F1 イタリアGP

ウイリアムズ代表、急きょデビューの新人コラピントを称賛「人間が受け取れる以上の情報を彼に詰め込んだが、慌てなかった」

ウイリアムズのジェームス・ボウルズ代表は、イタリアGPでF1デビューしたフランコ・コラピントのパフォーマンスを称賛した。

Franco Colapinto, Williams Racing

Franco Colapinto, Williams Racing

写真:: Williams

 ウイリアムズのチーム代表であるジェームス・ボウルズは、イタリアGPでF1デビューを果たしたフランコ・コラピントに感銘を受けたと語った。

 ウイリアムズのアカデミードライバーであるコラピントは、オランダGPとイタリアGPの連戦の合間に更迭されたローガン・サージャントの後任を務めることになった。

 2024年シーズン後半9レースのシートを手にしたアルゼンチン出身の21歳コラピントにとっては、そのシートをフェラーリから来季チームに加入するカルロス・サインツJr.に譲るまで、自分の実力を証明し今後のキャリアに向けたプラス材料にしたいところだ。

 ただ、デビュー戦のイタリアGPでその試みは成功に終わったと言っていいだろう。コラピントは予選でミスを犯し18番グリッドに沈んだものの、決勝ではチームメイトのアレクサンダー・アルボンのペースに迫る走りを見せ、12位でフィニッシュしたのだ。

「アレックスから数秒以内の差でフィニッシュできたことは、素晴らしい結果だ。その差も、予選でポジションを落としてしまったことが原因で第1スティントに生じたモノだ」

 そうボウルズ代表は、コラピントのデビュー戦を評価した。

「彼は必要なことをすべて正しくやってのけた。スタートでポジションを落とすことなく、ピットストップでもいい仕事をしたんだ」

「予選でミスをするまでは、アレックスとコンマ1秒差まで迫っていた。あれがなければ、初出場でポイント争いに加わっていただろう。だから私は、彼がやってのけたこと、そしてそれをどのように積み上げてきたかにとてもとても満足している」

Franco Colapinto, Williams FW46

Franco Colapinto, Williams FW46

Photo by: Andy Hone / Motorsport Images

 コラピントが冷静沈着な態度で大きな試練に立ち向かったことに、ボウルズ代表は満足しているという。

「彼がマシンに乗っている理由のひとつは、巨大なプレッシャーに対処する能力にある」

「速さという面では天性の能力が必要だが、彼は慌てないんだ。我々は、人間が受け止められる以上の情報を彼に詰め込んだ。今彼に聞けば、それは間違いなく情報が多すぎたと言うだろう」

「しかしそれによって、彼は『これが僕のやり方で、これが僕の最高のパフォーマンスなんだ』という状態になっていた。それが、彼がクルマに乗っている理由のひとつなんだ」

 ボウルズ代表は経験不足がコラピントにとって不利な要素であることを認めつつも、シミュレータでの走行を積み重ねてきたこと、イギリスGPのFP1で見せた成熟した走りから、コラピントを信頼するのに十分だと感じたという。

「彼はみんなが思っているより速い。それはみんなが自分の目で確かめる必要がある。シミュレータで彼がやってきたこと、そして彼がシミュレータでやっていることがベースになっている。それは必ずしも(実際のパフォーマンスと)関連するわけではないが、それを示唆する十分な証拠があった」

「私は(若者に)投資することを信じている。私もかつて卒業生で、誰かが私に投資してくれたんだ。そして、適切な才能を持つ適切な個人に投資すれば、彼らから得られるものに驚くことになるだろう」

Franco Colapinto, Williams Racing

Franco Colapinto, Williams Racing

Photo by: Williams

 コラピントにポイント獲得を期待するのは現実的かと尋ねられ、ボウルズ代表は次のように答えている。

「バクー、シンガポール、そして残りのすべてのサーキットで彼がどのようなパフォーマンスを見せるのか、勇気づけられる理由は十分にある。予選がうまくいっていれば、彼はポイントを獲得できたかもしれない」

「我々にも責任はある。マシンを適切なペースで改良していかなければならないし、具体的に言えばポイント獲得圏内にもっと入れるように、もっとアップデートをプッシュしていく必要がある」

「パッケージがクルマに搭載されれば、残りすべてのレースが彼のチャンスになる。しかし、よりしっかりと答えれば、バクーではチャンスはあるが、その週末は絶対に完璧でなければならない」

 

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