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イエロー区間でDRSを使用……サインツJr.はなぜ表彰台を剥奪されなかったのか?

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イエロー区間でDRSを使用……サインツJr.はなぜ表彰台を剥奪されなかったのか?
執筆:
2019/11/20 22:54

F1レースディレクターのマイケル・マシは、3位表彰台を獲得したカルロス・サインツJr.(マクラーレン)を含む数人が、イエローフラッグが振られている中DRSを開いたと疑われたにも関わらず、ペナルティを科されなかった理由を説明した。

 マクラーレンのカルロス・サインツJr.は、F1ブラジルGPで4番手チェッカーを受けた。しかしその後、3番手でフィニッシュしていたメルセデスのルイス・ハミルトンにタイム加算ペナルティが科されたことで、サインツJr.は3位に昇格。F1での自身初の表彰台を獲得した。

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 しかしサインツJr.にも降格の危機があった。レース後にスチュワードは、”イエローフラッグの振動”が示されている区間でDRSを使ったとして、複数のドライバーに対して調査をするかどうかを検討していた。サインツJr.もその対象とされたひとりだったのだ。

 最終的に正式な調査は行なわれず、サインツJr.にペナルティが科されることもなく、3位表彰台が確定した。

 イエローフラッグの振動時の規則については、以下のように規定されている。

「速度を大幅に落とし、追い越しをしないこと。進路変更する、あるいは停止する準備をせよ。トラックが全面的または部分的に塞がれているような危険箇所がある、および/あるいはマーシャルがトラック上あるいは脇で作業中である。フリー走行および予選中は、ドライバーが有意義なラップタイムを達成しようとしていないことが明らかでなければならない。これは、ドライバーが当該ラップを放棄するべきであることを意味する(次のラップで走路が十分片付いている場合がありうるので、ピットへ入らなければならないことを意味するものではない)」(FIA国際モータースポーツ競技規則/JAF和訳から抜粋)

 イエローフラッグの振動が表示されている区間でDRSを開くことについては、アメリカGPの際にも議論の対象になった。ブレーキトラブルによりケビン・マグヌッセンがコース外にマシンを止めた際、トロロッソ・ホンダのダニール・クビアトは、DRSを開いてセルジオ・ペレス(レーシングポイント)に接近。その後、両者は接触することになった。

 クビアトはペレスに接触したことについてペナルティを科せられた。しかしこれは、DRSを開いていたために科されたペナルティではかった。

 この件については、ブラジルGPのドライバーズ・ブリーフィングの際にも議題となった。そしてイエローフラッグが振られている場所でDRSを使い、そして十分に減速しなかった場合には、ペナルティを科される可能性があるとされた。

 とはいえ、現在のスポーティングレギュレーションには、イエローフラッグの際のDRSの使用可否について、具体的な言及はされていない。

 ブラジルGPの際、サインツJr.はバルテリ・ボッタス(メルセデス)がマシンを止め、イエローフラッグが提示されたタイミングでDRSを開いたという。その当時、サインツJr.はアルファロメオのキミ・ライコネンに追われていた。そしてライコネンは、サインツJr.がDRSを使ったことをチームに報告。同チームのマネージャーであるビート・ツェンダーは、この件についてスチュワードに報告を上げた。

 レース後、スチュワードはサインツJr.のデータをチェック。さらにDRSを開いた可能性があったり、十分に減速していなかった可能性のある7人のドライバーについても調べることになった。しかしスチュワードは、当該となったドライバーは全員、実際に減速するという要件を満たしていたと認めた。

「それは全部で8人で、全てがそのエリアでのことだったと思う」

 F1レースディレクターのマイケル・マシは、motorsport.comにそう説明した。

「我々はそれを見た。そしてダブルイエローフラッグの振動が表示されている時の優先事項は、減速することだった。それを調べたところ、全員がそれに従っていたことが分かった。8人のうち2人か3人が比較的短時間にわたってDRSを作動させたが、それは条件反射のような動きなのだと思う」

「スチュワードはそれを見て、調査は必要ないと判断したんだ。そしてダブルイエロー時に減速するという優先事項は、完全に守られていた」

 マシはドライバーズブリーフィングで、ドライバーたちに対して事前の警告があったことを認める。

「金曜日に行なわれた議論は、イエローフラッグ2本の振動が示されている時には、DRSを使用しないようにということだった。しかし優先するのは、基本的な要件に従うということだった。DRSを開くということは、減速するという本来の哲学に反する」

 スポーティングレギュレーションを見直し、DRSの使用を制限する文言を取り入れることについてお、すでに議論が行われているという。

「それについては既に議論をスタートさせている。総合的にどう構成すればいいかということについてね。ただ、もっと洗練させていく必要がある」

「予選では可能だが、決勝レースでは難しいというようなこともある。全ての状況に合わせて、ルールを作り上げることはできない。それが、我々がスチュワードのシステムを持っている理由であり、彼らをスローダウンさせることが優先になっている理由だ」

 現状のFIAのシステムでは、セーフティカーが出動した時など、コース全域で各マシンのDRSを作動させないようにすることはできる。しかしその一方で、イエローフラッグが振られているひとつのDRSゾーンのみ、DRSを作動させないようにするのは、不可能だという。

「ひとつのDRSゾーンだけで、DRSを作動しないようにすることはできない。我々にできるのは、コース全域で機能を停止させるかどうかだけだ。もし簡単にできるのであれば、すでにやっていただろう」

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執筆者 Adam Cooper