ウイリアムズ、英国2連戦に大型アップグレードを2台のマシンに投入へ
ウイリアムズは次のイギリスGPで、ふたりのドライバー共に”強力な”アップグレードを使わせる予定だ。このアップグレードパーツは、今シーズンこれまで2台のクルマで交互に試されていたモノだ。
写真:: Mark Sutton / Motorsport Images
ウイリアムズのジョージ・ラッセルは、先週末のハンガリーGP予選で12番グリッドを獲得した。これは、ここ数年グリッド最後尾から脱出できなかったチームにとって、躍進とも言える結果だ。そればかりか、トップチームの一角であるレッドブル・ホンダのアレクサンダー・アルボンをも、予選順位で上回った。
レースペースの面においてはまだまだ苦労しているウイリアムズだが、それでも燃料搭載量が少ない状態での速さについては、大いに励みになっていると言えるだろう。
ウイリアムズのビーグルパフォーマンス責任者であるデイブ・ロブソンは、ラッセルがオーストリアとハンガリーで使ったパーツが、ハンガリーGP予選での躍進を後押ししたと考えている。
「そのパーツは、ここでは非常に強力だ。だからニコラス(ラティフィ)はジョージに対して、少し難しくなると思っていた」
そうロブソンは語った。
「それが、ラッセルがQ2を突破する必要性を感じていた理由だ。それが完全に報われることはなかった」
ウイリアムズは、今回のアップグレードのアドバンテージがどれほど大きいのか、まだ確認できていないという。しかしイギリスGPで2台のマシンにアップグレードを投入するには、十分なほど良いモノであるということは確認できたという。
投入する時期に差が生じたことについて尋ねらたロブソンは、次のように語った。
「彼らは交互にそれを試してきた。オーストリアの予選はウエットだったから、参考にはしづらいが、有りと無し両方を経験したことで、明らかにアドバンテージだと確信することができた」
「したがって彼らは、ふたりともシルバーストンでの次のレースで、それを使うことができるだろう。しかしその効果を数字で弾き出すことはできなかった」
■ウイリアムズのアップグレードとは?
ウイリアムズが持ち込もうとしているアップグレード、それは空力面と機械面の両方にある。
開幕戦オーストリアGPではラティフィとラッセルが、異なるタイプのリヤウイングを使った。ラティフィはハイダウンフォース仕様のパッケージを、そしてラッセルは低ダウンフォース仕様のスプーンスタイルのリヤウイングを使った。
しかし第2戦シュタイアーマルクGPでは、ふたりのドライバー共に、スプーンスタイルの同じタイプのリヤウイングを使用。また、翼端板が長くなった新しいTウイングも投入した。続くハンガリーでは、揃ってハイダウンフォース仕様のリヤウイングを使い、さらに新しいTウイングも搭載した。
George Russell, Williams FW43 downwash fin & T-Wing detail
Photo by: Andy Hone / Motorsport Images
そのシュタイアーマルクGPでは、ラッセルのマシンのコクピット脇には、下向きの気流を生み出すカナード(赤い矢印)を取り付けた。しかし奇妙なことに、マシンの片側にだけしかこれが取り付けられなかった。ハンガリーGPではもう片方にも取り付けられ、さらに2台のマシン揃ってこのカナードを備える形となった。
ただ最も興味深いのは、チームは新しいサスペンションのアップライトを用意し、3レースでふたりのドライバーに交互に使わせているという点だ。この新しいアップライトは、空力的なアドバンテージをもたらすだけでなく、フロントサスペンションのジオメトリも変更したように思える。
これはハンドリング特性を改善させるだけではなく、パフォーマンスと耐久性の両方の観点から、タイヤの作動についても影響を与えるはずだ。
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