メルセデスF1、今季の苦戦は将来強くなるための”糧”になる? ウルフ代表「振り返れば、必要な日々だったと思えるはず」
メルセデスのチーム代表であるトト・ウルフは、今シーズンの厳しい戦いは、将来チームが改めて強くなるための糧になると考えている。
写真:: Sam Bloxham / Motorsport Images
2021年のF1は、レッドブル・ホンダとマックス・フェルスタッペンが圧倒的な強さを誇っている。レッドブルはモナコGP以来5連勝、フェルスタッペンもフランスGPから3連勝中……この結果フェルスタッペンは、タイトル争い最大のライバルであるルイス・ハミルトン(メルセデス)に、ドライバーズランキングで32ポイントの差をつけて首位を独走している。
2014年に現行のV6ターボエンジン+運動&熱回生システムのいわゆる”パワーユニット”が導入されて以来、圧倒的な強さを誇り続けてきたメルセデスは、今季ばかりはレッドブルに太刀打ちするのに苦労しており、その差を埋めるためにアップデートを実施することを、ハミルトンは訴えている。
そのメルセデスの今季マシンW12には、次戦イギリスGPで今季最後のアップデートが実施される予定となっている。これがしっかりと効果を発揮することが、チームが巻き返しを図る上で非常に重要であると言えよう。
しかし同チームの代表であるトト・ウルフは、これまで最強の座を誇ってきたチームにとって、レッドブルに対して苦戦している今シーズンは”楽しい人生経験”になるはずであり、その結果チームをより強くすることに役立つはずだと語る。
「我々のチームは、素晴らしい精神力を持っている。そして、我々が手にしている”免疫システム”にも、素晴らしい価値がある」
ウルフ代表はそう語る。
「免疫システムとは、事態が悪化した時に機能する必要がある。7年連続でチャンピオンを獲得したという経験を経て、現在あらゆる可能性に対して、厳しい戦いを繰り広げている状況にある」
「”楽しい”というのは、正しい言葉ではないかもしれない。でもこのことは、長期的に見て、我々をさらに強くしてくれる新しい経験になっていると思う。毎日が新しい学習体験であり、厳しい週末が数多くあったとしても、その日々が我々を強くしてくれる」
「我々はこれから何年も、このことを振り返ることになるだろう。そして、必要なことだったと思うはずだ」
2022年には、F1のレギュレーションが大きく変わり、マシンも一変することになる。そのため、開発のリソースを来季向けに振り向けるべく、今季用の開発を早期に終了させることが予想されている。メルセデスも例外ではなく、ウルフ代表も今季用の開発を早めに止めるとし、現状苦戦していたとしてもその計画に変更はないと明らかにしている。
しかし現状では、今季23戦が予定されている中でわずか9レースが終了したのみ。ウルフ代表はまだまだ残されたチャンスは数多くあるため、タイトル争いにおいてパニックになる必要はないと強調する。
「これまでの強かった全ての年で、手にしているパフォーマンスで有頂天にならないよう、地面に足をしっかりとつけようとしてきた。でも今は、反対のことをする必要があると思う」
オーストリアGPのレース後、ウルフ代表はそう語った。
「シーズンのこの段階で、諦めるつもりはない。チャンピオンシップに勝つことが数字的に不可能な状態にならない限り、シーズン中に諦めるつもりはない」
「従って、悲観的ではなく、楽観的に物事を見る必要がある。これまでもそうしてきたようにね。そして今日のようなレースからでも、得るべきことはあると思う」
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