間違ったことはしていないと強く主張。次のように語った。
「今、これ以上に辛いことはないと思う」
「この瞬間のために10年間ずっと死に物狂いでやってきたんだ。今日、集まったファンの前で表彰台に立つために、僕たちはすべてを完璧にこなした」
「こういう瞬間は、不当な理由で奪われていいものじゃない。今起きていることは間違っているし、正しい判断が下されることを願っている」
そんなガスリーの、チェッカーを受けた直後の振る舞いがSNS上で拡散された。フィニッシュラインを越えた彼は「3位だ!」と叫び、まるでウイニングランのように高らかに右拳を突き上げながらコースを1周した。その様子から、アルピーヌがガスリーにペナルティを伝えていなかったのではないかという憶測が広がった。
ただ、ガスリーは実際にはレース終盤の赤旗中断時にペナルティのことを知らされていた。裁定に憤慨したガスリーが、タオルを投げつける場面も中継映像で映し出されている。またクールダウンラップを終えたガスリーが、トップ3のドライバーがマシンを停めるホームストレートに行かず、ピットレーンに戻ったことからも、彼が自身の状況を把握していたことが見て取れる。
66周目、赤旗が出されて各車がピットへ戻る中、ガスリーのレースエンジニアであるジョシュ・ペケットは無線で「またスピード違反をとられた。ピットレーンを通る時は、最初から最後まで速度をしっかり下げてくれ。何が起きているか分からないけど、僕たちだけじゃなくて他の連中もたくさん引っかかっている」と伝えている。
「赤旗中断になった時から状況は分かっていた。だからペナルティが適用されることは承知の上で、少しでも上の順位で終えられるようにできる限りプッシュしていた」
そう語るガスリー。つまり、ガッツポーズに見えた振る舞いには、自身が「不当」と感じる裁定への怒りと皮肉が入り混じっていたのだ。彼にとってモナコでの表彰台は、生涯の夢なのだ。
なお、アルピーヌはこの件についてFIAに再審査を請求した。これを受けてFIAは11日(木)に聴聞会を行なうことを決定。アルピーヌはここで新たな証拠を提出する必要がある。
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