
ウイリアムズは、チームが復活を遂げる為にはマシンを再構築するといった抜本的な改革が必要だと考えている。
ウイリアムズはここ2シーズン、グリッドの最後方が定位置となってしまっている。チーム副代表のクレア・ウイリアムズ曰く、チームは業務内容の見直しを行い、いくつかの分野で基本に立ち返ったようだ。
今季はマシン開発に遅れが生じるなど、バタついたシーズンのスタートとなったウイリアムズだったが、ドイツGPでアップデートを実施。翌戦ハンガリーGPではジョージ・ラッセルが予選Q2進出にあと一歩まで迫るなど、今季最高のパフォーマンスを見せた。
ウイリアムズの車両部門のチーフエンジニア、アダム・カーターは、次のように語った。
「最大の挑戦だと言えるのは、マシン(開発)を一旦ストップして再構成してしまうことだ」
「この業界では状況が刻々と変化しており、我々は激しい競争の中に身を置いている。そんな中で、再構築をすることで再び大きなポテンシャルとチャンスを得る、といったような決断をしなければならない」
「その決断は、私にとってもかなり大変なものだ」
短期的なパフォーマンスの向上と引き換えに、将来のシーズンに向けての準備を進めるというウイリアムズの決断は、ラッセルが以前motorsport.comに語った“3歩進んで2歩下がる”という言葉にも表れている。特にラッセルがハンガリーの予選で見せたパフォーマンスは、チームが進歩を始める最初の兆候かもしれない。
ウイリアムズのレースエンジニアであるデイブ・ロブソンは、次のように語った。
「ハンガリーGPでは着実な進歩に向けての大きな一歩を踏み出した。これはファクトリーとここ(サーキット)で非常に多くの仕事をした証拠だ」
「ただ、全てが完全に証明されたとは言えない」
「スパとそれ以降のレースで何が起こるのかを見届ける必要があるが、進歩はしていると思う」
ウイリアムズは2017年のアゼルバイジャンGP以降表彰台に立つことができていない。また昨年はコンストラクターズランキング最下位に終わり、今季も12レースを終えた段階で最下位に甘んじている。しかしながらカーターは、今後の進歩の為にチームが積み上げてきたものに励まされているという。
「デイブが言ったように、我々はまだ旅の途中であり、我々の目指す場所に到達するまでにはするべきことがたくさんある」
「それは全ての分野で言えると思う。デザインして、開発して、またデザインして、開発して……そうすることで、方向性を決める為の自信が形作られるんだ」
「我々が歩んできた道のりの長さは関係ない。いくつかの疑問を解決すると、また違う疑問が出てくるんだ」
「方向性を決めた後も常にその進捗を評価して、必要があれば環境の変化に合わせてそれを変えていかなければいけない」
Read Also:
この記事について
シリーズ | F1 |
チーム | ウイリアムズ |
執筆者 | Scott Mitchell |