F1 マイアミGP
F1チームで働くことを目指すなら……ウイリアムズの若手キャリア育成プログラムが年々拡大中! 参加する”若い才能”に話を訊く
ウイリアムズは、若い才能にチャンスを与えるべく、初期キャリアプログラムを実施している。そのプログラムに参加する人たちに、話を聞いた。
編集: 2025/05/08 8:04
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Williams Early Careers programme
写真:: Jo Kingman, SNS Digital UK
ウイリアムズのチーム代表であるジェームス・ボウルズとしばらく話をすれば、やがて必ず、将来有望な若者たちを育て、ウイリアムズそしてF1という舞台でその才能を発揮させることへの情熱について語る瞬間が訪れるだろう。
ウイリアムズは初期キャリアプログラムを通じ、その使命を果たし続けている。
近年はマシンのパフォーマンス向上やアトラシアンとのチーム史上最大のスポンサー契約を実現したことで、ウイリアムズは商業的にも結果を残している。彼らはこの現在の進展を礎に、未来を切り拓く若き才能の確保に取り組んでいる。
その一環としてチームは、初期キャリアをサポートするプログラムを、多数用意している。コマツ-ウイリアムズ・エンジニアリング・アカデミー、見習い制度、大学卒業者向けプログラム、学校訪問プログラム(年間1万人の子どもたちをウイリアムズの本拠地であるグローブのファクトリーに招待し、STEM分野の職業を紹介)などだ。
motorspsort.comはこの取り組みに参加している3人の若手メンバーに取材。どのようにしてこのプログラムに参加し、チーム内でどんな役割を果たしているのかを語ってもらった。
■アリーヤ・アスクロフト: メカニカル系新卒・デザインエンジニア
Williams Early Careers programme
Photo by: Williams
ウイリアムズででメカニカル・デザインエンジニアとして働くアリーヤは、以前はインターンシップでフロント・オブ・ビークルチームで働き、FW45の設計・サポートを担当。その後大学を卒業し、正式にウリアムズに入社した。
彼女はグラスゴー大学で機械工学の学士号を取得し、同大学のフォーミュラ・スチューデントのチームである「UGRacing」では、内燃パワートレイン部門の責任者を務め、優勝に導いた。
Q:ウイリアムズ入社前の学歴は?
「私は今はグラジュエートプログラム(新卒者プログラム)に参加していますが、最初は2年前にインターンとしてウイリアムズで働き始めました。今はサスペンション、ステアリング、ブレーキ部門で働いています」
「高校では地理、数学、物理を学び、さらに数学のASレベルも取りました。グラスゴー大学では機械工学を学びました」
「正直、自分がウイリアムズに入れるとは思っていなかったので”ダメ元”で応募しました。ちょうどF1に興味を持ち始めた頃で、その創造性の高さに惹かれたのがきっかけでした。大学の授業は、理論中心になりがちですけど、インターンシップは実践的な経験を積むのにとても優れていると思います」
Q:若手を積極的に採用する姿勢は、チームの成功につながると思いますか?
「絶対にそうだと思います。ウイリアムズは元インターンや新卒者採用の社員が本当に多いんです。だから、皆が自分をサポートしてくれるし、”その道を通ってきた”人ばかりです」
「私のチームにも元インターンの人がたくさんいます。それも素晴らしいことです。その全員がチームで確固たる地位を築いており、ウイリアムズでの働き方やトレーニングの方法にも精通しています」
「例えば大学で航空宇宙分野を学んできた人と私とでは、アプローチが全く異なるかもしれないです。それは私がF1の環境であらゆることを学んできたからです。いわばF1流のトレーニングを受けることで、非常に優れた能力を身につけることができると思います」
Williams Early Careers programme
Photo by: Jo Kingman, SNS Digital UK
Q:ウイリアムズでの“夢のような瞬間”は?
「自分が設計した部品が実際にマシンに搭載されたのを見た時ですね。『ああ、これが私の仕事なんだ』と実感しました」
「初めて大きな会議に出てポジティブなフィードバックを受けた時も、『あれは私がやったんだ』とか『すごいことだよね』というのを後から感じることがありました」
「研修中に、初めて大きなプロジェクトを担当させてもらいました。それはデザインから製造、完成まで、そのすべてに携わるというものでした」
「場合によっては、自分たちの仕事がインスタグラムに投稿されることがあります。不思議な感覚ですけど、とても嬉しいです。そしてボウルズ代表から、レースの様子などをメールで受け取ることもあります。こういう活動に携わることができ、実際にサーキットと繋がりを持てるのは、本当に素晴らしい経験です」
■フルール・フェルムーレン:エアロダイナミクス部門のインターン生
Williams Early Careers programme
Photo by: Jo Kingman, SNS Digital UK
23歳のフルールは、ウイリアムズで実習生として働く空力エンジニアだ。彼女はオランダのデルフト工科大学で航空宇宙工学の学士号を取得し、2026年までに空力工学の修士号を取得する予定だ。
2022年にはデルフト大学のフォーミュラ・スチューデントのチームで空力設計を担当し、仲間の学生と共にレースカーを設計・製作。レースにも出場した。彼女は非常に熱心に仕事に挑んでおり、モータースポーツ業界に革新をもたらすことに情熱を注いでいる。
Q:ウイリアムズのプログラムに応募した理由は?
「大学の合間にこのプログラムに参加しているので、学位を取得する前に多くの経験を積むことができます。実際に素晴らしいプログラムで、大学にいるだけでは得られない、多くのことを学べます。ウイリアムズは、若手スタッフの育成を重視していて”家族のような雰囲気”があることもとても印象的でした」
「このキャリア育成プログラムでは、あわゆるモノ、あらゆるパーツを見ることができます。自分が何をしているかだけではなく、ファクトリーで何が起きているのかとか、あらゆるパーツも見ることができます。これは本当に重要です」
Q:自分がF1チームで働いているという実感はありますか?
「『わあ、本当にウイリアムズにいるんだ』と実感するまでには、数ヵ月がかかりました。8ヵ月が経った今でもワクワクしています。彼らは本当に責任感を持って、マシンを修復したり、改良したりするように促してくれます」
「歩き回って、他の人たちの仕事ぶりを観察するだけなのかと思っていました。でも最初から『これはあなたの担当です。どう改善できるかやってみて』と大きな責任を任されたことに驚きました」
Williams Early Careers programme
Photo by: Jo Kingman, SNS Digital UK
Q:ボウルズ代表が若手の支援に熱心であることについては?
「彼の情熱は本物です。他のチーム代表よりも早く、若手育成について語っていました。ウイリアムズはキャリアの浅い人材を重視していて、もっと多くの人を必要としていました。それで、ここは私にピッタリだと思いました」
「ここにいる間、彼らは常に相談相手になってくれますし、他の部門との様々な会議も企画してくれます。つまり、他の人たちが何をしているのかを、常に知ることができるんです。本当に素晴らしいことです」
「ボウルズ代表がこのプログラムを推進してくれているのは、素晴らしいことです。彼はこれが未来だと思っているんです」
「このプログラムに興味を持ってもらい、実際にどれほど素晴らしいモノなのかを知ってもらう、良い出発点です。そして私たちがここに留まり、さらに活動していく可能性も高いのは、素晴らしいです」
「チーム内でも彼はよく私たちに話しかけてくれたり、スピーチしてくれたりします。単なるお飾りではなく、本気で私たちを育てようとしています」
■リース・ゲリング:エレクトロニクス部門見習い
Williams Early Careers programme
Photo by: Jo Kingman, SNS Digital UK
リースはウイリアムズのエレクトロニクス技術者見習いで、高度な電子システムの配線、試験、キャリブレーションなどを担当している。テクノロジーへの強い関心とモータースポーツへの情熱を持つリースは、ウイリアムズでの仕事と並行して、学業に必要な技術力と精度を磨くことに尽力している。
彼はサイレンセスター・カレッジに通い、スポーツと身体活動発達に関する学位を取得。またスクリューフィックス社で働くことで、工具やエンジニアリング機器に関する深い知識を取得した。
Q:ウイリアムズ入社時の目標は?
「当時から今に至るまで、私の抱負や野心はあまり変わっていないと思います。F1はずっと私にとっての情熱であり、目標は自分がF1にふさわしい存在であることを証明することでした。努力を重ね、世界最高のエンジニアのひとりにふさわしい存在であることを証明したいんです」
「スポーツは私がずっと熱中してきたことでした。大学時代はスポーツ一色でした。でも、本当に情熱を注げる何かをやりたいと気付いたんです。そしてF1に情熱を持っていたので、挑戦してみようと思いました」
Q:似たような道を歩んできた人が多いことは安心感につながりましたか?
「とても感じました。この業界はどこに行っても、初期のキャリアに重点が置かれています。例えば、私は各部署がどのようなモノなのかを理解しようと努めてきました。どの部署にも必ず何人かの見習いや新卒生がいて、彼らが常に動き回っているんです」
「そういう姿を見るのはいいことですし、周りがしっかりとサポートしてくれ、的確なアドバイスもくれるので、自信にも繋がります」
「本当に良いネットワークがあります。大学の勉強やここでの仕事についても、研修担当のスタッフや研修生の誰にでも相談できるんです」
Williams Early Careers programme
Photo by: Jo Kingman, SNS Digital UK
Q:将来の目標は明確にありますか?
「どこに行きつくかはまだ分かりませんが、努力して上を目指すつもりです」
「実は父が2000年代初頭にウイリアムズのテストチームにいたので、昔から親しみはありました。今はそれがもっと強くなっています」
Q:これから入ってくる人たちへのアドバイスは?
「この機会を本当に大切にするべきだと思います。 スキルとやる気があってこそ入れる場所ですが、入ったら、それを最大限に活用するべきです」
「周りからあらゆることを学ぶべきです。ここには、あらゆる部門に豊富な知識が溢れているのです」
Williams Early Careers programme
Photo by: Jo Kingman, SNS Digital UK
ウイリアムズは、今後も若手育成プログラムに取り組んでいくという。2026年の募集は、今年の後半にもスタートされる予定。ウイリアムズの新しいキャリアウェブサイトでは、事前登録することも可能だという。
https://careers.williamsf1.com/early-careers
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