開幕から苦戦していたウイリアムズ、アップデートが第10戦まで遅れた理由を語る
ウイリアムズはF1イギリスGPでFW44に大幅なアップデートを行なったが、チームは実質的に開幕時のデザインを白紙にしたことを認めた。
Alex Albon, Williams FW44
Mark Sutton / Motorsport Images
F1イギリスGPで、サイドポンツーンをはじめとする大規模なアップデートを行なったウイリアムズ。このアップデートはアレクサンダー・アルボンのマシンのみ行なわれたが、アルボンがスタート直後のクラッシュでリタイアしたため、そのポテンシャルを十分に測ることはできなかった。
そんな今回のアップデートは、チームとしては開幕時のデザインコンセプトを白紙状態にしたものだという。テクニカルディレクターのフランソワ-ザビエル・デメゾンは次のように語っている。
「これは新車と呼べるようなものだ。なぜなら、引き継いだパーツは変更したパーツよりも少ないからだ」
デメゾンが言うように、変更の箇所はウイング、フロア、サイドポンツーン、エンジンカバー、サスペンション、ディフューザーなど多岐に渡っており、これが後半戦に向けて強力な基盤となることが期待されている。
前述の通り今回のアップグレードの成果は十分に確かめることができていないが、フリー走行や予選を通して何度か有望なパフォーマンスが見られ、チームの士気も高まったようだ。
ウイリアムズの新しいサイドポンツーンの形状はレッドブルのコンセプトにも似ているが、彼らが単にレッドブルをコピーしたと考えるのは間違いだろう。
むしろ今回のアップグレードは、ウイリアムズが開幕時のオリジナルコンセプトはベストなパフォーマンスを発揮するものではないと判断した後、数ヵ月に及ぶ作業を行なった結果だと言える。新たな道を切り開くためには、ライバルのパフォーマンスを慎重に見定め、変更を加えることでどんな影響があるかを理解する時間が必要だったのだ。
このタイミングで新車同然のマシンを投入した理由について、デメゾンは次のように語った。
「複雑ではあった」
「(オリジナルの)コンセプトは車高が低い状態でダウンフォースを生み出すことが大半であった。そして皆がグラウンドエフェクトについて議論していく中で『いや、これは正しい方向性ではない』という話になったんだ」
「車高を低くしてリヤに剛性をつけたら複雑になりすぎた。プランクを付けたらドライバーから文句が出た。だから別の方向性にしようと思ったんだ」
「我々は多くの車両が別の方向性に向かっていくのを見ていた」
「我々は他の人たちが何をしているかに目を向けないほど愚かではない」
「この(アップデートの)ために、準備する時間が必要だった。理解せずにコピーをすることはしたくなかったからね。だから10戦目にして初めて持ち込むことができたのだ。まずはコンセプトを理解したかった」
ただ今回のアップデート版はアルボンのクラッシュによって多くの部品が酷く損傷してしまった。このためマシンの開発にさらなる遅れが生じる可能性もあり、理想的な蹴り出しとは言えないが、デメゾンは今回から新しい旅が始まったと語る。
「これで全てが終わった訳ではない」
「既にテスト済の新たなソリューションもあるし、今回のコンセプトは引き継がれていく。これまでのコンセプトは行き詰まっていたが、今回は様々な選択肢がある」
「車高を高くして、よりソフトなマシンを走らせるという選択肢もある。低速コーナーのダウンフォースやメカニカルグリップの不足が少なくなるんだ。そしてそれらは全てラップタイムに反映されていくだろう」
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